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今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2007年12月

外郭団体の見直しについて

1)外郭団体の状況はたいへんわかりにくい。

 本市ではご案内のとおり、都市整備公社、文化振興財団などの9法人に関して1次見直しを進めております。
 昨年9月に新日本監査法人による「外郭団体の経営評価と今後のあり方の検討業務」という調査報告を受け、本年7月には、総務常任委員会で「外郭団体の見直し方針」に関する所管事務報告を受けました。
 この一連の当局の見直しに関して、私は正確な判断や提案をさせていただけなかったという反省から、今回の質問をさせていただくことにしました。

 たとえば、ある団体に関する新日本監査法人の報告には、「地域福祉の有力な担い手としての実績があります」という記述があります。どういう意味で有力なのか、どんな実績があるのか、これではよくわかりません。
 こういった抽象的な表現が、一連の外郭団体見直しの議論を通じて多々見受けられ、正確な議論ができませんでした。より定量的・定性的な評価が必要なのです。

 定量的といっても、外郭団体の経営評価においては、財務面での評価だけでは不十分です。
 というのも、外郭団体は、もともと公益性が高く、採算の低い業務を実施する場合が多いため、財務状況が悪かったとして、 それが即ち非難されるべきこととは言い難い、というのがひとつの理由です。
 また、市からの補助金や低利貸付などの財政的支援を受けている場合が多く、財務状況が業績を即ち表しているとも限らない場合が多いというのが、二つ目の理由です。
 このようなことから、外郭団体の経営評価においては、行政評価と同じく、公益性や効率性についても評価を行う必要があります。新日本監査法人の調査報告書の言葉を借りれば、外郭団体に関しては「必要性が認識される事業について、公共性を維持しつつ、自治体が直接事業を行うよりも低いコストで事業運営を行いつつ、経営状況が良好であること」が期待されているということが言えます。

 行政事業の担い手は公的組織に限られず、民間事業者も含めた多様な選択肢の中から質とコストの面でもっとも優れている担い手が担当するべきですから、まずは、民間ではなくあえて外郭団体で事業をする意義、つまりは行政が責任を持つべき事業かどうかを明確にする必要があります。

 逆に、市の直営事業に関しては事務事業評価などによってPDCAサイクルを組み入れる動きが進んでいることから、外郭団体の実施する事業に関しては、コストの問題を含め、直営ではなくあえて外郭団体で事業をする意義を明確にする必要があります。
 外郭団体で事業をする限りは、行政の様々な規制や人事制度に縛られない機動性が確保されていることや、行政では対応できないような専門性を有していることが必要であり、もしそうでないのであれば、直営でしたほうがコントロールを利かせやすくなるからです。

 戦略的に行政が外郭団体を活用できているかという観点からは、市の所管部署との連携やモニタリングの状況を明確にする必要性があります。

2)外郭団体の評価/団体経営の評価と事業の評価

 以上のことを踏まえて、外郭団体に関して、二種類の経営評価がされるべきだと提案させていただきます。

 ひとつは、団体自身の経営状況に関する評価です。
 法人の概要、団体自体の経営方針と課題、事業の一覧、市職員がどれだけ入っているかを含めた役員や職員のメンバー構成、市の財政援助に関しての内容を含めた財務の状況、監査の実施状況などがその内容とされるべきものです。
 当然、これまで当局が9団体に関して実施してきた見直しで終わりというのではなく、こういった調査を何年かにいちど定期的に実施し、団体の存在意義を確認するということが必要です。

 一方で、団体の実施している各事業の評価です。こちらは、事業の目的や意図を含めた概要、事業費や従事職員の内訳、成果やコストなどの事業の点検などの、市当局で実施している事務事業評価に準拠した内容に加え、先ほど述べたような
「直営ですべき事業ではないか」
「民間がすべき事業ではないか」
「市の担当部局との連携やモニタリングがきちんと為されているか」
を評価する必要があります。
 これは、庁内の事務事業評価に準じて毎年のように評価する必要があります。

 これら一連の経営評価に関しては、団体独自の評価に加え、市の担当部局の評価も必要でしょう。その上で、会計士などによる外部評価もすれば、充分な評価体制だということができるでしょう。

以上のような議論を踏まえて質問させていただきます。

 先ず1点め。
 1次見直しをすませた9法人以外についての見直し等の進捗についてお答えください。

 次に2点め。
 1次見直しをすませた9法人に関して、これまで議論を展開したように、定期的なチェックが為される体制を作ることにより、業務改善につなげていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

 次に3点目。
 以前の私の質問に対するご答弁でも、今後、外郭団体までをも含めた連結会計の可能性についての言及もいただいております。外郭団体を評価したり、統廃合などを検討したり、連結会計を導入したりするためには、それぞれの団体の情報公開に関して一定の共通した方針が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
以上3点の質問にお答えください。

 

答弁:

 1番目の外郭団体の見直しについてのご質問のうち、一点目の第1次見直しを済ませた9法人以外の団体の見直し状況について、お答えいたします。
 本市におきましては、資本金等への出資比率が50%以上の団体(地方自治法の規定に基づき市議会に経営状況を報告する団体)、25%以上50%未満の団体のうち、本市が筆頭出資者で主体的な責務を担う団体(監査対象の団体)、このほか、本市と人的、資金的及び業務内容において強い関連性を持ち、本市が主体的に指導、調整を行う必要のある団体と3つの基準を設け、いずれかに該当すれば本市が関与すべき団体として外郭団体としているところです。
 市本体においては、「西宮市行政経営改革基本計画」「第3次西宮市行財政改善実施計画」を策定し、行政運営の仕組み改革や事務事業の見直しを行っていますが、外郭団体においても、同様に実施している事業の必要性や担い手のあり方、団体のあり方について見直す必要があることや、平成20年12月までに関連法が施行される公益法人制度改革や現在、外郭団体が指定管理者となっている施設の多くで平成20年4月以降の指定管理者の選定が実施されることもあり、外郭団体の見直しを行うこととしました。
 そこで、まず、第1次見直しとして、非公募により指定管理者として、指定を受けている西宮市都市整備公社など6団体と団体統合などの可能性が考えられる3団体、合わせて9団体を対象といたしました。
 また、西宮市土地開発公社、株式会社鳴尾ウォーターワールド、西宮都市管理株式会社、西宮コミュニティ放送株式会社、財団法人西宮市職員自治振興会、財団法人西宮市大谷記念美術館、社団法人西宮市シルバー人材センター、西宮市職員生活協同組合の8団体を対象とする第2次見直しについては、第3セクターである株式会社や財団法人、社団法人など設立形態が異なり、また、市の関与度合いも第1次見直しの団体と比較すると弱い団体が多いものの、市の一定の関与が必要な団体であり、出資者等として経営改善などの指導を行うとともに今後の各団体への関与などについて一定の整理を行っていきたいと考えております。
 現在、コンサルティング会社に経営評価業務を委託実施しており、平成20年度中には、市の考え方を整理し、各団体の今後のあり方を検討してまいります。

 二点目の第1次見直しを終えた9団体について、事業の定期的なチェック体制が必要ではないかというご質問についてお答えいたします。
 第1次見直しにあたっては、外郭団体の本来の設立趣旨及び運営の基本に立ち返り、外郭団体の方向性について、事業の必要性、事業の担い手、団体のあり方の3つの視点で評価し、見直し方針を策定したものですが、今後も同じ視点を意識しながら団体の運営にあたっていくべきと考えています。
 具体的には、事業の必要性としては「市民ニーズの有無や市行政としての必要性の判断」の点から、「外郭団体が実施している事業の性質等についての評価」、事業の担い手としては「事業の効率性や市民サービスの最大化及びサービスの質の維持向上」の点から、「市が直接事業を実施したり、民間事業者等が実施するよりも優位性があるかどうかの評価」、団体のあり方については、「設立目的との適合性と団体の必要性」という点から、「市からの人的、財政的な依存をできる限りなくし、団体の自己責任による健全運営を行えているかについての評価」について、評価していく必要があると考えております。平成20年度には、外郭団体の実施している自主事業、委託事業の評価の仕方や市の事務事業評価との整合性、対象団体など課題を整理し、また、対象団体の協力を得ながら、評価の方法について検討してまいりたいと考えております。
 この評価を実施することにより、PDCAサイクルを機能させ、団体の業務改善、経営改善を図り、さらなる市民サービスの向上につなげていきたいと考えております。

 三点目の連結会計の導入や団体統廃合など外郭団体のあり方を検討するにあたり、各団体の財務状況を統一した項目において情報公開していく必要があるのではないかというご質問についてお答えします。
 現在、当市では、外郭団体全体を集約した形での情報公開を行っておらず、事務事業評価や監査委員の監査などで外郭団体の情報が開示されるにとどまっております。そのため、外郭団体の数や目的、事業内容、負債額などが一覧できない状況にあることや、地方公共団体に対して連結バランスシートの作成が要請されていることからも、当市が外郭団体と位置づけている団体の概要や財務状況について、当該団体の協力を得ながら、平成19年度決算分からを目途に、ホームページ等で情報公開を行ってまいりたいと考えております。かいぎょう  合わせて、市が一定以上の出資等を行っている外郭団体に対しては団体のホームページ等でも団体概要、決算報告書等の情報を公開するように要請してまいりたいと考えております。

要望:評価や情報公開は当然として、その先にある…

 まずは、このご答弁いただいた取り組みから、着実に始めていただきたいと思います。
 ただ、やや外郭団体に対しては「あくまで外部の団体だからどれほどこちらから無理を言っていいのだろうか」的な遠慮があるように思いました。
 団体の性格にもよるでしょうが、市の金が入っている団体であれば、その経営に関して市が口を出すのは当然だと思っていますので、遠慮なくやっていただきたいと思います。

 ただ改めて申し上げたいのは、PDCAサイクルの「C」、つまり評価というものは一定のシステムで可能だとは思いますが、それを踏まえた業務改善や見直しという「A」のフェイズは、完全に当事者の意志の問題だということです。
 「A」につながらない「C」は何も意味を為しません。今回提案させていただいた、評価体制の構築や情報公開などはそれとして、評価や公開された情報をもとに、当局が思い切った業務改善や見直しをしていただくよう、要望いたします。

  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆  ◆

 西宮市役所は以前から考えれば、たいへん行政評価なんかに関しては進んできています。
 そして、いろいろな仕組みもできてきています。
 決算も今年から9月になりました。
 でも、その「評価」を「業務改善」につなげる動きはとても鈍い…。
 この質問に先立つ前説でも言ったんですが、結局、評価の結果を活かすかどうかは、市長の政治判断です。残念ながら…。
 今後に期待しています。

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