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今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員4期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2011年9月

幼児期の教育・保育に関する議論について

質問1:「公立幼稚園の統廃合」と「公立保育所の民営化」は
   どこへいったのか。

 現在、「幼児期の教育・保育審議会」が設置され、健康福祉局と教育委員会にまたがる重要な課題について議論がされていることは承知しております。
 なかでも、そこでの議論も踏まえて、幼稚園保護者負担の公私間格差の是正について、「当面の目標として、3年を目途に公私間格差を2倍以内に是正したい」という方向で取り組みが進んでいることは大きく評価したいと思います。
 しかし、幼児期の教育・保育に関する課題の中で、一時期大きな話題になったにもかかわらず、その後、議論の所在が有耶無耶にされてわからなくなってしまった大きな課題が二つあります。それは、公立幼稚園の統廃合と、公立保育所の民営化の課題です。

 まずは、公立幼稚園統廃合の議論についてです。

 先ほど述べたように、幼稚園の保育料保護者負担における公私間格差の是正に取り組まれていることは大きく評価したいのですが、公私間格差の根本的な原因は、公私間における運営経費の大きな格差にあります。これを解決せずして根本的な公私間格差の是正はありえません。
 高額な人件費に起因する公立幼稚園の運営経費を削減することによって生まれた財源で、私立幼稚園の保護者負担の減少をおこなってはじめて、公私間格差解消となるはずです。そのような中で、「西宮市立幼稚園教育振興プラン」では、公立幼稚園を「21園から15園に」という統廃合の計画が出ましたが、「プランの見直しが必要」とされて以降、現在はどこでどんな方針で議論がなされているのか、有耶無耶になっています。

 次に、公立保育所民営化の議論についてです。

 平成19年に公立保育所3園を民営化する計画案が発表されたものの、一部に煽動された反対運動のせいで翌3月の条例提案は断念され、その後は議論として放置されたままになっています。
 「幼児期の教育・保育審議会」でも、先ほど述べた、幼稚園の保護者負担における公私間格差については議論されましたが、保育所運営経費における大きな公私間格差は議論されていません。保育所に関する議論の中では、「待機児童解消が優先施策」という大義名分の下で、保育所における公私間格差、民営化の議論は、一度反対運動に押し切られて以降、こちらも、有耶無耶になっています。

 これら二つの議論においては、政策の正当性の議論を後回しにして、安易に職員組合に阿った対応をしたことによって、一貫性のある政策方針・哲学などが見えてこなかった経緯があります。そんな中で、不用意に個別の議論が出てきたため、「反対運動」などが押さえられなかったと言えます。
 まずはここで質問します。近隣市では、公立幼稚園の統廃合、公立保育所の民営化について具体的なプランが組まれる中、西宮市では、公立幼稚園の統廃合・公立保育所の民営化についてどこでどのように議論して行くつもりをしているのかが見えません。これについてまずお答えください。

答弁

公立幼稚園の統廃合の議論は、「幼児期の教育・保育審議会」でじゅうぶんに議論していきたい。
・教育委員会としては、審議会の方向性を見ながら、今後の公立幼稚園の配置について方針を決めていきたい。

・待機児童の解消については平成25年4月を目標としているが、これは定員の弾力化(基準限界いっぱいの詰め込み)をした上での取り組みである。弾力化率の低減を進めていく時期に合わせて、民間移管計画を検討する必要がある。
・「幼児期の教育・保育審議会」で審議している保育所や幼稚園の適正配置についての方向性も踏まえながら進める必要がある。

答弁を受けての意見。

 まずは、公立幼稚園の統廃合についてです。
 何度か審議会を傍聴したりしておりますが、なかなか立ち入った議論がなされないので心配しておりました。はっきりと「審議会で十分に議論していただきたい」と答弁にありましたので、そちらの議論にも引き続き注目したいと思います。 ただ、以前から当局には直接指摘してきていることですが、審議会の部会で、部会長が議論を整理せずに主観的な意見を述べるなど、進行が非常に散漫で、なかなか議題が片付いていきません。議論の中身は委員のみなさまに出してもらえればよいと思いますが、議論の進行に関しては、事務局をつとめている市当局がきちんと整理しなければならないと思います。
 また、答弁の中では、「審議会の答申を踏まえて」ではなく、「審議会の方向性を見ながら教育委員会の方針を決めていきたい」というふうにおっしゃっていただきました。
 つまりは、審議会の議論の終了をただ待って議論を止めるのではなく、並行して教育委員会でも議論を深めていただけるものと受け止めたいと思います。

 公立保育所の民営化についても、審議会で議論している適正配置とも関連するとご答弁いただきましたので、審議会で議論されるものと、注目していきます。

 これらの政策に関しては、これまでせっかく推進しようとしていたにもかかわらず、いちど水を差されている課題です。
 十分な体制と戦略を整え、政策の方向性を市長自ら明確に打ち出すことによって、今度こそ必ず実現していただきたいと思います。そうでなければ、また一部の現場ばかりが矢面に立たされてしまうことになります。また丸腰で現場職員を戦場に送り出すようなことにならないようお願いしたいと思います。

質問2:厚労省の省令案「保育所の設置基準の緩和」への市の対応は?

 もう一点、「保育所の設置基準の緩和」という厚生労働省の措置に対して、どのような対応を取る方針なのか、質問を予定しておりましたが、先日の他の議員の質問にもありましたので、簡潔にお訊きします。

※ニュースの概要
 都市部の待機児童解消策として、一部の自治体を対象に保育所の設置基準の緩和が可能になった。来年4月から3年限りの特例で、厚生労働省が35の市区を指定。そこでは、面積が最低基準を下回っても独自に設置の可否を判断したり、受け入れられる子どもの数を増やしたりできる。
   対象の自治体は、待機児童問題が深刻で地価の高い地域を選定。昨年4月時点で待機児童が100人以上、昨年1月1日時点の住宅地の公示価格の平均額が3大都市圏の平均を上回っていることを条件とした。

 厚労省の発表した現在の認可保育所の最低面積基準を緩和しようという省令案は、いくら待機児童を解消するためとは言え、現場の情況を無視したものです。この発表に対して、市は未だに明確な対応方針を発表しておりません。
 要は、厚労省の省令案を受けて設置基準を現状より緩和するつもりをしているのかしていないのか、明確にお答えください。

答弁

・面積基準の緩和については、安全な保育環境を保持するため、現在の基準を維持することが基本。
面積基準緩和の取り扱いについては、年内を目処に結論を出したい。

答弁を受けての意見
   〜上層部がはっきり姿勢を打ち出さなければ、
  市民は不安を増大させるだけ。
  そして、現場職員はまた矢面に立たされる。

 面積基準の緩和に関しては、「現時点で結論を出すには至っていない、年内をめどに結論を出す」という答弁がありました。どうしてこんな答弁になってしまうんでしょうか。

 厚労省からこのような通達がくる以前から、すでに西宮市では平成25年までに待機児童を解消する計画を立てていたはずです。それに、当局も現状の保育環境に関しては、じゅうぶん理解しているわけですから、これ以上部屋に子供を詰め込んで待機児童を解消したって意味がないなんてことはじゅうぶんにわかっているはずです。
 だから、西宮市が待機児童を解消するためにとる手段として、面積基準の緩和などは選択肢に含まれていないはずです。

 ただ、このことを新聞で知った人はそうは思いません。「厚生労働省が待機児童の解消を目的として特例的な認可保育所の面積基準の緩和を打ち出した。その対象自治体に西宮が含まれている」というニュースは、「西宮では保育所の面積基準が緩和され、待機児童を解消するために子供を詰め込むらしい。」ととられてしまうのです。
 ですから、このようなニュースがあったときには、市は態度を明確化することによって、市民の不安を払拭しなければなりません。このニュースから早数ヶ月。いっこうに当局は態度を明確にしないものだから、質問として取り上げれば本会議場で市は公式に態度を明らかにできるだろう、と思って、こうしてきょう質問に取り上げているわけです。
 それを「年内をめどに」とは、いかにも決断力がない。

 そもそも、こんなニュースが、本市の頭の上を通過して厚生労働省から発表されていることじたいが、大変遺憾です。該当自治体35のうち、関西はたった3つだけです。そんな案件が、当の西宮に連絡も相談も無しにニュースにされるなど、いかに西宮市が厚生労働省からなめられているかというはなしです。
 このことを厚生労働省に問い合わせたのですか、と聞いたところ、県に問い合わせているが、まだ返事がないと言われました。もっと当事者意識を持って課題に当たるべきです。
 面積基準が緩和されようが、子供を詰め込もうが、厚生労働省も県も、痛くもかゆくもないんです。彼らのところには、保育園の関係者や市民が窓口に押しかけてきたり、問い合わせの電話が鳴りまくったりするわけではないんです。
 矢面に立たされて困るのは西宮市健康福祉局こども部保育所事業グループ、あなたの部下なんです。  西宮市まで県と同じようにのんびり構えていたら、あとで面倒になるのはうちなんですよ。
 別にどんな答弁をされようが、私自身はかまいません。「年内をめどに」「あらそうですか」でいいです。「ではまた対応が決定したらご報告ください」でもいいです。あなたと私はそれで終わりかもしれないけれど、あなたがはっきり答弁してやらないと、問い合わせの矢面に立たされて、困るのは、現場にいるあなたの部下です。

 改めて言いますが、答弁がほしいのは私じゃない。答弁がほしいのは、不安がっている市民です。
 それよりもっとほしがっているのは、その不安をぶつけられるあなたの部下です。

市が態度をはっきりしない限り、ずっとあなたの部下は面倒に晒され続けますよ、ということは申し上げておきます。

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