■profile
今村岳司/いまむらたけし】
imamura 1972年、西宮市生まれ
西宮市議会議員/3期目
NPO法人ドットジェイピー理事

Copyright © 2005 XDL, All Rights Reserved.

2009年9月

コンプライアンスの推進について


続発する不祥事

 ここ数年、西宮職員による不祥事が続発しています。

・h19/12/12 教職員:クレジットカードを窃盗・使用:停職6月(処分後退職)
・h20/09/24 消防局:住居侵入:免職
・h20/12/25 環境局:児童売春;停職5月
・h20/12/25 環境局:酒気帯び運転:停職5月
・h21/03/31 環境局:殺人:免職
・h21/04/16 消防局:覚醒剤取締法:免職
・h21/05/27 総務局:強盗致傷:免職

   (※日時は処分の日)

 以上のようにこのところの不祥事は常軌を逸したものです。

 また、長期病休者による不祥事が続いたことも特徴でした。

★h21/03/10 環境局職員・殺人容疑で逮捕
・h19/01/23-●334日休職:給与は80%支払われる
・h20/08/25-●12日休暇:給与は100%支払われる
・h20/09/29-●5日休暇:給与は100%支払われる
・h20/10/20-●5日休暇:給与は100%支払われる
・h21/01/19-●4日休暇:給与は100%支払われる
・h21/01/27-●42日休暇:給与は100%支払われる
・h21/03/11-●21日欠勤:欠勤(逮捕拘留)
免職までの直近799日中424日休職・休暇・欠勤  

★h21/03/31消防局職員・覚醒剤取締法違反容疑で逮捕
・h15/04/26-●90日休暇:給与は100%支払われる
・h18/01/19-●25日休暇:給与は100%支払われる
・h18/04/30-●62日休暇:給与は100%支払われる
・h18/07/13-●26日休暇:給与は100%支払われる
・h18/08/08-●160日休職:給与は80%支払われる
・h19/02/22 ●1日欠勤:
・h19/02/23-●220日休職:給与は80%支払われる
・h19/10/29-●90日休暇:給与は100%支払われる
・h20/01/27-●142日休職:給与は80%支払われる
・h20/06/17-●304日休職:無給
免職までの直近1184中1030日同一症状で休職

西宮市職員倫理向上検討委員会における協議

 これをふまえて、今年7月に西宮市職員倫理向上検討委員会における協議報告が、総務常任委員会に以下の協議結果が報告されました。

○長期病休者への対応
・所属長に定期的に「治療状況確認書」を等の提出をルール化
 原則として月1回、所属長から人事担当化を通じて総括安全衛生管理者(総務局長)に提出・停職者には2週間に1回所属長が人事担当課に対して「生活状況確認書」を報告

・必要に応じて人事担当課が指導助言
・産業医を中心とし、保険スタッフや人事担当者で構成する「職員衛生管理委員会」を設置し、就業禁止や休職・復職の判断を行っていく

○職員の倫理向上のための研修等

○懲戒処分指針の見直し
 市当局が、対応策を講じたことは一定評価されるべきところだと考えられます。 しかし、この対応は不十分だといわざるを得ません。

西宮市職員倫理向上検討委員会における協議の課題>

1.真偽の不明

 いくら長期病休者対策を講じようが、懲戒処分の基準を厳しくしようが、療養状況や非違行為に関する公正な調査が行われることが担保できていない限り、非違行為に対する抑止力にはなりえません。

1−1.医師の判断は主治医でいいのか
 まずは、療養に関しての医師判断の正確性の問題です。現状、本市では療休や復帰の申し出などは主治医の診断書によってなされています。しかし、仮病にもかかわらず医師が簡単に病気と診断する場合が考えられます。例えば、欝に関しては「1ヶ月」くらいの短い診断書を出して、定期的に診断に来るようにしてしまうことや簡単に病気と診断してしまうことも多いです。
 また偽の診断書を出すことは、刑法160条の虚偽診断書作成罪に当たりますが、非常に立件が難しく、偽の診断が横行している現実があります。逆に本当に病気で療養が執拗な場合がありながら、本人が療養を切り上げるために医師に恢復したとの診断書を書かせることもありえます。本当は病気ではないのにかかわらず病気と診断した場合、本当は職場に復帰できないのにかかわらず恢復した場合、そのいずれにおいても診断を下した主治医に対して市が責任を問うことが出来ません。このようなことから、診断の正確性を期すために、主治医の診療だけではなく、指定医もしくは産業医による診断を判断のよりどころとしているようなところは皆無と言っていいでしょう。

1−2.「療養状況確認書」「生活状況確認書」の内容の真偽はどうやって証明するのか
 次に、療養者の状況を確認するための「療養状況確認書」「生活状況確認書」の正確性の問題です。西宮市職員倫理向上検討委員会における協議結果によると、長期病休者に電話や面談によってヒアリングしたことを文書にして提出するものです。このようなものがきちんとルール化されたことは前進ではありますが、病休者が所属長に虚偽の報告をした場合の罰則もなく、病休者の所属長への報告の審議を確かめる調査もありません。

1−3.外部の調査が必要
   次に庁内において非違行為の公正な調査が行われるかどうかの問題です。3月定例会では議会から教育委員会に対して、非違行為の徹底調査を求める決議をだしましたが、その結果はこのたび報告されたとおりの杜撰さです。徹底調査を求めたにも関わらず、実際には教育委員会から非違行為の疑われる対象に聞き取りをしたにとどまり、調査と言えることは一切しておりません。議会で決議までしてこの流されようですから、現在の市当局には非違行為の調査ができないという証左にほかなりません。また、本市にも公益通報の窓口を設置してはいますが、制度開始以来、相談件数はゼロ件。実際に通報をしたとしても事件の調査は内部によるものとなっており、それでは公正な調査など期待できようもありません。それは教育委員会の事例からも顕かであり、これらのことからも、非違行為に関する外部調査が必要であることははっきりしております。

※参考■千代田区の行政監察員制度
〇千代田区に設けられた行政監察員は「区の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた見識を有する弁護士に委託」
○公益通報の受け皿となるとともに、公益通報者が不利益扱いを受けた場合に対応。公益通報を受けた行政監察員は、その内容を確認し、必要があるときには調査を開始。その際、区と区職員などは調査に対して協力する義務を負う。
○調査の結果、違法・不当な事実が存在すると認めたときは、区長にその旨を報告する。区長が改善等の必要な措置を取らない場合、行政監察員は、自ら公表、監督行政庁への通報、告発などの措置をとる。

2.明確なスキームの不存在

 休職や復職に関しても、地公法第28条に基づく分限処分に関しても、非常に判断が難しく、明確な手続きの手順や条件を定めた指針やガイドラインが必要となってきますが、本市ではまだ具体的なガイドラインは制定されていません。

3.精度が甘い

 休職者の復職の条件は、前の職場・前の職種での復帰が条件のはずです。浦和地裁の昭和40年12月16日の判決によれば、「復職の要件たる治癒とは、従前の職務を通常程度行える健康状態に恢復したとき」であるとされていますし、東京地裁の昭和54年3月27日の判決によれば、「ほぼ平癒したが従前の職務を遂行する程度に恢復していない場合、復職件は認められない」とされています。しかし、実際には復職させる際に、別の職場や別の職種で復帰させる事例も多いと聞いています。しかし、これらは法的にも分限処分によって免職すべき対象者であり、特段の配慮を以って復職させる必要はありません。
 また、休職期間が3年を超過すれば、分限処分にされるべきですが、この条件を正確に適用できていない現状があります。他市事例で聞き及んでいるところによれば、休職開始から3年経過する直前の日に1日だけ復職し、即日また休職を開始するなどして、「休職3年で分限処分」という制度を逆手にとっている事例もあると聞いています。しかし、平成18年10月13日の人事院人材局通知によれば、分限処分規定に記述のある「心身の故障」に関しては、「3年間」という記述に関して、「期間の累計が3年を超え、そのような状態が今後も継続して、職務の遂行に支障があると見込まれる場合」という記述があり、「3年」という期間に関しては、「連続3年」というだけではなく、「累計3年」という考え方を明示しています。それを受けて京都市や寝屋川市では分限処分の条件として「期間の合計が5年間のうち3年を超過した場合」と明示されており、制度の悪用を防いでいます。

質問

●分限処分の明確なガイドライン整備の必要性についてはどう考えているか

●復職において、産業医や指定医の診断を義務付けるなど、明確なガイドラインを整備することの必要性についてはどう考えているか

●不正、非違行為についての外部調査機関や制度の設置の必要性についてはどう考えているか

●休職者が発生した場合の現場や上長の負担を軽減する方策の必要性についてはどう考えているか

総務局人事部人事課からの答弁と、それに対する意見

●分限処分ガイドラインの必要性についての答弁と意見

・分限処分の指針については、他の自治体の指針等の調査研究を引き続き行い、同一傷病等で繰り返し休職を受けている場合の通算規定も含め検討、今年度中に策定。

→今年中に策定すると答弁があったことを大きく評価する。

●復職のガイドラインの必要性および休職者による職場や上司の負担の軽減についての答弁と意見

・今後は円滑な職場復帰に向けた支援を行う。
・「職場復帰支援プログラム」についても来年度中を目処に策定。
・また、休職者による職場や上司の負担の軽減については、産業医や保健スタッフによる所属職員への制度的なフォローが可能ではと考えている。

→こちらも「来年度内を目処」と時期を切って頂いたことを大きく評価する。ただ、壇上で指摘したように休職と分限処分との関係についてはいくつかの論点がある。ぜひ産業医、指定医の診断を明確に要求することなどによって、厳正な運用が可能になるようなものを期待する。

●不正・非違行為についての調査機関・制度の必要性についての答弁と意見

・今後、職員の行為における法令違反の判断について、必要に応じ弁護士の意見を聞く。
・千代田区の取組みも参考にし、今後は調査のあり方への調査・研究を行う。

→現在の体制では、庁内の非違行為の調査に関しての公正性を担保できるのか非常に危うく、何より、安心して通報ができる体制にはなっていない。庁内の規律向上のためにも、外部による調査機関の設置を強く要望する。

●休職者による職場や上司の負担の軽減についての答弁

・産業医や保健スタッフによる所属職員への制度的なフォローが可能ではと考えている。
・今後、制度の研究を行う。

policy一覧へ戻る