2011年3月
「西宮市第三セクター等への関与に関する条例制定の件」
を直ちに採択するための動議
にしのみや未来は、ただいま上程されております、議員提出議案第15号、西宮市第三セクター等への関与に関する条例制定の件に対して、継続審査とするのではなく、直ちに採択し、可決すべきとの立場で意見を申し上げさせていただきます。
第三セクターの運営においては、経営の自由度の確保と、経営責任のバランスをどう取るかが重要なことになってきます。
しかし現在の制度では、自由度だけが保障されながら、経営責任は誰も取らずに、財務責任は税負担というかたちで市民に負わせるものとなっています。したがって、その責任を負わされる市民の代表である議会が、経営責任を追及するために第三セクターの経営状況を把握し、その支援に関して意志決定するということは非常に自然なことです。
しかも、平成21年6月23日に総務省より出された「第三セクター等の抜本的改革の推進等について」という通知の指針第2の3において「議会において十分な議論がなされ、その処理が適切なものであることについての確認が為される必要がある」というふうに要請されていることからも、この条例案の想定する議会の態度が、国の要請・全国的な流れに沿ったものであることがわかります。
しかし、この条例案に対して3月4日に市当局が出した「意見」という文書にある市当局の立場は非論理的な箇所が目立ちます。
今回の予算案にありました「西宮都市管理株式会社」への貸付金の長期化を決定した際の説明に、総務省通知の趣旨に沿って、早急に短期貸し付けをやめるべきとありました。一方で、市にとって都合の悪い箇所については、何ら措置をせずに進めようとしています。
まず、「対象法人に各種資料を求めることについて」、第三セクターは部外のものであるからして、市長の調査権限を及ぼすことには慎重であるべきとありました。
しかし、第三セクターに投入されている資金はすべて税金です。調査権限を及ぼすことに慎重にならざるを得ないようなところにある税金は、直ちにすべて引き揚げ、第三セクターは事業を完全に民間に移管すべきです。もしそうでないなら、市の直営事業にした上で議会や監査委員からの詳細な監視を受けるべきです。第三セクターの意義である「経営の自由度の確保」を活かしたいのであれば、市長がじゅうぶんに調査権限を及ぼすべきであることは自明です。その証左として、先に紹介した総務省通知の指針第2の2には、「経営責任、事業の整理もしくは再生が最善の選択である理由、損失補償の必要性などを、地方公共団体の長は、議会・住民に対し、情報開示を徹底することによって、責任の明確化をすること」が要請されています。
次に、「公的支援を議決事項とすることについて」は、議会が有する重要な権限である予算議決権を用いてその目的を達するべきであるとありました。この意見には、怒りを通り越して、呆れるしかありません。
2年前の平成21年、新年度予算が可決された直後に、西宮都市管理株式会社に対して、議会に諮られず先決処分で1.5億円の短期貸付が行われました。経営改善計画や資金計画を提示させることもありませんでした。地方自治法179条の専決処分規定の拡大解釈も甚だしい暴挙でした。余談ですが、先ほどからご紹介している総務省通知が出されたのは、皮肉にも、この専決処分が議論される6月定例会の直前のことでした。
「予算議決権を行使して目的を達せればよかろう」という市の態度は、地方自治法において規定され、市民を代表して意思決定を行う議会の議決権の拡大権を侵害する行為であり、決して許されない態度と考えます。
ましてや、予算を可決した直後に、専決処分という手段で、結果的には議会を無視して公的支援と称して税金を投入したのが山田市政でした。そして、今後こういうことを許してはならないというところから、西宮市議会は特別委員会まで立ち上げて議論をしてきたわけです。
私たちは、48万市民から選ばれ、3000億の予算に責任を負わなくてはなりません。この条例案にある哲学というのは、当局の権限を侵害するとかしないとかではなく、二元代表制の一翼を担う議事機関という主体として、相応の責任を負うというものです。よって、この条例案を是非とも可決すべきです。
総務常任委員会での議論結果は、議案を継続審査と処するべきとのことでした。我々の任期はもう終わり間近なので、この議案は継続審査とされるならば、そのまま審議未了で廃案ということになるでしょう。ぜひ、そうなる前に、この条例案を可決すべきだとこの議場に対して訴えたいと思います。また、もし継続審査となって審議未了で廃案となったとしても、顔ぶれの全く変わった新議会で
直ちに改めてこの条例に関する研究を再開し、成立させるべきであるということも合わせて申し上げたいと思います。
最後に。継続審査とするべきという委員の理由は、概ね条例を運用する市当局のコンセンサスを得るべきという理由であったと理解しています。これは、市長の同意なしには条例を作らないという態度であり、ましてや、市長の邪魔をしていると捉えられるような意識は、法に規定された議会議員としての職責も、西宮市民と西宮の予算に責任を負うという覚悟も放棄して追認機関に成り下がることを意味すると捉えられます。こういった追認機関意識は、6月からの新議会に必要のないものであるということは、昨今の他の自治体における、議会の存在意義を問う住民の意思からも明白です。今任期限りにしていただきたい。
以上をもって、議員提出議案第15号、西宮市第三セクター等への関与に関する条例制定に件を直ちに採決し、可決すべきという意見とさせていただきます。
議案本文と条例本文
上記の議案を次のとおり、地方自治法第112条及び西宮市議会会議規則第14条第1項の規定により提出する。
平成23年2月17日提出
(目的)
第1条 この条例は、市が資本金、基本財産その他これらに準ずるものを出資している法人(以下「第三セクター等」という。)の運営に関し、市の役割及び第三セクター等の責務を明らかにするとともに、議会の関与により透明性を高めることによって、第三セクター等がその設立目的である公益性を発揮し、経営の健全性を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「公的支援」とは、市が第三セクター等に対して、次に掲げる支援を行うことをいう。
(1) 資金を貸し付け、若しくは譲与し、補助金を支給し、又は資本金その他これに準ずるものを出資すること。
(2) 貸付金の返済を猶予し、返済計画の変更をすること。
(3) 適正な対価なく財産を貸し付け、又は譲渡すること。
(4) 債務保証その他これに準ずる保証等を行うこと。
(5) 職員を派遣すること。
(適用対象)
第3条 この条例の適用対象となる第三セクター等は、次の各号に掲げる法人とする。
(1) 市の資本金等への出資比率が50パーセント以上の法人
(2) 市の資本金等への出資比率が25パーセント以上50パーセント未満の法人のうち市以外の者の出資比率に比して市の出資比率が最も高く、市が経営の主体的な責務を担うもの
(3) 前2号に掲げるもののほか、市と人的、資金的及び業務内容において強い関連性を持ち、経営に関して市が主体的に指導及び調整を行う必要のある法人として規則で定めるもの
(情報の公開)
第4条 市は、常に第三セクター等から経営に関する情報の提供を受けるとともに、これを公開するよう努めなければならない。この場合において、第三セクター等の自律的な運営等に十分に配慮するものとする。
2 市は、第三セクター等のうち会計監査人を置く株式会社、一般財団法人及び一般社団法人から当該会計監査人が作成した会計監査報告その他の報告に関する情報の提供を受けるとともに、これを公開するよう努めなければならない。
(定期報告)
第5条 市は、次に掲げる事項について、第三セクター等から定期的に報告を受け、又は資料の提出を求めなければならない。
(1) 年度別事業計画
(2) 決算
(3) 四半期ごとの経営情報(第三セクター等が株式会社である場合に限る。)
(4) その他市長が定める事項
(定期点検)
第6条 市は、第三セクター等の経営状況を年1回点検し、評価するものとする。
2 前項の規定により点検し、評価する事項は、次に掲げる事項とする。
(1) 行政目的の達成度
(2) 経営の採算性
(3) 公的支援の妥当性
(4) 財務内容及び資金調達方法の妥当性
3 市は、第1項の規定により経営状況を点検し、評価するために必要と認めるときは、第三セクター等に対して前項各号に掲げる事項に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(新規事業等の協議)
第7条 市は、第三セクター等から新規事業又は新規設備投資に関する報告を受けたときは、次に掲げる事項について、あらかじめ第三セクター等と協議するものとする。
(1) 新規事業又は設備投資の目的
(2) 新規事業又は設備投資の採算性
(3) 新規事業に対する将来収支予測と政策コスト
2 市は、前項の規定による協議を実施するために必要があると認めるときは、第三セクター等に対して同項各号に掲げる事項に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(重要事項の報告)
第8条 第三セクター等は、事業計画の変更を余儀なくされる情況その他経営に関する重要な問題が生じたときは、速やかにその旨を市に報告するよう努めるものとする。
2 市は、前項の規定により第三セクター等から報告を受けたときは、当該第三セクター等に対し、財政上の損失を伴う場合にあっては、同項の報告後遅滞なくその見込み額を算定し、市に報告するよう求めなければならない。
3 市は、第1項の規定により第三セクター等から報告を受けたときは、当該第三セクター等に対し、市から緊急の公的支援を必要とする可能性がある場合にあっては、その可能性の程度にかかわらず、その旨を速やかに市に報告するよう求めなければならない。
(公的支援の協議)
第9条 市は、第三セクター等から公的支援を必要とする旨の報告を受けたときは、次の各号に掲げる事項について、当該第三セクター等と協議しなければならない。
(1) 公的支援の必要性
(2) 資金を貸し付ける場合にあっては、返済計画及び担保の設定
(3) その他市長が必要と認める事項
2 市は、前項の規定による協議を実施するため必要があると認めるときは、第三セクター等に対して、同項各号に掲げる事項に関し、報告又は資料の提出を求めることができる。
(議会への報告)
第10条 市長は、次の各号に掲げる場合は、それぞれ当該各号に定める事項について速やかに議会に報告しなければならない。
(1) 第7条第1項の規定による協議を行ったとき当該協議の概要
(2) 第8条各項の規定による報告を受けたとき当該報告の概要
(3) 前条第1項の規定による協議を行ったとき当該協議の概要
(議会の議決)
第11条 市長は、次の各号に掲げる事項のいずれにも該当する場合に限り、第三セクター等に対して公的支援を行うことができるものとする。
(1) 公的支援を行うことに公共性及び公益性があること。
(2) 資金を貸し付ける場合にあっては、外部の専門家による評価又は意見が付された十分な担保又は返済計画が立てられていること。
2 市長は、第9条第1項の規定による協議の結果、第三セクター等に対して公的支援(第2条第1号に規定する公的支援のうち補助金の支給及び同条第5号に規定する職員の派遣を除く。)を行うときは、あらかじめ議会の議決を経なければならない。
(規則への委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
付 則
1 この条例は、公布の日から施行し、平成23年度以後の第三セクター等の運営について適用する。
2 第2条第3号に規定する公的支援を行う場合にあっては、財産の交換、譲与、無償貸与等に関する条例(昭和39年西宮市条例第3号)の規定は、適用しない。
(参考)
○提案理由
第三セクター等の運営等への市の関与を規定し、議会の関与によって透明性を高め、第三セクター等の自立と経営の健全性を確保するため






