■profile
今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

Copyright © 2005 XDL, All Rights Reserved.

2009年3月

財政について。

昨年の今頃、市長は私の鳴らす警鐘に対して
「財政好転の状況はH16時点とは隔世の感がある」と宣っていた。

 ちょうど1年前の3月3日の午前10時、まったく同じ日の同じ時間に私は代表質問をしています。その中で私は長期的視野を放棄し、楽観主義に冒された財政運営を厳しく批判する質問を行いました。
 しかし、市長は私の質問を嘲笑うかのように「H20末の基金残高は52億あり、H16時点から考えると隔世の感がある」と挑発的に答弁しました。それから一年経ちました。

 H21年度予算に先んじて発表される「西宮市財政の現状・西宮市の財政を考える」、以下財政見通しと呼ばせていただきますが、その6の1の中の財政収支試算表には、H25年度までの実質収支の予測が載っています。<
 昨年2月に発表された財政見通し6に載せられた財政収支試算表によると、H22当初予算で実質収支が27億不足、H23で32億、H24で20億の不足が発生するものの、H25の当初予算においては9億円の黒字に転換する、という見通しでした。それでも、H22から赤字になる予測を立てておきながら69億もの基金取り崩しを行った放漫財政を厳しく追及する質問を、昨年は行いました。
 それから一年、実質収支の予測は、H22で27億の不足、H23で70億の不足、H24で109億の不足、そして昨年の試算では黒字に転換するはずだったH25に赤字額は138億にまでふくらむというものになりました。
財政収支  H25の予測にして9億プラスの予測が138億マイナスに、147億の下方修正が行われています。それでいながら、基金は、前年度69億に続いて、今年度は61億の大きな取り崩しをし、残高は44億になってしまいました。

 今度はこちらから申し上げたい。昨年の見通しと較べると[「隔世の感がある」と。

 それでも市長はあいかわらずガーデンズで甲南大学でキッザニアだから復興して街がにぎわっているよと壊れたように繰り返しています。
 ガーデンズによる税収増はおそらく数億円。大変な経済効果ですが、この100億円以上にのぼる財政政策の読み違えの前には焼け石に水です。まずは、市長にご答弁いただきたい。今年の予測ではH25末の赤字予測が138億円となっております。昨年からは隔世の感がございますが、この見通しをどうとらえておられるのか、また、これほどまでに修正の必要な無責任な見通しを立て、無思慮な財政運営をしてきた責任はどうとるおつもりか、答えられよ。全ての答弁に先んじて、まずは自ら一年前の答弁の尻を拭われよ。
 以下のすべての質問は、もう現状を把握する正常な判断能力があるとは思えない市長ではなく、当局の優秀な官僚に質問したい。それぞれに刮目し、大局を見ていただきたい。もうすでに、いち公務員として議場に坐っていては西宮を見殺しにしてしまうという状況にまできていることを理解されよ。現在の市政においては、自らが最後の頼みの綱であるという状況を受容し、承認し、自らの双肩に西宮の将来が乗っていると思って、心して答弁されよ。

山積するリスク要因

 先ほどの財政見通しも大変なものですが、西宮市の財政が抱えているリスクはさらに大きなものになると私は推察しています。今年の財政見通しには人口増や高齢化による福祉支出の増大などをあげておられますが、それだけではございません。

 まずは中央病院にかかわるリスクがあります。H20当初予算での繰入金は9.1億でしたが、12月に8億もの補正をしました。H21当初予算でも合計15.8億の繰入金を計上しておりますが、抜本的経営改善が為されないままになっている状況では、それがいつ補正などによって膨れあがるともわかりません。
 また、耐震診断の結果は、耐震指標が耐震改修促進法等に定められた0.6に満たない0.57であるという結果が出ました。しかも、病院は西宮市耐震改修計画で「災害時に最も重要な拠点となる施設」に指定されているため、重要度係数が1.5となっており、耐震指標は(0.6×1.5=)0.9が要求されています。しかしながら、当局の改革計画でも、あらゆる取り組みがh22までに計画されていながら、この耐震工事だけはH25以降に行うという無責任な後送り計画になっております。この工事にも大変な資金が必要です。しかも、夏休みに音の出る工事を済ませてしまう学校とちがって、入院患者がいる病院で耐震工事が行えるのかも大変疑問です。
 また、S50築の病院は2035年頃には建て替える必要が出てきますが、その経費は約90億と試算される膨大なものになります。

  当然、中央病院にとどまらず、あらゆる施設の改修や更新は大きな財政リスクです。
 西宮市耐震改修促進計画において耐震化にかかる費用は、学校園の耐震化に約63.1億、合計で92.9億と想定されております。そのうち、総合計画に挙げられていないものが約50億あります。
 また、半年前の一般質問で取り上げましたが、学校施設のアセットマネジメントに今後50年平均で年20億ほどの経費がかかります。学校と市営住宅以外の施設に関しては総務局が中長期修繕計画をつくっており、これから10年で72億の修繕経費がかかるという見通しを立てておりますが、それには建替経費がはいっておりません。この計画にあげられている117施設の建て替え経費を試算すると全部で609.6億、年平均で約10億の経費がかかることになります。すべてを合わせると、西宮市の施設のアセットマネジメントには年約30億の経費がかかっていくことになりますが、これらの経費はどんどん後送りされていて、現在の財政計画や見通しには反映されておりません。

 次にあげるリスクは、第三セクター都市管理株式会社の破綻リスクです。
 コープが撤退するのかしないのかは現在不透明な状況のようですが、もし撤退したとすれば、駐車場協力金の減収で1.7億、賃料の減収が最大で約1億、敷金の返還が最大で約1億、建設協力金の返還が約0.8億と、最大4.5億の減収となることになります。当然、都市管理株式会社への短期貸し付け10億は貸し倒れになるでしょう。

 次にあげるリスクは災害援護資金の焦げ付き問題です。
 当初貸し付け約203.6億のうち未償還ぶんが約42.3億あります。県への償還期限を5年延長してもらっているため、H23が現時点での償還期限となります。現在、償還期限のさらなる延長と償還免除要件の拡大を国と県に対して要望中ですが、阪神淡路大震災以外の災害における災害援護資金でこのような措置をとっている事例はなく、市町村が都道府県への償還を肩代わりしているのが実情です。現在兵庫県も極めて財政状況が厳しいため、場合によっては国や県への要望が受け容れられず、H23時点で償還を要求される可能性があります。その場合は、最大42.3億を本市が肩代わりしなくてはならなくなります。

 次にあげるリスクは、他でもない市長の選挙公約です。
 市長公約関連事業費総額は当局に試算してもらったところ、H21からH25で約314億、うち一般財源は104億にのぼります。しかも、市長公約に伴って追加・充実した事業費は約79億、うち一般財源は47億になります。これがさらに実施計画に上がってきたりすれば、さらに財政破綻を加速させることは間違いありません。

 そして、当然福祉・教育関連支出の増大があげられます。
 行政サービスの供給と環境・景観を保全するための人口抑制をずっと訴え続けましたが、市当局は無思慮に放置してきました。今年の行政方針でも「若い子育て世代を中心に増加の一途を辿り、いまや48万人に迫ろうとしております」と、手放しの喜びようですが、現に今年の予算でもこの無策のツケが、保育所関連で5.5億、学校関連で10億の児童急増対策事業などに顕れてきております。
 このように、人口増加を放置してきたことと景気後退によって、福祉関連の事業費の増加は10億円単位で顕れてくると推察されます。

 このように、思いついてあげただけで年間十億単位の財政リスクがたくさんあります。
 どさくさに紛れてあらゆる財政リスクをアメリカの金融危機のせいにするつもりかもしれませんが、それとは無関係なあきらかに西宮の失政を原因とするリスクもたくさんあります。しかも、意図的に後送りにされたものもたくさんあり、非常に悪質で無思慮な行財政運営だと言わざるを得ません。

この状況に於いてなお、無駄な事業に予算はつき続ける。

 いっぽうで、本年度の財政見通しでは「さらなる事業費の圧縮や平準化等を行い、財政収支との調整を図っていくことが必要」と書いてあったり、4次総でも「選択と集中による優先度付など必要な調整を図りながら」と書いてあったり、行政方針でも「事業の取捨選択に努めるとともに、可能な限り財源の確保を図りました」と書いてあったりします。

 ここで当局に対する1つめの質問いたします。
 どうやって「事業費の圧縮や平準化」を行うつもりをしているのか、どのように「選択と集中による優先度付」などが行われたのか、お答えいただきたい。なにより、行政方針において「事業の取捨選択に努める」とありますが、どのような事業を「捨て」たのかお答えいただきたい。
 「取捨選択の『取』」のほうは実施計画や行政方針などで散々目にしてきていますが、「取捨選択の『捨』」のほうはほとんど説明を受けておりませんので、そちらに限定して、具体的に事業と金額を上げてお答えください。

無責任な見通しに基づいて無思慮な行財政運営をしてきた責任は誰が取るのか。

 これに加えて、当局に財政運営についての質問を致します。
 まずは先ほど市長に対して訊いた「昨年との財政見通しのズレ」についての見解と、大幅な修正を余儀なくされるような無責任な見通しを立てて、財政運営をしている責任をどうとるつもりなのか、お答えいただきたい。

 続いて総合計画について。
 この4月からスタートする4次総では、「今後10年間に道路や建物の整備・建設といったいわゆる投資的事業などに充てることのできる一般財源は約915億円となり、基本計画はこのような予測の下に策定しています」とありますが、これに関して修正をお考えか、お答えいただきたい。
 記憶にあたらしい3次総は8年間の計画期間で、財政フレーム838.6億に対して実際は経常収支のマイナスが259.9億と、1098.5億ものズレが発生したことは記憶に新しいと思います。
財政フレームのズレ
 これから10年西宮が使う4次総は、3次総同然のインチキな代物のままスタートさせるのか、お答えいただきたい。

 続いて、4次総の基本計画には「実質公債費比率などの4つの財政指標をふまえ、健全な財政運営に努めます」とありますが、どのように指標を踏まえられたのか、また、経常収支比率や基金残高などについて、長期の明確な数値目標をつくる必要があるのではないか、お答えいただきたい。

 そして最後に、都市管理株式会社の破綻リスクについてお訊きしたい。
 先ほど破綻時のリスクとして4.5億円を試算しましたが、本来この場合の責任を取るべきは都市管理株式会社の経営者であって西宮ではありません。35%の出資者である西宮市はむしろ被害者であるという見方もできます。
 それでは、都市管理株式会社が破綻した場合の本市の責任は、どういうロジックに基づいてどれくらいと考えているのか、お答えいただきたい。

市長答弁に見る責任感・当事者意識の欠如

・市長答弁

・誰が書いたのかは不明だが、ほんとうに狂ったか狂ったふりをしているかのような答弁。とうとう彼は状況がよく飲み込めなくなっていると見た。年齢による障害が隠せなくなってきている。
「私は、さまざまな機会を通じて多くの市民のみなさまから直接お聞きしてきたニーズに基づく公約を、選挙において掲げましたが、本市の個別要因の中には、これらの公約を実現していくための経費なども含まれています」
・「世界的な金融危機に伴う我が国の景気の急速な悪化により、本市の歳入が足踏み状態にあることなど、本市の財政を取り巻く状況は、一年前とは、大きく様変わりしているものと認識しております。今後、市民ニーズを実現するためにも財源不足を解消し、安定した財政運営を行っていかなければならないものと考えております。」
→完全に他人事ですね…

・答弁に対する私の意見。

・市民ニーズを予算に盛り込むのはいいが、それで財政が破綻したときに、そのツケを払わされるのは誰だ。
・市民ニーズと、市民が安心して暮らせる財政運営をバランスするのがプロの行政だ。
・あなたが市民ニーズをかなえてあげても、その市民の子や孫の世代がその「市民ニーズ」のツケを支払うことになる。
→この一連に関しては、意見は言ったけれども、彼にはきっと理解できてはいないでしょう。

財政運営に関する答弁〜財政を圧迫する人件費

・総務局(財政)答弁

・景気の急速な悪化による歳入減、歳出に於いても一年前には予測できなかった要因が重なった。
・昨年の時点では、将来の収支予測に関して、市税収入の伸びを年2%と見込んでいたが、全く見込めなくなった。
人件費が増えた。
・昨年の時点では、今回のような景気の急速な悪化を予測することが不可能だった。

・再質問〜人件費はどうするのか。

・百歩譲って景気後退が、読み切れなかった外的要因だったとして、人件費増は内部要因だ。その人件費をどうするのかは当局が決められることだ。
 人件費を高止まりさせたいのであれば、市民に説明をして事業を圧縮するべきだ。事業の圧縮を市民に説明する勇気がないのであれば、人件費を圧縮するべきだ。このまま人件費を高止まりさせるつもりか、それについて答弁してほしい。

・再答弁

・今後の職員給料の水準はさらに低い水準で移行していくものと考えている。

 →根本的な解決に関する答弁はなし。

・意見:人件費削減の方法を平成21年度じゅうに提示せよ。

・この期に及んで我々が知りたいのは、詳しい内部状況などではない。労働組合とどんな交渉をしようが、どんな給与制度にしようが、それは総務局が考えればよいことだ。
 我々が必要としているのは、このような状況に於いてなお人件費という内部事情が財政を圧迫しているという課題をどのように解決するのか、つまりは人件費の高止まりをどう解消させるつもりをしているのか、だ。具体的な方法を平成21年度じゅうに提示していただきたい。

行政経営と総合計画に関する答弁〜すでに破綻している4次総

・総合企画局(政策推進・総合計画)答弁

・事業の取捨選択には施策評価を活用した。
・そのあと、市長選挙の公約について、4次総との整合を図りながら調整した。
・以下、意味不明。
・当分の間は、景気の動向を中止しつつ、4次総の基本計画に沿った取り組みを進める。915億円の財政フレームに関して、修正は考えていない。
経常収支比率はH30に85%程度に引き下げを図る。
基金残高は震災前の200億円前後がひとつの目安。

・再質問:「事業を取捨選択」というなら、どの事業をどうスクラップできたのか

・実施計画には新規事業や拡充事業が目白押しだが、どこからこの金は出てきたのか。事業を取捨選択したと言うが、例でいいので、どのような事業をどういった理由でスクラップしてどれほどの財源を確保できたのか、紹介してほしい。

・再答弁

・個別の内容と金額は庁内での調整過程に関わるので差し控えたい。
・実施計画全体で、投資的事業を当初要求から37億程度圧縮しているし、施策的事業についても73億圧縮した。

・意見:止めた事業をうやむやにするのは卑怯ではないか。

・新規拡充事業はまるで自分の財布から出てきたかのように喧伝する一方で、止めるものはうやむやにしていくというのは卑怯ではないか。社会的使命が終わったから、コストがかかりすぎているから、といって堂々と説明すればよいではないか。

・再質問:H25末△138億円からどうやって5年で915億の余剰財源をつくるのか/経常収支比率85%に持っていくのか/基金200億が目安といいながら今年61億も切り崩したのはなぜか

・策定されたばかりの総合計画を現実のものとするためには、H25からの5年で1053億円を積む必要がある。できるわけがない。

・再答弁

・H21じゅうに具体的な手だてのとりまとめをおこなう。
・この半年の急激な経済情勢の反動は、10年間という総合計画の期間を通じた枠組みにどう影響するのかは判断しがたい。(一時的・急激的なものだ、という判断)

・意見:実現不可能が見えている計画に基づいての行政運営は無責任極まりない

・ただでさえ、中長期修繕計画のように、これから10年の後半5年間に後送りにされている大規模事業もたくさんある。
・これから経済状況が好転する、財政状況が好転する、ということを前提にした無思慮で脳天気な運営は許されない。

都市管理株式会社に関する答弁
〜市の責任と株式会社の責任を混同してはならない。

・都市局(都市管理株式会社)答弁

・会社法104条の法的見地からいえば、市が金銭的に追うべき責務は、設立時の資本金(4.99億)のうち、35%にあたる市の出資額1.75億の範囲内
・現在、西宮都市管理株式会社が担っている重要な役割を考えると、万が一、西宮都市管理株式会社に経営の危機が及ぶような事態が想定される場合には、他の出資者と共同して会社に対する一定の支援は必要であると考えている
まずは現在直面しているコープこうべの撤退問題の解決に全力を挙げ、一定の方向性を早期にみいだしたい。

・意見

都市管理株式会社の責任と西宮市の責任は分離して考えるべきだ。
・都市管理株式会社の社長(市からの天下り)は都市管理株式会社の経営者としての責任を全うすべきだ。
・なし崩し的に都市管理株式会社の責任を、西宮市が、ひいては納税者がおわされるようなことになってはならない。
9億9000万円の短期貸付の契約書第11条に根抵当権を設定すると書いてある。第12条には貸付金の償還が完了するまでの間、担保価格の減少がないように監視しなくてはならないと書いてある。第13条に都市管理株式会社は貸付金の償還を怠ったときには第11条の根抵当権が実行されても異議がないものとされている。
・都市管理株式会社が上記9億9000万円に相当するような抵当を持っているとは思えない。この契約書を履行できるように、きちんと抑えておくべきだ。

policy一覧へ戻る