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今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2010年12月

委員会提出議案第5号
西宮市議会の議決すべき事件に関する条例の
一部を改正する条例制定の件
(総合計画・基本計画を議決事件に加える件)

議員提出条例

 ただいま上程中の「委員会提出議案第5号西宮市議会の議決すべき事件に関する条例の一部を改正する条例制定の件」の提案にあたり、私から提案説明をさせていただきます。

本条例改正の趣旨は、2点であります。  1点目は、現行の「法令によりその定数を条例で規定するもの以外の職員の定数に関する件」を議決事件から除外すること、2点目は総合計画の基本計画を議決事件の対象とすることです。
 今回提案の条例改正の肝腎である2点目に関して、議会改革特別委員会で議論されてきたことも含め、僭越ながら、私から今回の条例改正の意図や哲学についてご説明申し上げたいと思います。

地方分権の進展

 現在、急速に中央から地方自治体への権限移譲が進められる流れがございます。
 本年6月22日に「地域主権戦略大綱」が閣議決定され、その中では、地方自治体の条例制定権の拡大を進めることによって、地域住民を代表する議会の審議を通じ、自治体自らの判断と責任において行政を経営していくふうに革めていくことが明確に示されております。

 また、それに合わせて、地方自治法の一部を改正する法律案が第174回国会に提出され、そのなかでは地方自治法第2条の4の削除、つまり、総合計画基本構想の制定義務づけの削除が謳われています。この改正が成れば、総合計画基本構想の策定が市町村の責任においておこなわれることになり、自治体経営の根本的な方針に議会が正面から取り組まなければならなくなることになります。

議会不要論と二元代表制

 一方で、現在全国的に、地方議会の存在意義を疑う議論が存在するのも事実です。
 総務省の資料によると、平成20年の1年間で議案の市長原案可決が103,806件中の102,981件と、99.2%に上り、本年6月22日の総務省「地方自治法抜本改正に向けての基本的な考え方」の中の「地方自治制度の現状と課題」という箇所では、「議決権の行使は、本来、最も重要な議会の権限であるが、現実には長の提案を追認しがちである」と公式に指摘されています。

 いまこそ忘れてはならないのは、日本国憲法93条に明確に謳われた二元代表制の意義と、地方議会に期待された役割です。
 首長と議会議員は、それぞれ住民によって選挙される公選職であり、その民主的正当性に差異はありません。しかし、議員の被選挙権に関して「区域内に住所を有する者」という住民要件を課しているいっぽうで、首長の被選挙権にはこのような要件はなく、行政法上の解釈では、首長よりも議会こそが住民の代表としての性格がより強い機関なのです。

 そもそも、日本国憲法93条は、地方議会を「議事機関」として定めています。それは最も責任を持つべき機能として条例制定が期待されている「立法機関」であることに加え、条例の改廃に留まらず自治体の行政全般の決定機関としての権能が期待されていることを意味します。
 地方議会は、単なるチェック機関であっては法制度上期待される機能を果たしていないことになりますし、ましてや、追認機関に成り下がるなどはもってのほかです。立法機関をさらに越えた議事機関として、自治体行政全般における意志決定責任を改めて認識すべきなのです。

 地方への権限移譲が進むなかで、議事機関としての議会の責任はより重大になっていくのです。

議会に求められる総合計画へのコミット

 憲法が二元代表制を定めているガバナンスシステムにおいて地方分権が進めば、自治体経営に対する地方議会のより深いコミットが要求されるのは当然です。そのなかでも、自治体経営の根幹とも言うべき総合計画への関与は議会の重要な責任となってきます。

 平成20年には、本市でも、第4次総合計画を策定するために「総合計画審議会」が設置され、議員からも11人が委員として加わりました。しかし、総合計画の基本構想が議案として審議されることを想定している地方自治法の趣旨をくみ取るならば、市長が議決対象の原案を設計することを目的として設置する審議会に、議決機関のメンバーである議員が加わることには、執行機関と議事機関の独立性の観点から法的に整理すべき課題があるのも事実であり、全国的にはそれが革められる流れになっています。
 今後は議員が、市長の設置した審議会の委員としてコミットするのではなく、総合計画の議決に責任を持つ機関として、独立・主体的に総合計画の設計に関わらなければいけないという立場を再確認すべきなのです。

 現在審議されている地方自治法改正の大きな意義は、その自治体の政策展開にどのようなステイクホルダーが想定されるかじたいを、自治体の責任として決めさせることにあります。今回の条例改正提案は、そのような流れの中で、西宮市議会の責任と役割を自律的に明確化するという意味において大きな意義を持つものです。

 西宮市第4次総合計画の基本構想において、平成21年度から平成30年度までの計画期間の中間年度である平成25年度に基本計画の見直しをおこなうことが明記されております。通常想定されている範囲では、この条例はこの中間見直しのときから適用されることになります。
 また、現在、衆議院で閉会中審査になっている「地方自治法改正」が可決されれば、当然、基本構想の議決に関する部分もこの条例に追加・修正されることを想定しています。

 地方分権が進展し、行政経営における地方自治体の裁量と責任は増大し、いっぽうで、憲法に定められた二元代表制の一翼を担う議事機関としての地方議会の責任も当然増大するなか、西宮市議会では、議論の質を上げるための改革をこれまで進めてきました。その経緯もふまえまして、議員各位におかれましては、何とぞ本案に対し御賛同いただきますようお願いしまして、提案説明とさせていただきます。

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