2008年3月
景観行政について
景観行政団体
西宮市は中核市になりますが、たいていの権限はすでに西宮市に委譲されております。実際にこの4月から大きく変わるのはこの点に関してだとの観点から質問いたします。行政方針の中でも述べられていたとおり、西宮市は中核市になることによって景観行政団体になります。
西宮の美しい景観は西宮にとっての大きな財産であり、市民の期待の大きい政策分野だということができます。
そこで質問の一点目。 景観形成基本計画に関して質問いたします。
(1)できたばかりの景観形成基本計画に基づいた実際の施策をより強力に推進すべきだと思いますがこの点に関して具体的にどのようにお考えか、お答えいただきたい。
緑地率
都市景観に大きな影響のある緑地率を上げるという規制についてどうお考えでしょうか。現在は容積率500%の商業地も、容積率300%の近隣商業地も同じ緑地率で10%となっております。
質問の二点目です。
緑地率の規制強化に関して質問いたします。
(2)この規制を強化することは、近隣商業地の景観形成に大きな影響を及ぼすことができると思いますが、この点に関してどうお考えかお答え下さい。
マンション建設
臨港側は酒造会社などの工場の土地が、電鉄沿線では企業の社宅や寮の土地が、住宅地では大きなお屋敷が次々とマンションに転用され、西宮にはマンションが急増しております。
このマンション急増問題は、先に述べた学校の受け入れ問題だけではなく、都市景観上もたいへん大きな影響があるものと考えております。
そのため、地域の景観に配慮した開発を推進するためにも、一定の開発規制が必要だと考えております。
マンションは一般的に建て替えの目安は40年から60年といわれております。
しかし、1965年までに全国に建てられた16000のマンションのうち、40年たって建て替えられたのは、その約3分の1の5600にすぎません。賃貸マンションなら、住民が退去させられて再建ということもあり得ますが、所有権の分散したマンションではそれが非常に難しいのが現実です。
1983年の区分所有法に基づいて定められている建て替え決議には住民の5分の4以上の区分所有者の賛成が必要であり、老朽化したマンションの場合、多くは住民層が高齢化しているため、建て替えに消極的になりやすく5分の4の賛成がまとまらないケースが多くなっています。
また、地価の低下や既存不適格などによって還元率が低下する場合が多いため、建て替えの実現に至らないケースも多くあります。このような現実を見ると、自治が高度に成熟しているマンション以外は50年後にそのままスラムになる危険性をはらんでいます。
そのため、行政は大規模マンションの建設に際して、あらかじめ建て替えの計画や契約を所有者に説明する義務を負わせる必要があるのではないかと考えます。
質問の三点目になります。
マンション開発について質問いたします。
(3)持続的に地域の環境に調和したマンション開発を進めるための施策を、お考えかご答弁下さい。
景観の保全を定量化する規制
住民にとって開発が景観上問題になるのは、従前の景観とのギャップによるものです。 つまり、元々マンションだったところにマンションが建ってもそれほど景観上問題はありませんが、更地であったところや、樹林であったところや、建蔽率や高さ規制に余裕を持って建てられていた社宅などがマンションに転用された場合に、景観上の問題が起こりやすいと考えられます。 開発に際しては、現状の景観を保全・復元する規制を行わなくては、西宮の景観はどんどん変わっていってしまうでしょう。
一方で、風致条例だけでは、景観の保全は不十分です。 樹木を伐採して開発を行った場合の景観の復元は、植栽率の30%だけですまされます。樹齢何十年の高さと枝張りを誇る古木を切っても代わりに小さな細い木を植えただけでその復元率は担保されてしまいます。
そのため、新しい規制が必要だと考えます。高木や景観上価値のある建築、道路からの後退や、規制限界までの高さの余裕、色彩などの点数を付けた「景観値」、景観のあたい、のようなものを設定し、開発に際しては、もとあった景観値のある一定の割合を復元することを求めるというものです。
最後の質問になります。
景観値による規制に関して質問いたします。
(4)このような景観保全の規制をせめて景観形成地区からだけでもやってはいかがか、お考えをご答弁ください。
答弁の要旨:
景観行政施策に関して- 全市域を景観計画区域とする景観計画の策定を来年度に行うとともに、都市景観条例の改正を行う。
- 都市景観形成地区や地区計画の指定に向けた取り組みに関して、地域に働きかけを行うとともに、地域の活動に対するコンサルタントの派遣や活動費助成などの支援をしていく。
- 建築敷地を対象に一律に緑地率を定めるのではなく、景観に影響のある道路側の緑地や空間の確保について一定の指標作りを検討する。 マンション開発の規制・景観値的発想に関して
- 来年度から景観法の届け出制度を活用、21年度からの実効性のある景観行政に取り組み
- 景観チェックシートの作成
- 公的空間から見える現況写真を使った景観シミュレーション図の提出義務づけ
意見・要望:
来年度には、全市域を景観計画区域とする景観計画の策定、都市景観条例の改正、マンション開発の規制となる景観チェックシートの作成や、景観シミュレーション図の提出義務付けなど、前向き且つ、具体的な答弁をいただきました。18年11月の市民満足度調査結果報告書でも、「良好な住宅・住環境の整備」に「満足・やや満足」は足して16.8%しかなく、「重要度が高い・満足度が低い」という政策の一つです。19年度の市民意識調査でも、「西宮のまちなみ」への評価は、長期に居住している住民ほどかなり低く、以前よりまちなみの美しさが損なわれているということになります。
平成21年度から実効性のある施策に取り組むとありますが、平成20年中の研究準備に期待します。







