今村岳司XDL - policy - 2012年9月議会 一般質問:西宮市における重点政策について&要望まとめ

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今村岳司/いまむらたけし】
imamura 1972年、西宮市生まれ
西宮市議会議員

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2012年9月

西宮は教育施策に力を入れなければいけないという理由について

 西宮では、教育と住環境整備こそが、最重要施策であるべきです。 それは、昭和38年の「文教住宅都市宣言が根拠となります。

 ※文教住宅都市宣言
 <前略>ここに、西宮市は三十万市民のひとしく望むところにしたがい、風光の維持、環境の保全・浄化、文教の振興を図り、当市にふさわしい都市開発を行い、もって市民の福祉を増進するため、西宮市を「文教都市住宅」と定め、こんごの市政運営がこの理念に基づいて強く推進されるものであることを宣言する。

 「文教住宅都市」は、私が調べた範囲では、市川市と習志野市、そして西宮市が制定している、特徴的な都市目標です。これは、西宮を特徴づける、非常に重要な都市目標なのです。西宮で都市経営に関わる者ならばすべて、議員も職員も当然市長も、この文教住宅都市という都市目標に対して、最大限敬意を払わなくてはなりません。
 しかし、一方で、西宮市のどれほどの住民が、西宮市の文教都市施策に満足しているでしょうか。平成18年に実施された「西宮市市民満足度調査」では、「小・中学校教育の充実」が、全61施策のなかで「重要度」で9位でありながら、満足度では56位となっています。
タイトル
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 現実に、市内公立小学校の卒業生のうち、公立中学校に進学するのは、80%以下です。最も少ない夙川小学校に至っては、卒業生158人のうち、たった35,4%の56人しか、公立中学校に進学していません。  

市立小学校名 卒業生 市立中学校へ進学 私立中学校へ進学 その他へ進学
浜脇小学校 176 155 16 5
西宮浜小学校 138 125 8 5
香櫨園小学校 152 99(65.1%) 47 6
安井小学校 101 78 20 3
夙川小学校 158 56(35.4%) 91 11
北夙川小学校 165 110(66.7%) 49 6
苦楽園小学校 83 48(57.8%) 34 1
大社小学校 107 77 28 2
神原小学校 68 57 9 2
甲陽園小学校 179 109(60.9%) 60 10
広田小学校 152 120 25 7
平木小学校 45 38 5 2
甲東小学校 188 152 28 8
上ヶ原小学校 175 131 35 9
上ヶ原南小学校 83 68 13 2
段上小学校 116 103 11 2
段上西小学校 143 124 15 4
樋ノ口小学校 160 148 7 5
高木小学校 210 157 47 6
瓦木小学校 67 41 24 2
深津小学校 50 45 4 1
瓦林小学校 119 89 26 4
上甲子園小学校 102 70 29 3
津門小学校 110 95 13 2
春風小学校 161 142 15 4
今津小学校 96 86 6 4
用海小学校 128 118 9 1
鳴尾小学校 73 68 3 2
南甲子園小学校 132 105 24 3
甲子園浜小学校 90 74 12 4
高須小学校 90 85 3 2
高須西小学校 70 66 2 2
鳴尾東小学校 103 90 12 1
鳴尾北小学校 243 184 48 11
小松小学校 132 116 12 4
山口小学校 87 83 4 0
北六甲台小学校 119 103 14 2
名塩小学校 104 85 16 3
東山台小学校 111 85 24 2
生瀬小学校 114 102 10 2
合計 4900 3887(79.3%) 858 155

 これは、市当局がこれまでその施策を充実させてこなかったことのあらわれともとれます。私が認識している範囲に於いても、教育施策が、他の施策より際だって重視されてきたとは到底思えません。
 西宮市の都市経営は、どういうまちづくりをするのかというところに明確な論理的根拠を持った意思がなく、いつも総花であり、教育施策が特別重視されているという印象は特にありません。

 改めて、西宮市は、文教住宅都市です。ですから、あらゆる行政施策のレベルが平均点であったとしても、教育施策と住環境整備施策だけは、優先され、高い満足度を誇らなければなりません。教育施策は、他の施策よりも優先されるべき施策なのです。

重点政策は遍くの住民と西宮の歴史から導き出される正当性を以て決定づけられるべきである

 どの議員も、政策を取り上げるに際しては、その政策こそが重点政策だと思って問題提起していることでしょう。なかには、その議員独自の想いであったり、もしくは、その議員の周辺の限られた住民のアイデアなどが反映されたものもあるでしょう。議会とは、その構成員が複数であることを以て、このように、多様な住民の価値観やニーズを反映することが役割とも言えるため、そういった個別の想いによる政策提案もナシではないでしょう。
 しかしながら、市長はそうであってはなりません。西宮に市長は一人しかおりませんから、その市長の個人的な想いや、限られた周囲の意見で重点政策を決めることがあってはなりません。それはリーダーシップの発揮というのとは違います。
 西宮市が、西宮市長によって創業された会社であるなら、創業社長の想いで運営していただければよいでしょう。しかし、48万人のものである西宮の重点政策は、遍くの住民と、西宮の歴史から導き出される正当性を以て決定づけられなければならないのです。

 このところの本市の重点施策については、「公式に実施された調査」や「遍くが共有すべき理念や目標」や「現在の西宮が直面している政策課題」などから考えると唐突で正当性を欠くものが目に付きます。
 たとえば、頻繁に「都市型観光の振興」という言葉がきかれるようになりましたが、先ほど紹介した平成18年の「西宮市市民満足度調査」の「重要度」では、「都市型観光の振興」は、61施策中60位となっています。それがいかに充実したものであろうとも、先に充実させるべき施策、例えば教育施策などが蔑ろにされたままであるならば、私はそれに共感することはありません。そして、私だけではなく、文教住宅都市の住民が受け容れるべきものではありません。

 政治家は、個人的な興味や好き嫌いによって恣意的な政治判断をすべきではありません。私には子供はおりませんから、個人としての今村岳司は、西宮の公立学校の教育に、何の関心もありません。しかし、文教住宅都市の議員としての今村岳司にとっては、教育施策こそが、西宮の最重要施策です。私もお年寄りも団塊の世代の人たちも、子供がいなかろうが、子供がとうに手離れしていようが、住んでいるまちが文教住宅都市であるならば、その税金が教育施策に重点投入されることは受け容れるべきです。しかし、文教住宅都市の住民が、その税金が都市型観光に重点配分されることを受け容れるためには、その正当性が論理的に説明されなくてはなりません。
   説明責任を果たす政治というのは、何も、住民説明会を開催するという意味ではありません。住民に対して合理的な説明が可能な政治というのが、説明責任を果たす政治だと思っています。改めて、合理的な説明のできる政策のメリハリを付けていただきたいと要望いたします。

 今回の質問で取り上げる提案をかたちにしようと思えば、大規模な予算が必要となるものもあります。財政情況に相変わらず余裕はありませんから、それを理由に後回しにすることは簡単なことです。しかし、いかに財政が厳しくとも、他の施策を削ったとしても、それでも教育施策には、重点的に予算を付けていただくよう、政策転換を図ってください。

 また、それと合わせて必要なのは、それを全庁的に推進する政策局が合理的な判断によってその名のとおり政策を立案し、それを、責任を持って推進することです。それができなければ、限られた資源で、今の西宮に必要な行政施策をおこなうことができません。
   地方分権一括法までのように、国や県の基準に則って総花の行政推進をしておればいいという情況にはないのです。西宮に必要な行政施策を、西宮が自分で考え、それに責任を持つことが必要となってきているのです。
   政策局の仕事は、全庁の調整ではなく、西宮に必要な政策の設計であり、合理的な判断基準の提示であり、それに責任を持つということです。4月から名前も変わり、文化施策などを間引いてもらったにもかかわらず、本年度に入ってから政策局がその名の通り、政策局らしい部署に変わったと思えたことは一度もありません。いまいちど、重点施策の明確化や、機動的な政策対応に、政策局はその名に相応しい仕事をしていただきたいと要望して、私の一般質問を終わります。

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