■profile
今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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 私は、極力お金を使わずに高品質な行政サービスを提供すべきだと考えています。お金をかければ行政サービスはいくらでも充実させることができますが、その原資となるのは税金です。それを超えて借金をするのならば、それは次の世代へのツケとなります。ですから、行政が本当にしなくてはいけないサービスをきちんと整理したう上で、低コストでサービスを提供する必要があります。
 しかし、そんな私も「これだけはお金をかけるべきだ」と思っている分野があります。その最もたるものが学校教育です。震災以後、教育予算が削られる一方で教育行政へのニーズは多様化・高度化しています。西宮が「文教都市」を謳うのであれば、それに恥じないサービスの提供が必要です。将来の日本も、将来の西宮も、子どもたちが創るのです。その子どもたちを育てる教育の質こそが、まちの強さなのです。

@学校の予算をアップすべきです。

 学校教育に対する要求はどんどん高まっています。学力低下の問題、複雑さを増す生徒指導、学校の安全対策・・・。しかし、学校運営経費は年々減り続けています。1993年に総額約13.7億円あった学校運営経費も、2006年には約7.5億円にまで落ち込んでいます。(生徒一人当たり小学校で14,347円、中学校で22,645円)。この6億円の減ですが、行政の事業の中で効果の薄いものや時代遅れのものなどをやめれば、工面することは十分可能な金額です。お金をかければ即ち教育の質が上がるというものではありませんが、少なくとも現在の予算では、いまの学校教育の課題を解決することは不可能です。品質の高い学校教育を提供するためには、まずは学校運営経費を増額すること、そして、その使用について学校の裁量を増やすことが必要です。

A学校の安全対策を講じるべきです。

 私はハコモノ行政には極力反対です。ハードよりソフト、そんなことあたりまえです。でも、私が「これだけはお金をかけなくてはいけない」と思っている”ハコモノ”が「学校」です。
 学校は毎日使われる”ハコモノ”です。万が一、図書館が壊れてしまっても、しばらく本を借りられないだけです。公民館が壊れてしまっても、イベントや講座が中止になるだけです。でも、学校が壊れてしまったからといって授業を中止にするわけにはいきません。他の代わりになる場所もありません。学校は、行政が品質を保って用意するべき最低限の”ハコモノ”なのです。また、震災を経験された方ならお分かりでしょうが(うちは全焼でした)、学校はいざというときの避難所でもあるのです。それが壊れてしまったら、地域の人たちはどこに行けばいいのでしょう・・・。
 それだけ大事な学校ですが、西宮にはまだまだ老朽校舎がたくさん残っています。夙川小学校は築71年、津門・用海・浜脇小学校は築70年です。そのほかにも、築50年以上の学校は7校あります。
 また、耐震診断によれば、対象建築物123棟中17棟が最も対策の急がれる「補強または改築の必要あり」、87棟が「補強の必要あり」という結果になっています。さらには5棟にいたっては耐震診断すら未実施です。
 ちなみに津門小学校は現在改築工事中ですが、この工事には、設計日や仮設校舎の経費なども含めて約16億円がかかっています。このように大変な経費のかかる事業なので、老朽化した校舎のすべてを一気に補強・改築することは不可能です。しかし、私は他のあらゆる施設より優先して対策するべきだと考えています。

 行政サービスを提供するために必要なものはお金だけではありません。市役所の職員も事業推進のための重要な資源です。しかし、現在の西宮市役所では、職員という資源が有効に使われていると思えません。職員一人あたりには約1,000万円のコストがかかっています。それが高いかどうかという議論も大切ですが、要は1,000万円のコストに見合う仕事をしてもらえばいいのです。必要性のない事業に従事している職員、アルバイトで出来るような作業に従事している職員、民間に委託すべき事業に従事している職員。そんな彼らに、ほんとうに西宮市が必要としている仕事に就いてもらう必要があります。

@行政改革を推進するべきです。

 行政サービスの質を上げるには、市役所が「お役所」から、効率的に質の高いサービスを提供できる企業に生まれ変わる必要があります。
 いまの西宮市役所は、市民サービスを効果的に提供できる組織であるとは言えません。議論と情報共有の欠如・コスト意識の欠如・「前例がない」ですべてが握りつぶされる進取のなさ・縦割り組織による閉塞感・リーダーシップの欠如。そんな市役所を変えることによって、市民サービスの質も変わるはずなのです。
 西宮市の行政改革にスピード感がない原因の一つは、圧倒的に不足している経営管理部門の人員です。この部署を強化して、西宮市を「企業」に生まれ変わらせることが必要です。

A教育の質を上げるべきです。

 西宮市の行政サービスで、圧倒的に満足度の低いものが学校教育です。学校教育の質を高めるには現在の教育委員会のサポートでは不十分です。
 まずは、学校の授業や子供の保育の質をチェックする体制が不十分です。現在はそれを校長(園長)だけでやっているような状態です。教育や保育の質を上げるためには、専門性の高いスタッフがチェックし、適切なアドバイスを与えたり、フォローをしたりすることが必要です。
 また、学校の安全管理や、”総合的な学習の時間”などの教育の幅の広がり、部活動の指導など、多様化する学校教育の課題を教員だけで解決することが難しくなってきています。そこで、地域ぐるみで学校教育をフォローしていく必要性が高まっています。学校サポート”ささえ”に登録していただいている地域の人々の力を充分に活用するためにも、地域との連携をコーディネートする人員が必要です。

B行政運営は公正に行われるべきです。

 まじめに税金を払っている人からすれば、驚くべきことがあります。市税や国民健康保険料から水道料金に至るまで、市が収入すべきすべてのお金の中で、未納になっている額が年間200億円近くにのぼるのです。この中には悪質なものも多く、その収納や催促をする人員が充分とはいえません。
 また、行政に対して要求を無理に通そうとしてくる者もあとを絶ちません。彼らの要求に圧されたり、彼らと癒着したりして不適正な執行をしている例も後を絶ちません。生活保護や市営住宅を管轄する部署や業者の出入りする部署では、役所のカウンターなどで要求を通そうとして暴力を振るう事件などが多発しているのが現状です。
 不当要求には毅然とした対応が必要です。そのためには、現場への現職警察官の出向受け入れなども含めた対策が必要です。

 「ここにお金を使うべきだ」「ここにマンパワーをつぎ込むべきだ」といっても、「そのお金や人はどこから調達するのか」がなければただの絵空事です。ですから、総合的な政策の設計にあたっては、何を効率化して余剰資源を生むのかを明確にしておく必要があります。
 私は、行政の効率化を以下の考え方で提案しています。
 @時代適合性、投入した税金に対する効果、行政が税金で提供する必要性などをふまえて行政がやっている事業を再検証し、スリム化する。
 A行政運営自体に無駄なコストがかかっている部分をカットする。
 B民間でやったほうが安価でよいサービスが行えるものは民間に任せる。
 よく言われるような「行革=リストラ」「民営化=サービス切り捨て」は感情論に過ぎません。「民間企業は利益ばかりを追求して安全性などを無視している」というのが、各種民営化に反対する常套句です。この言葉を民間企業にお勤めのあなたはどう聞かれますでしょうか。「役所に言われたくない」ですよね・・・。

@保育所の官民格差を是正するべきです。

 西宮市内には公立保育所と私立保育所が同じ数ありますが、その運営経費は大きく異なっています。その原因は人件費です。運営費に占める人件費の比重は私立80.2%に対して公立87.1%、正規職員の平均年収は私立423万円に対して公立647万円と、200万円以上の差があります。パート職員の配置に関しても、私立は子どもの多いとき・少ないときでシフトを工夫して配置している一方で、公立は同じ人数を配置しっぱなし。公立保育所の運営効率化と、民営化計画の策定が必要です。
 でも、親になってはもっと気になるのが、民営化してサービスが低下しないのかということ。以前の公立保育所民営化の折には、私立保育所をおとしめるウソのビラが配られたりもしましたが、騙されてはいけません。以前の甲東保育所・安井保育所の民営化の折には、運営経費が安くなった一方で、定員増に成功し、待機児童解消に一役買ってくれました。

A公務員の待遇を適正化するべきです。

 2004年頃から大阪市の常識はずれの職員厚遇が問題になり始めました。そして、その直後、西宮市でも問題となりました。市職員の福利厚生を運営する職員自治振興会に対する補助金が、不正に執行されていることなどを議会で追求し、2005年の9月議会で見直しが決定しました。また、同年9月議会では、西宮市でも著しい勤務実績不良のため職場を離れている職員がいることを追求しました。
 「公務員はクビにならない」は嘘です。地方公務員法には、きちんと、勤務実績がよくないものや適格性を欠く者を免職できると書いてあるのです(分限処分)。それを適用していないだけなのです。働いていない職員に給与を支払うことは、納税者の納得が得られない上に、まじめに働いている職員のモチベーションを下げる、とんでもないロスなのです。

B議員定数を削減するべきです。

 西宮市議会議員は45人もいます。そして、議員一人あたりの経費は年間1,600万円です(私はそれ以上の価値を西宮に提供できているかを常に考えて活動してきました)。議員定数の削減は、経費削減だけではなく、議員の質の向上にもつながります(特定利益の代表者や能力に問題のある人物が議員になることを防ぎます)。昨年の議会では残念ながら否決されてしまいましたが(表面参照)、あきらめずに取り組み続けます。

@総合選抜制度を2009年度から廃止するべきです。

 「子どもがいるので、総合選抜制度のない都市への引越しを考えている」こんな人たちがたくさんいるまちが、「文教都市」を謳ってきたのです。
 西宮市では、市立小学校の卒業生のうち約15%が私立中学校に進学し、市立中学校の卒業生のうち約20%が私立高校に進学しています。その最大の原因は、西宮市の教育の”癌”である総合選抜制度です。
 私たち蒼志会は2005年の12月定例会で高校入試制度改革に関する意見書を提出し、過半数の賛成を得て可決されました(表面参照)。それを受けて2006年5月に「高校改革に伴う選抜制度改善検討会」が立ち上げられ、2007年1月19日、正式に西宮市教委は兵庫県教委に対して、西宮学区に新しい選抜制度(複数志願選抜・特色選抜)を早期に導入することを要請しました。新制度への以降には周知などのために約2年の期間をおいて、最速で2009年度から(現在中学1年生の学年の高校受験から)新しい制度に移行することになります。
 これまで、多くの中学生の学習意欲や努力の機会を奪い、学校を選択する自由までも奪ってきた総合選抜制度は、ようやく正式に廃止されることが決定しました。これからも、平成21年度から確実に新制度に移行できるように要請を続けていきます。また、新制度に移行すれば問題がすべて解決するわけではありません。北部地域の通学問題、高校の特色かをどう促進するかという問題、選抜の際の内申点の公平性の問題など、まだまだ問題は残っています。本年度から総合選抜制度を廃止する尼崎市や明石市などの状況を踏まえながら、適切な政策提案を続けていきます。

A中央病院のありかたを見直すべきです。

 2006年度は16億円の税金を投入している中央病院。経営健全化計画の進捗も芳しくなく、毎年多額の税金が投入される状況に変わりはありません。いよいよ、今ある診療科は全部必要なのか、救急体制上ほんとうに必要なのか、そういったことを考えて、「西宮が市立病院をあえて持つなら、どのような病院が必要か」を再定義することが必要になってきています。市内には兵庫県立病院もありますし、他にも病院はたくさんありますから、もしかすると、中央病院がなくても成り立つのかもしれません。現に中央病院の来院者数は減り続けています。またその病院をどういった形態(民営化。独立行政法人化、PFI・・・)で運営するのかも検討する必要があります。
 昨年12月定例会でこの問題を取りあげ、市立病院からは、本年度、外部委員を交えた検討委員会を設置することが明言されました。これからも、その委員会での議論の進捗を踏まえながら、適切な政策提案を続けていきます。


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