2007年12月
大社小学校の児童急増にともなう教室不足問題について
大社小学校区の校区変更を教委が強行しようとしていることについて。
大社小学校区は、平成17年4月から「受入困難地区」に指定されて開発抑制を行ってきました。
しかし、この開発抑制や校内の改修による教室確保では教室確保に限界があると判断した教育委員会は、校区変更も検討せざるを得ないと判断し、本年5月から、地元の役員会である「大社越水会」に問題提起をし、協議をしました。
その協議を経て、教育委員会は8月10日に「西宮市立大社小学校区にお住まいの方々へ」と題した資料を校区の全世帯に配布しました。
そして、先の9月定例会の市民分教常任委員会の所管事務報告で、室川町を平木小学校へ、西田町と若松町と大井手町を安井小学校区へという校区変更の案を発表しました。
それ以来10月から地元に対する説明会は開催されてきましたが、今月2日の説明会において「今後、説明会はしません、話し合いもしません」ということで打ち切りになった状態です。そして、来年4月から校区変更をしようとしております。
これがいまのところの状況の進捗です。
これを踏まえて質問いたします。
このたび、校区変更ということが議論になっておりますが、そもそも、小学校区というものはあらゆる地域生活において
重要なユニットとだといえます。
ただ単に子供が学校に通う地区割り、ということにとどまらず、災害時の弱者対策や民生委員・児童委員の活動など、
地域福祉の単位でもあります。つまり、校区変更とは、教育委員会ひとりの所管にかかるような問題ではなく、あらゆる部局に関わる問題であるため、全庁的に充分な議論が為されるべき問題だと考えます。
もうひとつ。
西宮は文教住宅都市ですから、「どの校区か」で、居住地を決められるまちでもあります。
その中で、大社小学校区は大変人気も高く、「大社小学校区だから」ということでこの地区に引越してきて生活している人もたくさんいるわけです。
この二点のことだけを考えても、校区変更という問題は、大変重大な問題であり、その判断においては充分すぎるほどの議論と、地域への周知を必要とするはずなのです。だからこそ、地域の十分な理解もないまま、この短期間で校区変更という重大な政策判断をしようとする教育委員会は、拙速だといわざるを得ません。
これまで、教育委員会は地域への説明会に関して、こういうふうな説明をしてきております。
「大社小学校は風致地区にあるため、建て増しができない」
「建坪率等の関係から仮設教室を建てることが非常に難しい」
「転用や改築による教室確保は物理的に不可能である」
「よって、校区変更はやむを得ない」
この一連の説明は、9月定例会での所管事務報告でもなされたものであり、私も、当初、これを信じて、この立場においてこの問題を理解しようとしておりました。
しかし、調査をするに順って、この教育委員会の説明に対して疑問を持たざるをえなくなってまいりました。
ほんとう校区変更しか手段はないのでしょうか。
校区変更以外の課題解決策の検討
表1をご覧ください。

教育委員会の推計によると、平成19年度現在、大社小学校の全校生徒数は701名で22クラスですが、現在のゼロ歳児が新入生として入学する平成25年度には全校生徒数が906名で28クラスになってしまう、とのことです。
また、大社小学校には現在普通教室が22教室ですが、さらに教室転用が可能なスペースは4教室分しかなく、しかも第2音楽室や多目的室を確保することを考えて、教育委員会は物理的に受入可能な通常学級数は24学級程度と考えております。
よって、校区変更しかない、というのが、教育委員会のロジックです。
それでは、同じデータをベースに、他の可能性がほんとうにないのか、探っていこうと思います。
まずは、さらなる改築の可能性についてです。大社小学校の図面をご覧ください。




教育委員会の説明では、さらに教室転用可能なスペースは4教室分ということでしたが、1階の食堂のスペースに2教室分、図工室の部分に2教室分、図書室の部分に3教室分の合計7教室分、普通教室に転用可能なスペースがあります。
これら、食堂や図工室や図書室は体育館の地下部分にあたる「雨天体操場」とされているスペースに移設が可能です。
この雨天体操場のスペースの上には幅が約400mmの梁があり、それくらいの厚さの防音材を入れれば、体育館の下でも問題なく使用できると考えられます。
確かに、改装工事は必要になりますが、この方法を使えば31クラスまで対応することが可能であると言えます。
このように、教育委員会が重ねてきた「物理的に」教室転用は不可能という説明は不正確だといわざるをえません。
次に、風致地区であるとか建坪率であるとかのくだりに関してです。
確かにこの大社小学校は風致地区に立地しておりますが、公共的な建物に関しては、都市計画法第41条第2項にある「建築物等の特例許可」が可能です。
これは、高さや建坪率に関する制限を、個別に県の景観形成審議会で審査することによって緩和するもので、関西学院の校舎などがこの事例に当てはまるものであり、今回の大社小学校のように「敷地が狭い上に教室不足」という条件であれば、審議会にかければじゅうぶん特例許可が下りると考えられます。
さらには、この狭い校地に関する話題では、周辺の土地を買い取ることも場合によっては可能です。
いずれにせよ、工事や多額の投資が必要になる可能性はありますが、教育委員会が重ねてきた「風致地区なので仮設教室を建てられない」という説明は不正確だといわざるをえません。

これは、仮に、今後、現在小学校1年生から3年生まで、来年より新たに4年生で採用されることが予想される35人学級をやめて、40人学級で対応した場合のクラス数です。
こうすることによって、学級数の増加を少しは押さえることができます。
「大社小学校の低学年の教育の品質を下げるわけにはいかない」というのであれば、市費で教員を加配するという方法もあるはずです。
これを可能にするためにはいろいろな課題をクリアする必要があるとは思いますが、絶対に不可能な方法ではないと考えられます。
このように、校区変更以外にも、教室不足に対応するための方法は、素人の私が調査しただけでもいくつかあります。
これらあらゆる可能性を精査し、教育委員会以外も含めたあらゆる庁内の部局が智慧を結集して議論し、その結果を住民に報告した上での「校区変更」という結論だったのか、大変疑問が残ります。
唐突に校区変更を告げられた住民は、「それ以外にほんとうに方法がないのか」ということはききたい内容であり、それに対する説明責任を果たせているとは到底言えないのです。
教育委員会の拙速な進行・対応の遅れ
次に、この問題提起から校区変更予定までの議論の拙速さに関してお話させていただきます。
先に述べましたように、今年の5月に降ってわいたようにこの議論はおこりました。
ここから懇話会で対策を議論した結論として、校区変更以外は適切な対応策が見つからなかったということでした。
しかし、この議論の中には、実際にその後、校区変更の対象とされる町の父母は入っておりませんでした。言わば欠席裁判とも言えるこの議論を経て、彼らには突如8月になって校区変更の話が告げられ、何回かの説明会でも住民に納得のいく説明はされないまま、12月2日をもって教育委員会の方から一方的な説明会の終了が告げられることになりました。
なぜ、もっと充分な議論をしないのでしょうか。
説明会では、大社小学校校長は「校区変更をした場合の平成25年の児童数と推計される778人ならいまの大社小学校で受け入れることができる」と断言しています。

改めて上記の表を見ていただければ、平成20年度の児童数は734名、平成21年度は751名であり、まだその時点では大社小学校への児童受入れは可能であるということになります。
それであれば、何も平成20年4月からの校区変更に拘らず、少なくともあと1年はかけて充分な議論ができるはずなのです。
一方、振り返って、なぜ今年の5月になるまで問題提起がなされなかったのか、ということも問題といえるでしょう。
上の表によれば、大社小学校区へのマンション建設ラッシュが始まったのは平成12年です。
そして、「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」、つまりは受入困難要項を適用したのは5年も経った平成17年の4月1日です。
対応が遅かったと言えるでしょう。
明らかに後追い行政であり、しかも初動が5年も遅れていると言えます。
要項適用の段階ですでにこのような教室不足はじゅうぶんに予想できていたはずであるため、すぐにでも問題提起や対策の研究ができたはずなのです。
にもかからず、問題提起がなされたのは、本年平成19年の5月でした。
このように、問題提起が遅れてしまっているにもかからず、平成20年の4月から校区変更をしようというのは、あまりにやりかたが強引かつ拙速だといえます。
それでは、庁内の知恵を絞る議論や、住民の納得が得られる説明がなされるわけもありません。
質問:議論と説明の不足、対応の遅れを糺す。
以上のようにこの「大社小学校の教室不足を解決するための校区変更」という対応には、ふたつの大きな問題点があります。
ひとつは、校区変更以外の解決策に関する議論が不十分であること。
もうひとつは、庁内の議論や住民への説明のための時間が短かすぎることです。
以上のような問題意識から6点の質問をします。
先ず1点。先に述べましたように、校区というものは、ひとり教育委員会における児童の通う地区の区割りというものに限らず、地域福祉の観点などからも極めて重要な問題であり、また、だからこそ、この問題の解決には全庁の智慧を絞った議論が必要なはずです。今回教育委員会は、一部の町を校区変更することによって問題を解決しようとしていますが、その判断は部局横断の全庁的な議論をしてきたことによる結論なのか。
また、現在そのような議論をしているのか。お答えください。
次に2点め。
最後に申し上げたように、大社小学校区のマンション急増は平成12年から顕著になっています。一方、対策としての「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」の適用は平成17年4月1日になるまで待たねばなりませんでした。
この開発抑制策が手遅れだったという反省はないのか。お答えください。
次に3点め。
今回の問題の解決策に関する地域への問題提起が平成19年5月にまで遅れたのはなぜか、また校区変更を平成20年4月にしようと急ぐ理由は何か、お答えください。
先に述べたように、校区変更という解決策をとる理由を「物理的に教室転用が不可能である」とか「風致地区なので仮設校舎などの対策は不可能である」などと、保護者に対しての情報提供や議会への所管事務報告の内容には不正確なものも含まれており、改めてじゅうぶんな時間を取って議論をするべきだと考えるがいかがか、お答えください。
次に4点め。大社小学校区の「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱」の期限が迫っていますが、これからこの地区の開発抑制に関してどのような手段をとるつもりなのか。お答えください。
そして、ここからは、他に同様の問題を抱えている校区に関して、ひとつ、開発抑制などの対策はどのようにとるおつもりなのか、ふたつ、教育委員会のみならずあらゆる部局の視点から地域の実情を議論するプロジェクトが必要だと考えますが、どうお考えか、多岐に亘りますが、それぞれお答えください。
答弁:教育委員会は、ちょっと、だいじょうぶか…?
現在、市内には7つの小学校に28教室分の仮設教室が設置されています。また、来年度の教室不足は更に深刻化し、これまでの分を含めて小学校だけでも12校に54の仮設教室となります。教育委員会としては、今回の校区変更がこのような仮設対応やワークスペース等の教室転用、そして校舎の増改築等でも対応できない場合の最終的な措置であると認識しています。
1点目の今回の校区変更という判断が、部局横断的な全庁的議論に基づいた結論なのか、また、現在もそのような協議がなされているのかというご質問にお答えします。
大社小学校は現在でも児童1人当たりの運動場面積が市内で最も狭い状態であり、校舎内においては、教室不足に対応するために、やむなくワークスペースの一角を間仕切りし、普通教室を7教室分確保してきましたが、この方法による教室確保にも限界があり、望ましい教育環境とは言いがたい状態にあり、今後の推計から校区変更も止むを得ないと考え、これまでの関係部局との協議をふまえ、教育委員会として校区変更の実施を判断いたしました。
しかし、児童の急増を抑制するために平成17年4月から実施している「教育環境保全のための住宅開発抑制に関する指導要綱(以下、「指導要綱」)の策定に関しては都市局などと協議を行い、その後の指導要綱改正に際しては、総合企画局、都市局も含めた都市問題調査委員会を立ち上げ、検討をすすめてまいりました。その中で、市全体の教室不足の現状と分析を行い、仮設教室の設置や校舎の増改築の必要性、35人学級の意義、そして校区調整のことなどを協議し、望ましい開発抑制の在り方などについて検討して参りました。
また、現在もそのような協議がなされているのかというご質問ですが、校区変更に伴う通学路の安全確保の観点からは、土木局や財政当局と協議を続け、地域のコミュニティや子どもたちの活動及びその支援体制がどのようになるのかについては、教育委員会のスポーツ振興課や青少年育成グループのみならず、関係する市民活動支援課や長寿福祉グループなどとも連携しながら対応にあたっています。
2点目の、教育環境保全のための住宅開発抑制策が遅すぎたとのご質問にお答えします。
震災以降の大規模集合住宅等の建設により、平成16年度児童学級数推計において、教室不足の兆候が具体化してきたため、指導要綱策定について関係部局と協議し、平成17年4月1日から施行いたしました。大社小学校区においては10戸以上の住宅開発を3年間にわたり抑制する「受入困難地区」に指定し、開発事業者の皆様へ現在及び今後の児童数、学級数の推計と学校施設の現状を説明の上、協力を要請し、現在のところ開発事業者等の協力をいただいているところでございます。
指導要綱制定当初は、一時的にワークスペースを教室に転用することで、児童数のピーク時への対応は可能と判断いたしました。しかしながら、指導要綱施行前に開発されたマンションや小規模住宅への転居・転入に伴う出生率などの予測は難しく、加えて、35人学級の導入などがあり、結果として対応策が遅れたとのご指摘については真摯に受け止めております。また、校区変更の対象となった地域住民の皆様には、及ぼす影響などに鑑み、大変申し訳なく思っております。
3点目の、地域への問題提起が遅れた理由、校区変更を急ぐ理由、そして十分な時間を取って議論すべきではないかとの質問にお答えします。
児童生徒数を推計している資料の1つに、校区別・町別人口世帯統計と各学校の在籍者数があります。校区変更を検討せざるを得ない状況であると考えたのは、そのデータを更新した本年5月の段階です。それまでにも同校区の状況は注視してまいりましたが、1歳児の人数が確定した時点で、地域の諸団体役員や大社小学校のPTA役員が参加されている大社越水会に問題提起し、課題解決のための協議をして頂きました。そこでのご意見や、教育委員会が校区変更案を決定するまでに頂いた住民の皆様からの「性急過ぎる」、「周知期間が必要である」とのご意見も参考にし、平成20年4月に入学される児童については、保護者の希望により大社小学校への就学を認めるなどの経過措置を講じています。
保護者や議会への情報提供に不正確なものが含まれているとのご指摘もありましたが、地域への説明会で、具体的な安全対策やその手順などについて、現段階では明確な説明ができない内容もあり、納得を得られなかった方々もおられました。
教育委員会としては、校区変更の規則改正が遅れますと、大社小学校の教育環境が更に悪化することになり、早急な対応が必要であると考えています。すなわち、平成20年4月1日から校区変更を実施し、転入生の受け入れを極力抑え、更なる校区変更を実施することがないよう、また、必要な安全対策に取り組むためにも、速やかに規則改正を行いたいと考えています。
さらに、指導要綱による抑制効果は認められるものの、校区変更を実施しても、大社小学校区を「受入困難地区」から解除できる段階ではないと考えており、共同住宅の開発中止や延期に協力して頂いている方々の理解を求めるためにも、必要な措置であると考えております。
4点目の、大社小学校区に適用している「受入困難地区」指定期限(平成20年3月末)以降の、同地区における開発抑制に関してのご質問にお答えします。
大社小学校区については、平成17年4月以降「受入困難地区」に指定し、現在及び今後の児童数、通常学級数の推計と学校施設の現状を公表し、開発事業者の皆様に3年間の期限を設けてご協力をいただいてきたとろです。しかしながら、大社小学校の教育環境を保全するためには、校区変更の実施とあわせて平成20年4月以降も引き続き「受入困難地区」として新たな住宅開発を抑制する必要があり、開発事業者の皆様にご理解とご協力をいただきながら、指導要綱を改正してまいりたいと考えております。なお、本件に関しては、本議会の市民文教常任委員会で所管事務報告させて頂き、適切に対応させて頂きます。
5点目の、他の校区に関して、開発抑制対策をどのようにしていくのかとの質問にお答えします。
マンションなどの住宅開発の抑制にあたりましては、土地利用規制として本来、用途地域などの都市計画で行なうものとなっておりますが、用途や容積率を制限することは、多くの既存不適格建築物が発生することとなるため、きわめて困難であると考えており、教室不足を原因とする特定の区域を対象とした開発抑制につきましては、都市局の協力を得ながら行政指導の範疇として事業者の皆さまにご協力をお願いしているものです。平成18年10月に指導要綱を改正し、新たに「準受入困難地区」を導入し指導の強化も行っております。今後も指導要綱の指定地区や、住宅開発の適用範囲などについて関係部局と協議を行い、適切な見直し等を図ってまいりたいと考えております。
6点目の、全庁的に議論するプロジェクトの必要性についてのご質問にお答えします。
今後とも、児童生徒数の急増に対して可能な限り早期に対応するとともに、教育環境をより良くしていく観点からも、関係部局との情報交換を頻繁に行い、必要に応じてプロジェクトチームなどを立ち上げ、どのような対応が可能なのか、積極的に協議・検討を行ってまいりたいと考えております。
意見 1)教育委員会の答弁は、全庁を代表したものとは言いがたい。
まず一点目、全庁的な議論を経た結論なのか、という質問に対しては、「関係部局との協議を踏まえ、教育委員会として校区変更の実施を判断した」
とお答えになりましたけど、ほんとうにこれでいいんですかねぇ?
私が申し上げたような、校舎改築やら風致地区の話やら、都市局と協議する中で出なかったんですかね?
地域住民との説明会で、校区変更した場合の通学路の安全対策について、地域住民が納得できる説明が全くできていませんが、土木局や防災安全局と協議しておいてなぜこんなことが説明できないんですかね?
どう考えても十分な協議がなされているとは思えません。
私は議会での答弁は教育次長の答弁とは聞いていませんよ。当然、西宮全庁の公式見解として聞いています。答弁の中で、
総合企画局・都市局も含めた都市問題調査委員会で仮設教室の設置や増改築の必要性も協議してきたとありましたよね?
この答弁、都市局長としていいんですかね?私でも考えられる増改築の話を都市局がスルーしたということになるわけですよ。
このようにね、そもそも、この答弁自体が全庁的な議論による結果とは考えられないんですよ。つまり、この重要な問題を、
市当局は教育委員会ひとりに押し付けている格好になっていると思っています。それではさすがに教育委員会も荷が重い。かなり他部局にまでまたがる議論や智慧が必要になってきますから。もっと、全庁が当事者意識を持ってこの問題に対して取り組むべきです。その上で、地域にきちんと説明をするべきです。
三点めの、問題提起が本年5月までずれ込んだ理由、校区変更を来年4月に急ぐ理由、それが性急ではないか、という質問への答弁に対してです。
「校区変更を検討せざるを得ないと考えたのは、校区別・町別人口世帯統計のデータを更新した本年5月の段階だ」と答弁ありました。
要は、実際に大社小学校区に生まれた子供の数が大社小学校に入らない数になってやっと「検討をせざるを得ない」と考えた、ということです。
これは驚くべき鈍感さを自ら吐露する恥ずべき答弁です。
大社小学校区の開発事業一覧というデータは、都市局に私が依頼したデータです。私が独自に調査したとかではなく、庁内にあった情報です。これを見れば、平成15年位には「校区変更を検討せざるを得ない」という考えができて当然です。じゅうぶん可能性としてはこの時点で考えられたわけです。
百歩譲っても、平成17年4月の開発抑制の要項を適用した時点で、じゅうぶん「校区変更を検討せざるを得ない」と考えるべきでしょう。
こんな大事な問題を推測するデータとして、人口統計による実際の子供の出生数だけというのは明らかに稚拙です。
しかも、平成17年4月に要項適用をして以来、やったことといえば、改修によって普通教室転用をしたことくらいで、校区変更の可能性についての検討や地域との議論を始めるわけでもなく、校区変更以外の手段についての研究を始めるわけでもありませんでした。
開発戸数を調べれば、人口の増加は予想できます。開発の戸数は校区内の空地の状況や空地になりうる土地の状況を調査すれば予想できます。
今年の6月には総合企画局から今後の人口推計のデータも出ています。そのデータを元にした今後の行政需要の推測もできるはずです。実際、私は現在それを研究していまして、市民局にこの人口推計に基づいた今後の医療給付の推計を依頼しましたし、健康福祉局には介護保険や生活保護などの推計を依頼しました。それぞれ、どうすれば推計できるのかというところから頭を使って仮説を立てて、ゼロから推計を出していただきました。
同様に、学校や幼稚園に関する行政需要の推計を教育委員会に依頼しましたが、答えは「推計はできません」でした。はっきりいってこの返答は想像もしていなかったものでした。「そういう推計はやっておりませんので」といわれました。
市民局だって健康福祉局だってこんな推計はやったことはなかったはずです。はじめてやっていただきました。教育委員会を相手をするのはあまりに馬鹿らしくなったので、自分で他の局などにも協力してもらいながら推計を出してみました。要は、教育委員会は状況を把握して判断するという能力がありません、といっているような態度を取りますね、ということです。
「校区変更を検討せざるを得ない」というのは不正確で、校区変更を検討するどころか、検討もナシに決定しようとしている、というのが実情じゃないですか。検討するというなら、検討するための時間が必要なはずでしょう。
明らかに、教育委員会は、どのタイミングで誰に対してどんなアクションをとるのかという判断と、これから先にどういう対応がオプションとして考えうるのかというイメージングが稚拙であり、今年5月になってやっとの問題提起、しかも、実際に当事者となる町の保護者も入っていないところで議論を重ねたことなど、ふつうの大人の仕事のしかたとして稚拙だといわざるを得ません。
また、来年4月の校区変更にこだわる理由として3つ挙げておられました。
1つに、転入生の受入を抑えて更なる校区変更を起こさないため、
2つに、必要な安全対策に取り組むため、
3つに、開発抑制を続行するため、とありました。
だいじょうぶですか?3つとも驚くべき欠陥のあるロジックだといわざるを得ません。
まず1の「転入生の受入を抑えて更なる校区変更を起こさないため」に関してですが、そういうなら教育委員会は、今後どれくらいの転入生があると推計していますか?絶対にしていませんよねぇ。これも、校区内の空家の数とその価格帯、開発の可能性のある農地や空地の分析によって推計することは可能なはずですが、していませんよねぇ?この理由一つとっても、まったく分析不足の無責任な理由といわざるを得ません。きちんと推計すれば、逆に、もっと多くの町を校区変更しなければ対応できないかもしれない可能性だってあるんですよ。
2つめの安全対策と3つめの開発抑制のため、という理由に至っては、よくもそんな理由をあげますねぇとしか言いようがありません。防災安全局は、校区変更が決定しない限り、必要な安全対策をとらないんですかねぇ?都市局は校区変更が決定されない限り開発抑制に関する取り組みは放棄されるんですかねぇ?こんな答弁をしているから、この議論が全庁的に智慧を絞った結果ではないといっているんです。
意見 2)早急に全庁的な議論を開始し、住民への説明会を再開するべきだ。
答弁の最後に、関係部局との情報交換を頻繁に行うといっていましたが、そんなに結論を急いているんだったら、今回の大社小学校区の件に関して、議会が終わってすぐにでも、河野副市長あたりを中心に関係部局との情報交換をしてください。その場できっちりと議論を詰めて、地域住民と議会に対して改めて説明をして下さい。
2点目の答弁で、対応が遅れたとの私的は真摯に受け止める、地域住民には大変申し訳なく思っております、とありました。私が反省はないのか、と問うたのは、謝罪を要求するという意味ではありません。真摯に反省しているのであれば、改めて、先程申し上げた通り、全庁の智慧を絞って議論を尽くすことと、地域に対して正確な情報をもって説明をすることをお願いします。
5点目の答弁で、開発抑制は、本来は用途地域などの都市計画で行うものだけどきわめて困難だ、とありました。そうなると、住民主導による地区計画の制定が必要なんですよ。そしてそのためには地域住民に対して正確な情報を出すことが大前提となってくるのです。
住民に対して、きちんと向き合って欲しいのです。中にはクレーマーのような人も増えていますが、はなからそれを恐れて逃げ腰になっていてはいけません。
正確な情報を出し、きちんと智慧を絞って議論をして下さい。その上でのエゴだと思えば、毅然とした態度を取るべきです。私だって、この質問を通じて、校区変更反対とは一度も言っていないはずです。私が要求しているのは、論理的な議論と明確な住民への説明なのです。
12月2日に、住民からの質問にも答えず、「説明会は今回が最後です。ご理解いただけないようでしたら仕方ありません」といって一方的に終了されていますよね。「ご理解いただけないのなら仕方ない」といえるほどきちんとロジックの立った説明をしてきたならいざ知らず、これでは強引といわれても仕方がありません。全く「申し訳なく思っている」という態度とはかけ離れたものです。もし、ほんとうにそう思っているのであれば、もういちどキチンとした説明ができる状態で、説明会を開いてください。
こんなザルみたいな穴だらけの理屈の通らない答弁にも関わらず再質問をしないのは、これ以上教育次長を詰めても仕方がないからです。教育長、教育委員会はもっと現場のことに想像力を働かせて欲しいし、教育委員会以外も含めた全庁も、もっと当事者意識を持って真剣に智慧を絞って議論をして欲しい。河野副市長も、このような重大な課題を教育委員会に丸投げしていてはいけませんよ。どうせ、平成20年の4月に入学される児童については経過措置を考えているわけだから、平成20年度は全員が大社小学校に入学する可能性も考えているわけですよね?だったら、そんなのぜんぜん校区変更でもなんでもないんですよ。なんだか、不用意に校区変更という言葉だけを先走らせているような気がするのです。ぜひ、市全体の課題として真剣に議論し、住民に対して、西宮市役所全体としての説明と議論をする場を要望して、質問を終わります。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆質問を終えて〜議会後すぐに、副市長を中心とする会議が開かれる
議会の質問を終えて、すぐに、河野副市長、白土教育次長、三田谷教育次長、森田都市局長、藤田総合企画局長の5者で議論があり、平成18年の10月に「準受入困難地区」を指定して以来停止状態だった(答弁ではここで大社小学校の問題も議論した、とありましたが…)都市問題調査委員会が再開されることになりました。ここで、大社小学校以外の校区に関しても、受入困難になっている、もしくは予想される地区に関して対策を協議することになります。
まだ、この時点では、教育委員会はH20年4月の校区変更を強行する態度を崩しておらず、12/19の教育委員会で校区変更の規則改正を強行しようとしておりました。
そのため、平成20年に校区変更をするのならば、校区変更以外に考えられる選択肢が無理であることと、平成20年にしなければいけないことのの論理的証明を住民に対してすることと、校区変更によって生じる課題(通学路の安全問題など)に対する対策が充分に取られていることが条件であるとして、19日の教育委員会での結論の延期と、地域に対する説明会の再開催を要請しました。
実際に議会で紹介した「校区変更に対する対案」など、私は素人ですから、対案にはなり得ない理由があるのかもしれません。それならそれで、きちんと私たちと住民に対して説明をしてほしいのです。
質問を終えて〜市民文教常任委員会で教育委員会の報告
改めて市民文教常任委員会で教育委員会からの説明がありました。
「物理的に無理」というロジックはもはや無理で、「よりよい教育環境のために」というロジックにすり替えられていました。ならば最初からそう地域に説明して理解を求めればよかったのに。
推計の仕方を見直すべきではないか、という意見に対しては「±10%の誤差なので見直す必要はない」と発言がありました。教育委員会の思考停止はまだ続く、ということです。
ただ、さすがに地域に対する説明会は年明けに、全庁的な議論の結果を報告するために行う、と確約しました。(ちなみに、この説明会は教育委員会だけで行うことなく、他部局のメンバーも同行するように、と要望しています。教育委員会だけでは信用できないので。)
また、これ以降の話は、diaryなどで報告を続けます。







