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今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員4期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2011年9月

平成22年度決算認定に対する賛成討論

ただいま上程されております認定第5号平成22年度西宮市一般会計及び特別会計歳入歳出決算認定の件、他、各会計決算認定の件につきまして、にしのみや未来は賛成いたします。
 各事業に対する詳細については我が会派各議員がそれぞれの分科会で意見申し上げておりますので、そちらをじゅうぶんにお汲みください。
 この本会議に於いては、分科会単位ではなく、全庁的な視点から市長に特に申し上げたい点に関して、申し述べさせていただきます。

財政と給与制度改革

 まずは財政についてと、給与制度改革についてです。

 平成22年度決算における経常収支比率は96.3%でした。震災以降一度も95%を恢復することなく、常に100%前後の高い水準にとどまっております。
いっぽうで、河野市長は、選挙のマニフェストで、経常収支比率80%の早期実現を謳っております。
 1ポイントの改善にはおおよそ10億円程度の改善が必要であり、短期間で大幅な改善は非常に困難です。特に、義務的経費の中でも扶助費や公債費を削ることはほぼ不可能であり、経常収支比率の改善という市長マニフェストの実現のためには、義務的経費のうち31.4%をしめる人件費の大幅な削減は避けて通れません。
 しかも、本市職員のラスパイレス指数は、一般行政職で103.9、技能労務職138.1と極めて高い水準にあります。現在、市は給与制度全般について本年度じゅうの見直しをめざして、組合と協議を進めているとありました。市長マニフェストを実現するためにも、先頭に立ち、責任を持って、給与制度全般の抜本的改革に向けた取り組みを進めてください。

 当初予算じてんでは104.2%だった平成22年度が決算で96.3%になっていることを考えれば、経常収支比率80%とはいかなくても、せめて80%台を達成するためには、少なくとも当初予算は95%以下で組まなくてはなりません。つまり、現在より100億円近い財政削減が必要ということになります。

 本年度の給与制度改革で、長年に亘って続いてきた、当局と職員組合となれあいを断ち切って、市民の理解が得られない技能労務職の高額な給料にメスを入れ、思い切った業務委託の推進と人件費の削減を達成することで、本市の経営状態を恢復していただきますよう要望いたします。

庁内組織体制

 次に指摘させていただくのは、類似事業の担当が分散されていることや、制度の不備などによって滞っている政策分野が散見されるという点です。
 いくつか例を挙げさせていただきます。

 まず一点。
 公共施設の整備や管理に関する部局の一元化をしなければ、せっかく現在総合企画局で始めている公共施設マネジメントも、実際の効果を生むことはありません。この取り組みを始めている現在も、各部署それぞれで大規模な施設の更新がなされていっています。長期的な整備という観点だけではなく、現時点で市の所有する資産を有効に住民サービスに使うためにも、また、施設の統廃合や用途廃止などによって生まれた余剰資産の売却を強力に推進するためにも、施設・資産の管理の一元化は必要です。

 二点目。
   こども部と教育委員会のそれぞれが持っている事業に関しては、現在「幼児期の教育・保育審議会」が設置されて議論が始められておりますが、効率的な政策推進のためには、幼稚園に関する事務をこども部に移したり、学童保育に関する事務を教育委員会に移したりするなどして、それぞれの事業に関して事業推進体制を簡素化することが必要です。

 三点目。
 今定例会で都市局から、今後の市営住宅行政に関する指針として「市営住宅整備・管理計画」が所管事務報告されましたが、市営住宅の戸数を減らして対応すべき政策課題を明確にしていくためには、健康福祉局との連携が重要になってきます。

 四点目。
 百数十億円にのぼる収入未済の解消のためには、市税や国民健康保険料や住宅家賃や災害援護資金などの徴収・滞納整理業務の一元化によるノウハウの共有が必要です。

 五点目。
 主に総合企画局と教育委員会と市民局に分散している啓発事業や社会教育事業は、重複も多く、効果の出ていないものも多いため、集約して整理する必要があります。

 以上列挙いたしましたが、来年度以降のより効率的な事務執行のためにも、庁内組織のありかたを抜本的に見直していただきたいと思います。

市長の経営判断

 次に指摘させていただきますのは、成果にこだわる意識と、市長の経営判断への強い要望です。

 行政経営の改善には、「プラン・ドゥー・チェック・アクション」の「PDCA」サイクルを回していくことが必要です。本市も、事業評価への取り組みに始まり、施策評価や、今年初めて実施した、西宮版事業仕分け「ザ・チェック西宮」など、行政経営を「チェック」するツールはたくさん取り入れております。また、「審議会」や「検討委員会」など、有識者の意見を集める機会も増やしております。

 しかし、「ザ・チェック」をしても、「審議会」を設置しても、地方自治法に謳われた地方公共団体の役割である住民の福祉の増進には何も直接的な効果はありません。
 「PDCA」サイクルの「C」を受け、「A」が効果的になされてはじめて、このようなツールがすなわち意味をもつのです。

 分科会の中で「ザ・チェック」から得られたものは何だったのか、という質問に対して、「庁内の意識改革」という発言もありましたが、「PDCA」サイクルへの意識はまだまだだという印象を受けております。
 実施した事業が、「住民の福祉の増進にどのようにつながったのか」の説明が、まったく不充分です。
 これは、事業を実施することじたいに意識があって、その事業の実施によってどのような効果があったのか、さらに効果を高めるにはどうすればいいか、そういったところへの意識がまだまだ希薄であることを示しています。
 補助金の一覧の提出という取り組みは大変評価されるべきですが、補助金の使われ方を全く把握できていない担当者がいることも、質疑のなかで明らかになりました。

 いまの西宮市役所に必要なのは、このような「C」のツールから得られたものを、住民の福祉の増進に繋げるための事業効果へのこだわりと、「C」から導かれる「A」への意識です。限られた資源を、選択と集中によって効果的に住民の福祉の増進に繋げるためにこそ、全庁的に手間を増やしてでも、「C」のツールを導入してきているはずです。いまいちど、その意味を問い直していただきたいです。

 庁内意識を高め、事業の選択と集中を進めるためには、市長の経営判断、方向性やビジョンの明確化が不可欠です。
 いまの西宮では何を推進しなくてはいけないかを、評価の結果から導かれる合理的な判断基準によって明らかにしていただきたいです。果断な「A」は、経営者の強い意志があってはじめて、推進されます。あと、一歩の明確な経営意志の後押しや、政策判断の基準の提示さえあれば、事業の選択と集中も、地域住民や職員組合といった外部団体との交渉も、職員は、より少ないストレスで推進できるはずです。

 庁内のいろいろな部署と話して強く感じるのは、全庁職員の、市長のリーダーシップへの渇望です。
 「C」で明確にされた課題を、行政サービスの改善に繋げ、庁内の職員に働く意味を与えるために、市長の強力で果断な「A」を要望いたします。

病院

 最後は市立中央病院について意見申し上げます。

 分科会でもじゅうぶん議論がなされておりましたが、中央病院に関して、土地購入や建設工事など多額の費用を要する移転整備に向けた取り組みについては、給与費の抑制を実現するまで凍結することを強く要望しておきます。

 我々は何も中央病院の移転整備や存続に関して反対しているわけではありません。いずれにしても現在の異常な人件費率という問題を解決しなくては、移転するかどうかにかかわらず、存続することは不可能だということを指摘しております。

 これまで、西宮市は人件費という本丸を回避して、小手先の経営改善計画をながしてきたため、問題を解決できずに先送りしてきました。人件費率を一般的な病院並みに下げることができない限り、どのような業務改善や営業活動をしても、一切は無駄です。

 病院施設の老朽化という問題は、皮肉にもこの問題からこれ以上目を逸らし続けることはできないという現実を、我々に突きつけることになりました。
 これでなお、西宮市が問題解決から逃げるであれば、我々議会は、西宮の未来と社会正義のために行動を決意しなくてはなりません。

 繰り返します。呉々も、人件費抑制を実現するまでは、多額の費用を要する移転整備に向けた取り組みは凍結することを強く要望しておきます。

まとめ

 総じて、平成22年度決算から判断されるのは、西宮市政の精励による行政運営でした。
 あとは、指摘させていただいた、(1)財政健全化のための給与制度改善(2)政策推進を効率化させるための庁内組織体制の見直し(3)市長による政策ビジョンの明確化によって、効率的で機動的な行政運営に取り組んでいただきたいとお願い申し上げて、賛成討論とさせていただきます。

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