■profile
今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2010年3月

人事ついて

 人件費は357億円と、一般会計の22%にのぼる大きな経費です。行政方針には人事政策について特に触れられておりませんでしたが、人件費をはじめとする人事の問題は本市の重要課題です。

期末手当・勤勉手当への人事評価の反映について

 地方公務員法第40条1項「任命権者は、職員の執務について定期的に勤務成績の評定を行い、その評定の結果に応じた措置を講じなければならない。」とあるとおり、職員の勤務成績を評定し、それに応じた措置を講じることは、法に規定されております。

 昨年6月の澁谷議員の質問に対する答弁においても、「本市における現行の査定方法は、地方公務員法第40条第1項に規定する定期的な勤務成績の評定として は、必ずしもすべての職員に対して定期的には行われていない状況」であると認めたうえで、「今後、全職員に対する定期評定の実施に向け、現行の勤務評定表 の見直し等を具体的に検討を行ってまいります。」また、「勤勉手当に対する取り扱いにつきましても、評価制度の構築にあわせて、引き続き研究を進めてまいりたいと考えております。」と述べております。

■■■質問■■■

1.進捗具合について
 9ヶ月前の答弁以来、勤務評定の給与への反映に関してどんな進捗があったのか。

2.現状について
 また、勤務評定が給与や昇進にリンクしているならば、同じ年齢・同じ職級の職員で、どれほどの差が付けられているのかお答えください。

■■■答弁■■■

1.進捗具合について
・現在、定期評定の実施に向け、新たな勤務評定票の作成など具体的な検討をおこなっているところ
・絶対評価を基本とした、納得性のある公正な評価制度を構築してまいりたい

2.現状について
・(現状の給与制度上においてどのくらいの差が生じるか)最短で係長に昇任する33歳で、昇任の有無によって生じる差は、給料月額で約3万円、年収ベースで申しますと、約100万円

技能労務職の給与テーブル分離について

○民間企業の同職種と比較して高水準

職種 西宮市 民間企業
用務員 452,018円 227,200
自動車運転手 535,925 281,200
電話交換手 428,388 213,200
・出典:2008年度技能労務職職員等の給与等のの見直しに向けた取組方針(西宮市) *上記民間データは、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」において公表されているデータ(3か年平均)を使用。

 現在は一般行政職と技能労務職の給与テーブルが同一であり、お配りした資料にもあるように、技能労務職の給与は、民間企業の同職種と比較すると極めて高い水準となっております。
 国家公務員の同職種と比較しても高水準であり、技能労務職のラスパイレス指数はH21年で、なんと137.6%
にものぼります。

ラスパイレス指数とは
 地方公務員と国家公務員の給与水準を、国家公務員の職員構成を基準として、職種ごとに学歴別、経験年数別に平均給与月額を比較し、国家公務員の給与を100とした場合の地方公務員の給与水準を指数で示したものです。

 地方公務員法24条3項には、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」とあり、均衡の原則がうたわれております。

 また、平成18年度総務省通達には、「地方公務員の給与改定に関する取扱い等について」の第1の5項において、「技能労務職の給与については、国における 同種の職員の給与を参考とし、その職務の性格や内容も踏まえつつ、民間の同種の職種に従事する者との均衡にも留意しながら、適正な給与制度・運用となるよ うにすること」とあります。

 さらに、平成20年西宮市「技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取組方針」には、「今後も、引き続き業務体制の見直しや非正規職員の活用、民間委託の実施等につとめ、給与の適正化とあわせて、さらなる総人件費の抑制を行なっていきたいと考えています。」とあります。

■■■質問■■■

1.どのような検討をしたのか
 市が技能労務職員の給料表の、行政職給料表からの分離の意向を示したことは評価できるが、6月議会の答弁以降、どのような検討がなされたのか。

2.給与テーブルの案について
具体的にどのような給与テーブルを考えているのか。見込まれるコスト削減効果や、ラスパイレス指数や民間との不均衡の改善に関して。

■■■答弁■■■

1.どのような検討をしたのか
・現在、課長補佐級制度の廃止など、関係職員団体と協議を進めている
技能労務職員の給与のありかたについても、現行の行政職給料表からの分離も検討していく必要がある
・本市においても「技能労務職員等の給与見直しに向けた取組方針(2008/09)」の公表

2.給与テーブルの案について
・技能労務職員の給与制度全般にかかる見直しを行うことにより、ラスパイレス指数の改善、あるいはコスト削減といった観点、いずれも改善の方向に向かえるよう、総合的に検討

■■■意見■■■

 本市の職員の給料は、特に熱心に職務遂行に励んでいただいている行政職員に関しては決して高いとは思っておりません。 明確に高すぎるのは、能力を発揮していないにも関わらず、精勤な職員と同等に給料を受けている行政職と、技能労務職です。

 能力を発揮していない職員に関しては、勤務評定の厳格な実施によって、精勤な職員と差をつけることが必要です。
 技能労務職に関しては、一般行政職の給与表から分離し、全く別の基準で給与の算出をすることが必要です。

 勤務評定に関しては「定期評定の実施に向けて具体的な検討を行う」とありましたが、それができていないことは、地方公務員法第40条1項に違反した状態であることを認識していただきたいです。
 「現給保障」という考え方で基本給を保証するのであれば、期末手当、勤勉手当、退職手当に差をつけることによって人件費を大幅に抑える必要があります。
 いままさに、大量採用した団塊の世代が、退職手当ももらって退職していく時期が終わりつつあります。退職してしまった職員からは取り返せないわけですから、待ったなしの課題であると、強く認識してください。

定数管理と採用について

 以下の表に見られるように、財政課、人事課、情報政策G、広報課、障害福祉課など、残業時間の際だって多い部署が固定化してきています。 その原因がその部署における人員不足だとするのならば、必要に応じて、職員の配置がなされるべきです。つまり、残業時間の把握、定数管理、嘱託職員の採用、組織設計が精緻にリンクされている必要があるのです。

残業時間

 一方で、本市の一般行政職の採用は、年度によって極端に変動があります。

●採用者数

14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度 21年度
事務職 10 23 40 36 59 58 82 80
技術職 0 3 8 12 6 7 19 22
合計 10 26 48 48 65 65 101 102

●退職者数

14年度 15年度 16年度 17年度 18年度 19年度 20年度
事務職 60 57 57 92 75 76 96
技術職 16 14 21 8 17 21 25
合計 76 71 78 100 92 97 121

 本市の採用人数は、退職者数や財政状況とのリンクが強いと推測されます。本来、市役所は業績によって採用人数に大きな増減のある民間企業とは事情が異な り、例年ほぼ同数の人材採用がなされるべきです。あるとしても、行政ニーズ増大に応じた微増程度のはずで、一時的なマンパワー不足や財政的問題に対して は、嘱託職員や臨時職員の採用で調整されるべきです。現在の西宮市では、長期的視野に立って、採用者数を決定しているのか疑問です。

■■■質問■■■

1.各部署の把握について
 各部署の業務と、それに必要な人員構成はどのように把握しているのか。

2.今後の方策について
 今後、残業時間の把握、定数管理、嘱託職員の採用、組織設計を連携させるために、どのような方策をとるつもりなのか、お答えください。

■■■答弁■■■

1.各部署の把握について
・人事課が行うものといたしましては正規職員及び再任用職員に関して、まず毎年5月から6月にかけて、翌年度必要となる職員数についての各課への調査及び各局のヒアリング

2.今後の方策について
・今年度、前述の採用計画策定作業において、採用・組織両部門が共同してヒアリングを行うなどの取り組みを始めた

■■■意見■■■

 紹介したように、残業時間が多い部署が固定化しているのは大きな問題です。一方で、嘱託職員でも十分できる業務に正規職員が従事している部署も多々あると思われます。

 財政の答弁にもあったように、予算を大幅に抑えているにもかかわらず、事業の取捨選択がなされていないことから、現場の事務量は大幅に増えております。

 人事の分野でやるべきことは、各業務を正規職員のやるべき業務と嘱託職員に任せられる業務にきちんと分けて、コストの高い正規職員は、正規職員でなくてはならない業務に集中させることです。

 臨時的な事務量の増加や退職者の数ではなく、西宮市という組織に必要な正規職員数を、毎年ほぼ一定数計画的に採用するべきであり、業務の一時的増減には嘱託職員・臨時職員の雇用によって対応するべきです。団塊の世代が退職するからと言って大量に採用したり、以前したように、行財政改善計画の一環として正規 職員の採用を極端に減らしたりといったことは、するべきではありません。

 一方で、人員配置の適正化を根本的になすためには、繰り返しになりますが、事業の取捨選択が必要です。無責任に新規事業をアナウンスするだけして、結局それをやらされるのは現場、ということを繰り返していけば、本当に必要な事業に必要な人材を配置できないばかりか、組織を疲弊させることになるでしょう。適切な人事政策を、改めて要望いたします。

技能労務職の採用について

 本市では、技能労務職の採用をH9から止めていましたが、昨年11月に、学校調理員5名、保育所調理員2名を採用しました。

 先述の平成20年「技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取組方針」においても「今後も、引き続き業務体制の見直しや非正規職員の活用、民間委託の実施等につとめ、給与の適正化とあわせて、さらなる総人件費の抑制を行なっていきたいと考えています。」とうたっているのは先に紹介したとおりですが、明確に方針に齟齬があります。

■■■質問■■■

1.昨年採用した技能労務職について
昨年採用した7名は正規職員でなくてはならないのか。

2.正規と嘱託の違いについて
調理員において、正規と嘱託のこなす任務、要求されるスキルはどれほど違うのか。

3.今後の技能労務職採用について
今後は技能労務職の採用を復活させるつもりか、お答え下さい。

■■■答弁■■■

1.市長部局(保育所)
・正規職員が味付けなどの全体の指揮を執り、その他嘱託職員や臨 時職員が食材の下ごしらえ、食器洗い等補助的な役割
・技能労務職の採用については、かつて現業部門において多様な業務が存在するにもかかわらず、労務職として一括採用する方法が採られていた
・今回は、職種に着目し、その適性等も判断する形での試験(職種別)を実施
・労務職採用についても、慎重に検討を行っていきたい

2.教委
・チーフ調理員は正規調理員、それ以外の調理員は嘱託調理員
・チーフ調理員の役割は「自ら調理業務に従事」、「調理業務の進捗状況の把握や衛生管理の徹底」、「給食関係帳票の作成や嘱託調理員の服務のとりまとめなどの指導監督業務」、「学校内や教育委員会事務局との連絡調整」
・全庁的な技能労務職の採用方針や状況を適切に見ながら検討したい

■■■再質問■■■

 市長部局、教育委員会、それぞれから今回採用した正規職員の役割に関する説明がありました。
 まず、それでは、この職種における過去の嘱託職員の採用において、経験者の採用はできていないのか、お答えいただきたい。今後の採用方針については言葉を 濁されていましたが、壇上でも引用した「技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取り組み方針」に記述された「今後も、引き続き業務態勢の見直しや非正規 職員の活用、民間委託の実施等につとめ、給与の適正化と併せて、さらなる総人件費の抑制を行っていきたいと考えています。」とあることとの政策齟齬について論理的な説明をいただきたい。
 今回の技能労務職の採用は職種限定の採用をしたと説明がありましたが、その職域は「技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取り組み方針」にあるように、 今後は民間委託の実施などが要求される分野です。今後、この分野が民間委託された場合に、この職種限定で採用した正規職員はつぶしが利かないのではないか と考えるが、その処分についてはどうお考えか、答弁いただきたい。


■■■再質問への答弁■■■
・明確には答弁できず

■■■再々質問■■■

 保育所に関する正規職員の職域が「味付けなどの全体の指揮」だとありました。先ほどの答弁で嘱託でも経験者が採用できているとありましたが、「味付けなど の全体の指揮」という職責に正規職員という勤務形態が必要な論理的理由、嘱託職員や臨時職員という勤務形態ではその職責を果たし得ないという論理的理由をお答えいただきたい。

 同様に、幼稚園に関する正規職員の職域が「自ら調理業務に従事」、「調理業務の進捗状況の把握や衛生管理の徹底」、「給食関係帳票の作成や嘱託調理員の服務の とりまとめなどの指導監督業務」、「学校内や教育委員会事務局との連絡調整」とありました。その職責に正規職員という勤務形態が必要な論理的理由、嘱託職員 や臨時職員という勤務形態ではその職責を果たし得ない論理的理由をお答えいただきたい。


■■■再々質問への答弁■■■
・明確には答弁できず

■■■意見■■■

 過去の当該職種の採用は、労務職として一括採用されていたため、正規職員だからといって然るべき専門性を有していたとはいえません。現に、嘱託の採用においても経験者の採用が実施できているわけで、逆に当該職種の嘱託職員が然るべき専門性を有していないとはいえません。

 今回の採用を、嘱託職員ではなく正規職員で行ったことは、非常に安直で、軽率だと言わざるを得ません。

 H9から技能労務職採用はストップされており、H20年に「技能労務職員等の給与等の見直しに向けた取り組み方針」も公表されているのです。にもかかわら ず今回の技能労務職正規職員の採用は、重大な政策齟齬を生んでいます。技能労務職のあらゆる職域は、長期的には民間委託が進められるべき分野であり、この 分野での正規職員採用は、今後の市政運営にツケとなって遺されてしまいます。新年度以降、絶対に技能労務職の新規採用は行わないよう、厳として要望いたし ます。

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