■profile 【今村岳司/いまむらたけし】 西宮市議会議員4期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)
私は政治家として選挙のたびに、一貫して投票に行くべきだということをただひたすら有権者に訴えて参りました。
いくら参画と協働などといっても、憲法に定められた、最も公正で公平な市民参画の機会である公職選挙がないがしろにされては元も子もありません。 しかし、今回も、西宮市議会議員選挙の投票率は下がりました。 私が初めて立候補した平成11年に45.29%だった投票率は、平成15年には41.36%、平成19年には40.16%、そして、今回平成23年の選挙は、とうとう40%を割り込んで37.15%にまでなってしまいました。 相変わらず近隣の芦屋市の51.15%、宝塚市の41.26%、伊丹市の44.10%と較べても、際だって低い数値となっております。 このような低投票率の原因として、平成19年の質問では、「西宮に住んでいるというアイデンティティの薄さ」「4年で住民の4分の1が入れ替わる転入の多さ」「啓発活動の不毛さ」を挙げました。 今回は、それに加えて、投票所の問題を挙げて議論しようと思います。
西宮市では他市と較べても、投票所の数は比較的多く設置されています。 しかし、そもそも、多くの投票所が設けられている「市民集会施設」というものは、活用している市民も高齢者が多く、それほど市民にとって親和性の高い施設ではありません。特に、転入して間もない30代〜40代の市民にとってはあまりなじみのないものです。彼らにとっての「市民集会施設」や「庁舎」は、「年に何回かしか用のないところ」にすぎません。
平成21年、国会で「商店街等頻繁に人が出入りするところへの投票所設置に関する質問」が取り上げられ、それに対して、国は「投票の秘密や選挙の公正を確保するために必要な場所及び設備を有し、投票所の秩序を適切に保持することができる場合においては、ショッピングセンター等頻繁に人の往来があるところであっても投票所を設置することが可能である。」と答弁し、平成22年5月の参議院議員通常選挙選挙特報第2号においては、「駅構内やショッピングセンター等頻繁に人の往来がある施設においても設置することが可能であるので、当該施設への設置について十分検討の上、積極的に措置すること。」としています。
投票のスタイルとして、近所の集会施設に投票日に投票に行くというよりは、投票日である日曜日にとらわれず、何かのついでに期日前投票を利用する傾向になっているのではないか、という仮説が立てられます。そのことから、期日前投票所設置、とりわけ、駅やショッピングセンターなどへの設置は、投票率低下に歯止めをかけるのではないかと推測されます。
事実、本市も、期日前投票所の設置にはとても積極的で、東館8階の選挙管理委員会や支所だけではなく、西宮北口の大学交流センターにも設置するなど、周辺市よりも多く設置しており、実際の投票者のうちの期日前投票者の割合も、平成22年の参議院選挙で14.5%、今年の市議選においても10.7%を占めるようになってきております。投票率は低いものの、「投票者のうちの期日前投票者の割合」は上昇傾向にあり、期日前投票へのニーズは高まっていると考えられます。
一方、先進自治体では先ほど述べたような、役所以外への期日前投票所の設置の動きも進んでいます。
松本市ではJR松本駅構内に設けたりしているほか、横浜市では、市の方針で区役所以外の場所にもうひとつ期日前投票所を設置することを区に通達しており、旭区では駅ビルの1階会議室、泉区ではイトーヨーカドー、鶴見区では鶴見駅西口ショッピングセンター、都筑区(つづきく)ではららぽーと横浜などに設置しています。
これらへの調査によると、スーパーなどの市の所有地でない場所に投票所を設置する場合、おおむね好意的で、宣伝効果を期待してか、無償で貸してくれる事例がほとんどだといいます。
秋田県男鹿市では、市内に10カ所の期日前投票所を設けておりますが、市役所、支所、出張所以外に、市内の「スーパーアマノ」に期日前投票所を設置しております。H22年参議院議員選挙における投票の情況によれば、当日有権者数が28866人、投票者が18966人、そのうち期日前投票者が11258人と、全投票者のうちの59.36%と、なんと6割近い投票者が期日前投票を利用しております。しかも、スーパーアマノでの投票者は7022人と、期日前投票を利用した人のうちの62.37%を占めています。
男鹿市では、事務従事者に職務代理者を兼任させたり、入場券の裏面を宣誓書にすることによって宣誓書を書かせるスタッフを置かずに済ませるなど、人員配置を工夫したことで、西宮市の期日前投票所1カ所にかかる人件費の半分の経費で期日前投票所を設置できています。設備としては、選挙人名簿の対照を行うために10万円以内の経費で可能なNTTの工事をする以外には、事務机や投票箱などの通常のもので期日前投票所を庁舎外に設置することが可能です。
事務事業評価シートによれば、投票意識を高めるために、年間1300万円以上の経費と1.3人の人員をかけて常時啓発事業が行われていますが、本市でも投票率を上げるためには、駅やショッピングセンターなどへの期日前投票所の設置こそ最も有効な施策と考えられます。
そこで質問いたします。期日前投票所を、市内各駅やスーパーなどに設置すべきではないかと考えますが、選挙管理委員会のお考えをお聞かせ下さい。
・期日前投票所を主要駅構内やショッピングセンターに併設設置することは、投票率向上のための有効な手段の一つ。 ・増設や統廃合を含めた、将来的な期日前投票所の全体的な配置について研究する。
西宮市の投票率の低さは、近隣でも群を抜いています。ですから、例えば待機児童の問題が西宮の大きな政策課題であることなどと同様に、投票率の低さを西宮市の重大な課題だととらえていただきたいです。 期日前投票への取り組みは、周辺他市よりよほど本市は進んでおりますが、この投票率を顧みれば、一層の取り組みが必要です。 市内7カ所の期日前投票所を運営できている本市の選管事務局であれば、じゅうぶんに実現できる提案だったと思っています。 あと必要なのは予算ということになりますが、有権者や投票者の動態の変化に合わせて、事業のスクラップアンドビルドが必要です。 毎年1300万円もかけている啓発事業の見直しや既存投票所の見直しなどによって経費を削減してでも、一カ所あたり100万円から200万円で設置できるあたらしい期日前投票所は、じゅうぶん実現させる価値のあることだと思います。 ぜひ、次回市内で行われる公職選挙から、一つでも実現していただきたいと要望いたします。
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