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今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2008年3月

危機感のまったく無い行財政運営

再び財政危機へ。

 この一年、先に述べたように、市長は行政方針以来一貫してありとあらゆる場所で「財政好転」を喧伝してきました。 市民に負担を強いているにもかかわらず、また、議員たちも市民に対して「財政が厳しい折だから」と理解を求めてきているにもかかわらず、県も大規模な財政削減に取り組もうとしているにもかかわらず。この危機感の全くない態度に、その都度議会では、「財政は好転などしていない」と警告を続けて参りました。
 そして、私たちの目の前には基金を68.93億円取り崩してできた平成20年度予算案があります。財政基金を46.66億、減債基金を22.27億取り崩して、せっかく積んだ基金もあっという間に残りが50.21億になってしまいました。 しかも財政計画では、今年と来年で基金をほぼすべて取り崩し、平成22年度から24年度は単年度収支が赤字になる見込みになっています。昨年9月に決算剰余がでたときも、それは甲子園浜の下水処理場用地に関する土地開発公社からの長期貸付金の返済による、見かけ上のものだといってきました。そして、その見かけ上の財政好転を演出してしまったことにより、この財政状況では考えられないような膨張予算ができあがってしまいました。これで、次の市長の任期はちょうど赤字になるという状況になりました。
 これからさらに、団塊の世代の退職に伴う人件費、人口増と高齢化の進展に伴う行政需要の増大、有形固定資産の耐用年限に伴う耐震化や大規模改修など、さらに財政支出の増大が予想されます。

ブレーキをきかせることができなくなっている財政当局

 まずもって、財政は責任を感じるべきです。このような予算を提案してきた当局ですが、専門家であるはずの財政が、この予算を正常なものと思っているわけがありません。この予算案が設計されてきた庁内の折衝で、身を挺してブレーキを踏むべきだったのが財政です。そのブレーキを踏まないのであれば、財政などただの帳簿屋といわれてもしかたがありません。財政をはじめとした当局は、我々議員などよりよっぽど危機感を持っていて当然です。なぜ議会からこのような質問をしなければいけない状況になっているのか、改めて反省していただきたいです。

「切りつめ型」ではない、「取捨選択型」の行財政改善を。そして事業の取捨選択をまともにできる体制を。

 もうそろそろ、合理的な事業の取捨選択をする体制が必要です。事務事業評価をしても、決算時期を早期化しても、結局予算案や実施計画の策定にその評価結果が反映されないようなら、全く意味がありません。 財政がいくら財政計画を発表しても、それに危機感を感じて行政運営がなされないのであれば、そんなものは作らなければいいのです。
 PDCAサイクルは、チェックしたものをアクションにつなげるのが前提です。いくらチェックしてもアクションがなされないのであれば、おやめになればよいのです。
 私は、いよいよシステムの検討をするべき時期に入ったと考えています。例えば、行政評価が公正に行われ、その評価点が一定の点数を切ると自動的にその事業が廃止されるシステムであるとか、新規事業を行うには、一定の評価点がないと何があっても認めないようなシステムが、いまの西宮の行政には必要です。
 新年度は第3次行財政改善実施計画と行政経営改革の計画最終年度となります。現在の西宮の行財政の状況を鑑みれば当然、継続的な財源対策と行政改革が必要であるといえるでしょう。

以上の話を踏まえて質問です。 まず一点目。 本年度の予算に見る財政運営について質問します。

(1)新年度からの二年間で財政基金を取り崩してしまうような予算についてどのように考えておられるのか。昨年の西宮市の財政の現状「5の4」では平成20年度の財政基金等繰入金のヨミは49.2億円となっていましたが、実際は68.93億円でした。
 状況が悪化した理由は何でしょうか、 また、「財政が好転し、明るい兆しが見えて、中核市になって飛躍する」とこれまで宣伝してきたことと、この予算案の整合性をどう考えているのか、ご答弁いただきたい。

次に二点目。 人件費についてご答弁いただきたい。

(2)平成20年度予算にして14.38億、一人あたり約3000万円の退職金ですが、これを正常とお考えなのでしょうか。 一般企業でいえば重役レベルの高い金額が、職種を問わず支給されています。退職金に関して思い切った削減が必要と考えるがどうお考えか、ご答弁いただきたい。

(3)給与構造改革導入によって本年度の人件費が約5.26億円増となっていますが、この財政緊急時にそのような措置をとることの意味は何か、お答えいただきたい。

次に三点目。 今後の計画についての質問です。

(4)本年度が年限の行財政改善実施計画と行政経営改革について、平成21年度からの計画を早急に設計し、発表すべきだと考えるがいかがか、お答えいただきたい。

最後に四点目。 決算審査も事業評価も財政分析も無視した行財政運営についてです。

(5)経営に自律が望めないこの状況においては、放漫な財政設計を制限するシステムが必要だと考えるがどうお考えか、お答えいただきたい。

答弁の要旨:

市長

  • H20末の基金残高は52億。H16時点から考えると隔世の感がある。

総務局

  • 当面の財政状況としては、これまでと違い厳しいものとなっている。

人事部

  • 退職金は国家公務員退職手当法に基づいた条例の規定により支給している。団塊の世代によって数年間は退職手当が増大するが、その後は退職者数も減少に転じ、支出も減少する。

行政経営・改善グループ

  • 行政経営改革はほとんどの項目についてすでに着手し、運用している。21年度以降の行財については、本市の財政状況を見極めた上で対応して参りたい。
  • 施策評価について、施策内の事務事業と当該施策の上位政策の貢献度をそれぞれ担当部長が評価する。
  • 本市の目指すべき方向性や重点化施策を明確にしつつ、チェックの方法なども検討し、事業・施策の取捨選択や予算の傾斜配分など、20年度の制度運用に向けた課題の整理に努める。

要望・意見:

市長・総務

 この期に及んでも、市長には危機感があまり無いようですが、総務局長からの答弁で少しは救われました。しかし、それを今年の予算編成に生かすべきでした。膨張予算を作るだけつくって、あとは財政に責任をなすりつけるというやりかたはいけません。財政にこの話をするのがどれだけ辛いか。どう考えても私より危機感を持っている人に向かって「危機感がないのか!」といわなければいけないのですから。
 また、財源不足の解消について、H20年度の予算編成でやった失敗は、上半期で取り返してほしい、作ってしまった予算案はもう仕方ないので、あとはどうやってこの予算案を運用していくかをしっかり考えてください、と要望しました。

人事部

 結局団塊の世代だけはきちんと給料をもらって、それ以降の職員たちはもらえないと言うことでしょう。これまでの失政の責任をとる意味でも、団塊の世代こそは特段に給与を削減するべきです。
 こんな財政状況なら、今年に関しても臨時措置として以前の水準にとどめるべきだったんじゃないのでしょうか。

行政経営・改善グループ

 行政経営改革はほとんど運用できている、とお答えになったが政策評価・施策評価がまだです。「事業・施策の取捨選択や予算の傾斜配分など」と仰っていたが、それがまさしく必要だったのが今年の予算です。それを現執行部が設計する最後の予算設計に実際に間に合わせることができていません。
 「本市の財政状況を見極めた上で対応」と、何を気の抜けたようなことを言っているのでしょうか。企画や財政がしっかりしないから執行部の暴走を放置してしまっているのです。責任を感じてほしい。

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