■profile
今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2011.01.09

メインタイトル

「市議会なんて」
いらない、ですか?
誰がやってもいっしょ、ですか?

PDFのD/L(表面)

PDFのD/L(裏面)

議決権の行使は、本来、最も重要な議会の権限であるにもかかわらず、
現実には長の提案を追認する傾向が見られる。

総務省「地方自治法抜本改正に向けての基本的な考え方」(平成22年6月22日)より。
平成20年の1年間で市長原案可決が103,806件中の102,981件、99.2%(総務省資料)

12年前に議会に来たとき、私も「議会はほんとうに必要か?」と思いました。
問題があっても、結局は市長の方針を追認するばかり。
反対する会派も、反対することじたいが目的で、どうすれば変えられるかの戦略や対案はなさそうでした。

それから、2回の選挙を経てメンバーも入れ替わり、雰囲気も意識も徐々に変わり。
西宮市議会は市長・市当局と是々非々で議論をするようになりました。
天下り先の第3セクターも、赤字垂れ流しの公立病院も、これまでの議会なら放っていたかもしれません。
でも、いまの西宮市議会は議論し、提案し、それを議会から実現するために戦略的に動いています。
議会はただのチェック機関ではないし、ましてや追認機関であってはいけません。
憲法93条に定められた「議事機関」として行政経営に責任を持つのが、いまの西宮市議会です。

4年前には無理だった議員定数削減がなぜ実現したのか。
なぜ西宮市議会は変われたのか。
ひとつは、私たちが諦めずに活動を続けたから。
ひとつは、議会の顔ぶれが変わったから。

平成18年12月定例会で、議員定数削減に関する議案に賛成した議員
賛成少数により、議案は否決されました。下の図は、議場を模した図であり、点線で囲まれた部分の議員が議員定数削減に賛成した議員です。なお、議長は採決には加わりません。
メインタイトル

平成22年6月定例会で、議員定数削減に関する議案に賛成した議員
議会改革特別委員会で議員定数削減を推進してきたのは、にしのみや未来と公明党と政新会(自民党等)でした。
グリーンクラブ(民主党等)は委員会では一貫して定数削減に反対する議論をしてきましたが、本会議で賛成に転じました。
賛成多数(すでに未来・公明・政新で過半数)で議案は可決しました、

メインタイトル

 議会で物事を決めるのは多数決です。どれだけ論理的に正しくても、過半数の議員が賛同しなければボツです。残念ながらそれが民主主義です。

 ずっと宥和と妥協で議員生活を送ってきたような議員にとっては、改革なんて「痛みを伴うわりに票にならない」ものです。だから、彼らは「改革が成功しないように」手を変え品を変え。なかなか手強いものです。

 それでも私たちは諦めずに、論理的な主張を続けてきました。選挙で議員の顔ぶれも変われば、正論が通用する議会が実現する。そう信じていたからです。

 議会改革特別委員会を立ち上げ、この2年は委員長として改革を進めてきました。「改革の成功は私の手柄」と言いたいのは山々ですが、メンバーの入れ替わりなどによる議会全体の資質向上こそが改革実現の要因です。

 危機感のない旧態依然議員も、大衆迎合ばかりの無責任議員も、選挙で選ばれて議会にいます。だから、無視したくてもできないのが民主主義。議場では、変えようと動いている議員とそうでない議員が拮抗しています。もう少し入れ替わればさらに改革は進みます。  いえいえ、「誰がやってもいっしょ」ではないのです。

西宮に生まれての38年間、
政治家としての12年間、
3期目の4年間。

 「自分ひとりの政策では政治を変えられない」と絶望していたころもありました。でも、諦めずに継続的に提案してきたことで、政策は確実に西宮の行政運営を規律するようになりました。
 「市議会はどう?」と訊かれるたびに、危機感のない議員たちの顔が頭に浮かんで苦々しい思いをしてきました。でも、選挙のたびに議会の雰囲気も変わってきて、議会改革もようやく成果が見えてきました。

72〜

 紀元前99年の中国。将軍李陵は北方騎馬民族の大群を相手に激戦し、投降しました。降伏に激怒した皇帝は李陵に処刑を言い渡しました。司馬遷は宮廷でただひとり李陵の勇戦と無実を訴えたことによって、同じく処刑を言い渡されました。司馬遷は死を選ばず、宮刑を受け入れました。司馬遷は、李陵を記すためだけに生き恥を晒して生きることを選びました。『史記』に魅せられた小学生の私は、「使命を感じたしごとのために生きる」ことに憧れました。

 私は死を恐れていない。
 あのときも死を選ぶのは実に簡単なことだったが、
 もしあのときに死んでしまっては
 自分の命など何の価値もなかっただろう。
 自分が死んでしまえば史記を完成させることができない。
 仕事が途中のままで終わるのを
 自分はもっとも恥とするところだ。(『史記』)

 16年前の震災で、家は全焼しました。
 ボランティアがやって来ました。しかし、ほとんどは「惨めな被災者に感謝される」ことが目的でした。汚れ仕事を避け、喜ばれる仕事ばかりをやりたがる緊張感のない彼らから「惨めな被災者」と扱われることは、屈辱でした。
 自衛隊がやって来ました。規律正しい彼らは、圧倒的な能力で粛々と使命を果たしていました。プロとして仕事をする彼らは、被災地に勇気をくれました。
 22歳の私は、日本と地域のために生きることに人生を使おうと決めました。

99〜

「みんなが選挙に行きたくなるような政治がしたい。」

 そう書いたチラシを家族と友人で西宮にただ配り続けた26歳の私は、6157票のトップ当選で西宮市議会に迎え入れられました。会派「蒼志会」を結成し、「行動する政治」を旗印に、妥協しない政治を始めました。

 いっぽうで、政治を変える仲間たちを生むために、大学生を対象とした議員インターンシップを運営するNPO法人ドットジェイピーを設立しました。それに加え、「選挙に出たい」という若い人たちが全国から次々と私を訪ねてきました。彼らはのちにそれぞれのまちで立候補し、政治家になっていきました。

 しかし、「初立候補トップ当選」に始まった自分の政治活動をどう扱っていいのかわからない1期目の私は、飾り立てて大きく見せた「政治家今村岳司」と現実の自分のギャップに気付かないほど驕り、酔っていました。そして、自分の幼い幻影と、目の前の現実のあいだの溝をどう越えていいものか、答えが見つからなくなってしまっていました。
 思いどおりにならない政治、無責任にマスコミを信用して批判だけをする無関心な市民。私は自分の不甲斐なさと現実に苛立ち、何のために仕事をしているのかわけがわからなくなってきたころに、2回目の選挙を迎えました。

03〜

 2回目の選挙を経ても変わらない情況は、さらに私を苛立たせました。政治に絶望し、自分の存在意義を見失い、欝に悩むようになりました。苦しい欝から抜け出すためにひとりこもって節制し、研究と読書に明け暮れました。
 政治とは。市民とは。政治家とは。民主主義とは。放置してきた問いに向き合い、自分の使命に改めて辿り着きました。

 もう、無理に自分を鼓舞したりすることもありません。怒りを力に替えることもありません。感情を廃し、合理的に仕事をすることにしました。トップ当選の歓喜も、旧態に対して怒りをぶつけていたことも、すべては過去です。
 今村という政治家がいなくなっても、日本と西宮の政治は生き続けます。私は時代の流れの中の一箇所で、役割を担っているに過ぎません。歴史からもらった役割をただ淡々と責任を持って果たし、次代の政治を創ることこそが、私のあたらしい「闘う政治」です。
(平成17年頃の手記より)

 私は政治家としての使命を改めて受け容れ、政策活動に集中しました。「無防備都市宣言」を議会で論破し、「総合選抜制度」の廃止も進めました。
 誰より命懸けで政治をやっている証として、私には改めて勝利が必要でした。 実績に自信を持ってきちんと政策を書いたチラシを配った3回目の選挙で、いちど手放したトップ当選を取り返し、心をあらたに政治活動を始めました。

07
会派幹事長となり、議会運営委員会副委員長に就任。
議会改革特別委員会の設置を進める。

 3期目に入って、会派の幹事長(代表)になりました。
 単に政策を研究して提案することに加え、会派全体の政策活動をマネジメントすること、議会全体を巻き込んで政策実現のために戦略的に活動することが仕事になりました。それによって、議員としての仕事の可能性がまだまだあるのだ、ということを知るようになります。議会改革に関しては、旧態から抜け出せない古い議員たちとの長い闘いが始まりました。

 政策としては、一部の数字を取り上げて財政状況好転を吹聴する市長に対して、第3セクターや公立病院まで含めた市全体の借金について取り上げるなど、このころよりひどくなってきた市長のバラマキ政策を糾弾することが中心になってきます。さらには、人口増に伴う住環境の悪化と行政インフラ(学校や保育所など)不足に警鐘を鳴らす政策も取り上げました。

3月定例会 代表質問
・1)収入未済について(税金や国保料や市営住宅使用料の滞納督促)
・2)行政評価について
・3)人事評価について
・4)外郭団体の見直しについて
・5)市立中央病院の経営健全化について
・6)複数志願制度の導入について(公立高校入試の総合選抜制度の廃止)
・7)学校予算について
6月定例会 一般質問
・1)この4月の統一地方選挙の投票率について
・2)市営住宅という福祉について
9月定例会 平成18年度決算認定に対する賛成討論
12月定例会 一般質問
前説〜H20予算策定への警告
1)外郭団体の見直しについて
2)大社小学校の児童急増問題について(強引な校区変更に対して)

市長はいろいろなところで、「財政状況が好転している」とか
「市財政に明るい兆しが見えてきた」とか
おっしゃってまわっているようです。
しかし、この西宮の財政状況は全く好転もしておりませんし、
明るい兆しが見えてきてもおりません。
そもそも筋肉質な行政経営は、財政状況に拘わらず、
常に心懸けられるべきものです。
慎重に予算案の策定をなさっていただきたい。

(12月定例会:一般質問の前説より)

08
議会運営委員会委員長に就任。
超党派の勉強会「総合計画研究会」を呼びかける。

 高齢の市長は自分の選挙を前に、自分の色を濃く出したデタラメな「市民参画条例」と「第4次総合計画」を強引に議会を通過させようとします。その問題点を議会全体に訴え、議会全体に対して「市長の追認機関から脱すること」を訴え続けました。
 総合計画に関する議論を他の会派に呼びかけることを通じて、市議会は論理的な議論ができるようになり、議会が行政経営に責任を持つ流れは確実にかたちになってきました。
 市長選挙を前にしたバラマキや基金の大幅な取り崩しを批判し、財政規律を求める政策を中心に提案しました。景気悪化に伴う扶助費(福祉支出)増加、先送りにされてきた公共施設の耐震化と更新にかかる莫大な経費、中央病院や第3セクター「西宮都市管理株式会社」の破綻危険性など、西宮市で予測される何十億円単位の財政リスクを指摘しました。

3月定例会 代表質問
・1)危機感のまったく無い行財政運営ついて
・2)次期総合計画について
・3)人口急増問題について(福祉支出増大と自動急増への対応を要求)
・4)景観行政について(一定のマンション建設規制の必要性)
・5)中央病院の経営について
6月定例会 「参画と協働の推進に関する条例」を継続審査する動議
9月定例会 一般質問
1)次期総合計画に関する当局素案について
2)学校施設の長期的な整備計画の必要性について
9月定例会 平成19年度決算認定に対する賛成討論
10月 「総合計画研究会」編集 第4次西宮市総合計画(私案)発表
12月定例会 平成20年度西宮市立中央病院事業会計補正予算に対する討論
12月定例会 「第4次西宮市総合計画・基本構想」を継続審査する動議

私は、真剣な議論をしてきた西宮市議会を、
党派を超えて同志だと誇りたいと思います。
議場の西宮市議会議員のみなさま、
市民の信託を背負い、未来に責任を負っていることに
誇りがあるのならば、総合計画について議場で討論して欲しい。
その言葉は、10年後の西宮に対しての言葉として残るでしょう。
そして、その言葉を受けて、何も学ぶことができない市当局は、
改めて自らが西宮の歴史に対して行った冒涜を、心から恥じよ。

(12月定例会:総合計画を継続審査する動議より)

09
議会改革特別委員会委員長に就任。
市が先送りにする課題に対し、議会からの制禦を始める。

 市当局は、天下り先でもあるJR西宮駅前再開発ビル「フレンテ」を管理する第3セクター「西宮都市管理株式会社」の延命のために、議会無視の専決処分で貸付けをおこないました。それを受けて、抜本的な処理策の検討もなしに税を投入することをやめさせるために「フレンテ問題特別委員会」を設置し、議会から解決策を提案するようになりました。
 一方、従前より指摘してきたとおり、財政の長期見通しは100億円以上も修正を余儀なくされました。財政投入が膨張する中央病院、年30億と試算される施設改修経費、焦げ付くことが目に見えている西宮都市管理(株)への貸付け、10億円単位の扶助費(福祉支出)増加、児童急増対策(保育所で5.5億、学校で10億)、市長選挙におけるバラマキなどの財政リスクを再び指摘したうえで、財政改善の数値目標を設定することを訴え、事業の仕分けを要求しました。

3月定例会 代表質問
・1)財政について
・2)アセットマネジメント(計画的な公共施設の整備)について
・3)上下水道の将来ビジョンについて(上下水道の組織統合)
・4)中央病院の経営について
・5)教員人事に対する西宮市教職員組合の介入について
3月定例会 西宮市教職員組合の違法行為に関する決議
3月定例会 平成21年度予算案に対する討論
6月定例会 西宮都市管理株式会社への短期貸付専決処分報告に対する質疑
6月定例会 西宮都市管理株式会社への短期貸付専決処分報告に対する討論
9月定例会 一般質問
・1)アセットマネジメントについて
・2)コンプライアンスの推進について(職員の不祥事多発を受けた規律向上)
・3)西宮市都市管理株式会社の経営体制について

質問は、市長ではなく、当局の優秀な官僚にさせていただく。
それぞれに刮目し、大局を見ていただきたい。
いまの西宮で、いち公務員として議場に坐っていては
その西宮を見殺しにするという情況を理解されよ。
現在の市政においては、
自らが最後の頼みの綱であるという状況を受容し、承認し、
自らの双肩に西宮の将来が乗っていると思って、
心して答弁されよ。

(3月定例会:代表質問の前説より)

10
2年連続で議会改革特別委員長を務め、定数削減を実現。
市長交替を期に、議会から行政運営正常化を働きかける。

 市長が議会を欠席するなどして交替したあと、市政は少しずつ機能恢復を始めます。
 計画的な公共施設整備に取り組むための調査が開始されるなど、訴えてきた政策も少しずつ実現し始めました。西宮都市管理(株)に関しては、市への債務が返済されない場合には法的処理をおこなうことを要求しています。また、建て替えるとなると200億近い経費が試算される中央病院に関しても、病院がじゅうぶんに足りている西宮で高コスト体質の公立病院を維持する必要があるのかなどを議論するために特別委員会を設置しました。さらに、公立幼稚園と私立幼稚園における、保護者負担や公費投入の格差是正にも取り組み始めました。
 議会改革の流れの総決算として、定数削減を実現したほか、議会の議決事件の拡大する条例を制定するなど、議会から行政経営への関与を強めるための改革を進めてきました。

3月定例会 代表質問
・1)市政運営について
・2)財政について
・3)人事について
・4)ファシリティマネジメント(計画的な公共施設の整備)について
・5)幼稚園行政について(保護者負担の公私間格差是正)
・6)中央病院について
3月定例会 平成22年度予算案に対する討論
6月定例会 代表質問:河野新市長の所信表明演説に対して
6月定例会 議員提出議案「議員定数削減(45人→42人)」
9月定例会 一般質問
・1)各種部門別計画の整理について
・2)特別交付税の予算編成上の扱いについて
・3)慣行水利権に関する課題について(悪質な水利権者の工事協力金要求問題)
9月定例会 平成21年度決算認定に対する賛成討論
9月定例会 副市長人事に対する賛成討論
12月定例会 議員提出議案「議会の議決すべき事件に関する条例の一部改正」

新市長は48万西宮のための市長です。
選挙で応援した人だけのための市長ではありませんし、
さらに、応援したと喧伝して利を得ようとする者だけが
あなたに投票した人ではありません。
前任者による失われた十年を取り戻し、未来を創るために、
誰にも束縛されずに、自身の創意と理性に従って、
自由に行政運営にあたっていただきたいと思います。
新市長の愛と誠は、48万西宮の遍くすべてに賜りますよう。

(6月定例会:新市長の所信表明に対する代表質問より)

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