2010年3月
予算に対する討論
討論第一章:財政規律
ただいま上程されております議案第444号、平成22年度西宮市一般会計予算ほか各会計予算案につきまして、にしのみや未来は賛成いたします。
従前より、野放図な基金の取り崩しに対する厳しい警告は行ってきましたが、今年の代表質問に対する答弁の中で初めて「経常的に財政基金等の取り崩しに頼る予算編成は、本来行うべきものではない」と表明したこと、「基金の取り崩し額をあらかじめ確定する」という手法を取ったことは評価したいと思います。
しかし、新年度予算にも、財政基金・減債基金合わせて86億6千万円の基金残から、49億円も取り崩しており、長期的に西宮市の財政を健全化するという観点からすればまだまだ健全な予算策定とは言えません。
代表質問の中でも述べたように、新年度予算案は、「財政当局の技術論の範囲内でできることは、非常に高度なレベルで為された予算案」ということができるでしょう。
しかし、重要政策課題の先送りによる本市の長期的な財政不健全に加え、税収の大幅減や扶助費の大幅増、また、ファシリティマネジメントに関することなどの今後に控える大きな財政リスクへの対応を考えるなら、財政の技術に頼って予算案の策定が行えるのは、今年が本当に最後だと思わなくてはなりません。
まずは、経営意志による抜本的な事業の取捨選択が行われる必要があります。現場で無駄遣いをしようと思っている部署はどこにもありません。だからこそ、現状の本市を取り巻く政策課題をきちんと把握した上でのトップダウンマネジメントによって、事業の取捨選択が行われる必要があります。
しかし、今年の予算編成において、入院から復帰した市長からは「地域産業の振興」や「観光推進」について予算を重点化する指示があったと代表質問に対する答弁の中でありました。現市長には現状の本市を取り巻く政策課題を把握することが不可能であることが見て取れます。
本来、経営意志といえば、市長によるものであるはずではありますが、市長機能の不存在が長期化している本市においてはいずれかの部署が責任を持って事業の取捨選択を行える体制を作っていただきたい、と要望いたします。
また、財政当局の調整が及ばない各局枠配分予算の部分にはまだまだ財政規律が行き届いていないことが見て取れます。
本来、各部局の創意工夫によって無駄を削減し、より重点化されるべき部分に予算が投下されるためにあるのが枠配分予算という制度だとは思います。しかし、現状の本市現場の財政意識を考えれば、この分権制度はまだ早かったと言わざるを得ません。今後は、枠配分の部分に関しても、厳しい財政規律を行き届かせる体制を作っていただきたい、と要望いたします。
討論第二章:病院と第3セクター
それでは、まず新年度予算案における、重要な分野に関して、意見を述べたいと思います。
まず1点目は、中央病院に対する税金投入です。
今年度の一般会計からの繰入金は、昨年15億7千万円から大幅増の19億9千万億円。短期貸付6億円をあわせて、25億9千万円の税金が新年度病院に投入されることになります。
平成23年度からの独立行政法人化、さらにはそれによって可能になるはずの大幅な人件費削減のために、多額の税金投入が続けられてきましたが、いよいよその目標達成が不可能であることがあきらかになってきました。
中央病院の今後について、両副市長、関係局長等による病院改革推進委員会において、新年度中に今後の方向性について示したいと、代表質問への答弁でありましたが、今後の方向性に関しては、従来までにあったようなただの意欲的達成目標だけではなく、財政的な裏付けや、もし目標が未達成であった場合のオプションなどもきちんとつけられた、ほんとうの意味での方向性を新年度に打ち出していただきたい、と要望いたします。
次に、2点目として、西宮都市管理株式会社への短期貸付10億7千万円についてです。
本年度をかけてフレンテ問題特別委員会で議論を続けてきましたが、結局結論を間に合わせることができなかったために、今年も短期貸付を繰り返す、という予算になってしまいました。特別委員会での当局は、検討委員会に提出している資料を特別委員会に提出することを拒んでみたり、と、当初はとてもともに議論をしようという誠実な態度ではなく、ただただ盲目的に西宮都市管理株式会社を守りたいという意図が見て取れました。こうしたことも、都市管理株式会社の処理が遅れた大きな原因ということができます。
検討委員会から示された2つの再建案のうち、駐車場を代物弁済により取得するというスキームに関しては、取得した駐車場は果たして西宮市にとって必要か、という論点がまずもってあります。
もう一つのスキームである、38年かけて債務全額の返済を見込むスキームに至っては、スパンが長すぎて今後の社会経済情勢に左右されすぎてしまい、スキームというには甚だ不安定なものです。
また、検討委員会の結論では清算などのスキームは深く検討されておりません。結論を9月まで先送りにすると予算分科会で答弁されておりましたが、まずは、結論を出すまでにクリアすべき検討内容と検討期限などを具体的に早期に示すよう要望いたします。昨年7月に採択された決議の内容も尊重し、西宮都市管理株式会社を救済するためだけの税金投入は行わないことと合わせて、西宮市の財政にとって最もダメージの少ないスキームを選択していただくよう、要望いたします。
また、さらに、新年度予算にも「第3セクター等経営検討委員会関連経費」として488万9千円が計上されております。この検討委員会では、新年度に年度末までかけて株式会社鳴尾ウォーターワールドの今後について議論する、と予算特別委員会総務分科会で答弁がありました。
しかし、それでは検討委員会の答申を受けて市の方針を設計し、それを議会で議論していると、当然ながら平成23年度予算には間に合いません。分科会の中でも指摘したことですが、年度前半で検討委員会の答申を出していただき、それを受けて平成23年度予算までに鳴尾ウォーターワールドに関する方針を決定する流れでやっていただきたいです。タイトなスケジュールを委員に強いることを慮っているようでしたが、そのタイトなスケジュールで議論をしていただける委員を選定すればよいことです。
いずれにせよ、政策意志決定段階に有識者による検討委員会やパブリックコメントをかませることによって無駄に時間を浪費するケースが増えております。時間とは、命より大切な数少ないもののひとつです。中央病院のことを考えれば、1年意志決定が遅れることで、十億単位の財政ロスが生まれることは明白です。ただでさえ、本市はトップに機動力がないわけですから、とにかく行政運営において、企画や財政の部門が厳しいスケジュール感をもって運営にあたってほしいと要望いたします。
討論第三章:市長不在の中で要求される多くの政治判断
代表質問への答弁では、給与制度の見直しは平成23年度を目処に、また、ファシリティマネジメントへの取り組みとしては部署の新設と新年度じゅうの公共施設基礎データの収集と公表、また、幼稚園における公私間の保護者負担の格差縮小に関して新年度じゅうの方向性の表明、また、中央病院に関しての総合的な検討に関して新年度じゅうの方向性表明など、新年度に大きな政策判断をしていたくことをたくさんお約束いただきました。
それに加え、西宮都市管理株式会社と鳴尾ウォーターワールドの処理に関しても意志決定していただかなくてはなりません。
それをふまえて、議会と充実した議論をさせていただきたいです。それが二元代表制の想定する本来の地方自治です。本市の行政課題に対して機動的で合理的な対応をしていただくよう、要望いたします。
また、財政運営に関しては、従前より市当局は「事業の取捨選択に努める」と強弁してきましたが、本年度予算においても、それが為されていないことが明確になりました。現状の本市行政の役割は何かを改めて明確化した上で、事業の取捨選択を新年度こそしていただきたいと要望いたします。
本年度、市当局の現場は、一年間を通じて、市長不在でどのように行政運営を行うかを必死で模索し、やりきったと、改めて敬意を表したいと思います。改めて自信を持っていただきたいです。これまでは、多くの市の幹部と話をしていても、「やっぱりトップが明確に方針を示してくれないことには…」という他責表現を耳にすることが多くありました。
しかし、この一年間を通じて、現場のみなさんは、西宮の未来を守るために、自分で判断して自分で動かなくてはいけない、ということを痛感し、それぞれの持ち場やってくれたのだと思います。新年度の、本市当局職員の矜恃に大いなる期待をいたしまして、新年度予算への賛成討論といたします。
ご静聴ありがとうございました。






