2009年3月
西宮市教職員組合による教頭推薦問題及び
争議行為計画問題について
調査報告と再発防止措置を求める決議
代表質問で取り上げた「西教組の教頭人事への介入」について
代表質問で取り上げた「西教組の教頭人事への介入」については、さらに他の議員が一般質問で取り上げるという事態になりました。
この問題の発端からふり返ってみると、事態の発端は西宮市教員組合(西教組)が内部情宣資料「西教組ニュース」の2008年12月4日発行号の中で、堂々と教頭任用人事に介入していることを認める記事を記載したことに始まります。
ここでも述べたとおり、これは地方公務員法55条3項などに抵触する重大な違法行為です。
このことは、1月に入ってから、新聞でも大きく取り上げられました。

さらに調査したところ、この違法行為については、2006年に発行された西教組の資料「西教組六十年のあゆみ」の78ページにも詳しい記載があることがわかりました。

<「西教組六十年のあゆみ」表紙>

<P78にある教頭推薦に関する記述。これを書いたのが教師であり、つまりは、子供に対して教育をしているという現実が恐ろしい。>
質問に対して、この「教頭推薦」というのは、人事介入ではなく、内部の推薦行為だと苦しい答弁をしています。
教育委員会が組合に、教頭推薦の取り組みの趣旨を訊いたところ、学校現場において、能力・人望のある教員が管理職となって学校の管理運営に携わってほしいという思いから、組合員の中から相応しい人を選び、その人に試験を受けるよう勧めることが目的で、組合は教育委員会に教頭採用候補者の選考において、圧力や要請をかけるものではないとも釈明しているところであります。
しかし、この教育委員会の答弁は、先掲の「西教組六十年のあゆみ」の記述とは大きく矛盾しています。
<西教組30年史:教頭推薦と人事闘争>
「組織的なたたかいに徹する」
組合にとって人事闘争をどうとりくむかは、極めて重要である。任免権があるとはいえ教育委員会の意のままの人事行政を許すならば、組合の闘争力も団結力も極端に弱まるであろう。この意味で人事闘争は組合の死命を制するたたかいの分野である。
人事問題のほとんどは年度末から年度初めに集中する。提訴は分解を通じて行われ、取り上げを決定した問題は校長・市教委を問わず交渉は徹夜を重ねることしばしばであった。1月2月段階での人事異動に関する申入書とその細部にわたっての市教委交渉と校長交渉は、問題人事の未然防止に効果的であった。しかしそれでも提訴は毎年4、5件はあった。
〜「西教組六十年のあゆみ」78ページより
上記記述から、「教頭推薦とは人事介入行為ではなく、内部の啓発行為である」という教育委員会の答弁が詭弁であることは容易に推測されます。
また、実際の教頭推薦に使われた封筒や推薦用紙を見ても、到底啓発行為とは考えられず、あきらかに、「組織的な」人事介入のための手段であったと考えられます。

2月に入ってからの我々の指摘を受け、教育長から西教組に対して、「西教組ニュースの中で管理職選考において教職員組合が人事介入しているように誤解されることが考えられ、極めて遺憾」「管理職選考において、他からの圧力や要請を受けていることは一切ありません」「誤解を招く内容については、貴教職員組合に対して強く抗議するとともに、文書による釈明及び謝罪を求めるものである」などの内容の文書を2月5日に送付しました。

これに対して、西教組からは、「第三者が見れば誤解を生じる文書であった」「問題とされることについては、私たちも大変遺憾に思っている」「積極的に管理職試験を受験していくよう、受験を促すためのとりくみで、それ以上でも以下でもありません。」「教頭選考において圧力や要請をかけるものではないことを個々に申し添えます」「教頭選考のとりくみについては、そのあり方について、見直しを検討してまいりたい」などと書いた文書の回答が2月18日付けでありました。

さらに、3月16日には、教育次長から学校長へは「国・県からの指導に基づき、組合の教頭推薦の取り組みに参加しない旨、教員にご指導下さい」との通達がなされ、

3月17日の西教組ニュースでは、上記やりとりと謝罪を記した号を発行するに至りました。
しかし、教育委員会・西教組ともに、苦しい説明に終始しており、このやりとりは茶番にしか見えません(現教育長は西教組の執行委員も経験している人物です。そのような人物を任命しているのは当然市長です)。
このようなことから、この件についてのさらなる調査が必要であるという結論に至りました。
もうひとつの違法行為:ストの計画
この教頭人事への介入以外にも、西教組に関しては違法性を疑われる事案があります。
代表的なものは、ストライキを計画していた、というものです。
当然これは、国家公務員法第98条または地方公務員法第37条の規定によって禁止されています。
以下は教頭推薦に関する記事を載せた「西教組ニュース」と奇しくも同じ2008年12月4日の兵庫県教職員組合の情宣資料「教育ひょうご速報No.9」です。
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こちらに関しても、議会では「西宮市教職員組合に確認したところ、新聞で報道された内容は、兵庫県教職員組合が、昨年、賃金水準の改善等について任命権者である兵庫県教育委員会と交渉を行ったことに関したもの」「ストを計画したことはない」「過去20年以上、ストを行ったこともない」という答弁がありました。
しかし、こちらもつじつまが合わない資料が発見されています。
教員に対して配られたストに関するレジュメです。


明確に「「ストライキ」という文言は使わない」以下、レジュメの中で幾度となくストライキという言葉が出てきます。
何よりも、子供に対して「明日、先生たちは組合で給料や待遇などを決める交渉があります。この交渉で、先生たちが納得できない内容ならば、先生たちは明日の朝、2時間の集会に参加します。その場合は、みなさんのことは校長先生が指示しますから、それを聞いてください。納得できる内容ならば、普通通り授業を行います。」と言え、とマニュアルにあります。学校現場で子供に対してこの発言が教師から為されたこと自体がすでに許し難い問題だといえます。
この問題に関しても、当局の議会答弁は到底真相を語っているとは思えず、さらなる調査が必要であると結論しました。
他にも、「西教組六十年のあゆみ」には、西教組が選挙活動をしていることが堂々と書かれている(これも地方公務員法36条第2項に違反する行為)など、違法行為への感覚が完全に麻痺していることが窺い知れます。

このような、西宮市教委の違法行為は、西宮の公教育現場への信用を失墜させる大変許し難いことです。違法かどうか以前に、保護者からすれば、安心して子供を預けることができないような問題です。
このようなことから、議会から厳しく西教組の違法行為を糾弾し、問題の全容を調査するという意志を明確にするため、決議という方法をとることにしました。
決議に対する共産党や社会党の反応
議会では、私が提案者としてこの決議案を提案しました。
共産党からは「公務員の争議行為を制限していること自体が憲法違反だ」などと、筋違いな議論が展開されました。西宮市議会は憲法違反かどうかを議論する場所ではありませんし、そもそも憲法違反ではないという最高裁判例もじゅうぶんに存在しており、それでなお「公務員の争議行為制限が憲法違反」などと訴えることは、むしろアナーキズムです。
民主党系のグリーンクラブには西教組の執行委員を10年にわたって務めた人物までいます。彼らからはひと通りの質問がありましたが、そのどれも論理性に乏しく、結果、賛成多数で決議は可決されました。
今後、この決議が可決されたことを重く受け止め、議会から教育委員会に対して厳しく調査を求め、説明と報告を要求していくことに致します。
決議
決議案第5号西宮市教職員組合による教頭推薦問題及び
争議行為計画問題について
調査報告と再発防止措置を求める決議
平成20年12月4日付の西宮市教職員組合機関誌「西教組ニュース第2924号」に掲載された組合による教頭人事への介入を類推させる文言及び関連記事、また兵庫県教職員組合が平成20年12月4日に発行した「教育ひょうご速報No.9」に記載された争議行為(ストライキ)の計画を類推させる記事、及び西宮市教職員組合内部資料とされる文書に同計画の実施を西宮市教職員組合としても準備していたと類推される記載があったことは、地方公務員法第37条及び第55条に抵触する可能性があり、国、県、市各議会でも取り上げられるとともに、文部科学省が兵庫県教育委員会を通じて調査究明の指示を出したことなどが新聞等でも報道され、地方公務員及び教育行政に対する信頼を揺るがしかねない事態となっている。
よって西宮市議会は教育行政の中立性、職員団体の遵法性に対する信頼を確保するため、前記諸問題に対する事実関係の調査、並びに問題があった場合の再発防止のための対策を市議会に対して早急に報告するよう、西宮市教育委員会に求めるものである。
以上、決議する。
平成21年3月24日 西宮市議会






