■profile
今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2007年3月

代表質問〜前説

 蒼志会を代表いたしまして、通告に従い、平成19年度西宮市行政方針並びに教育委員会行政方針に対する代表質問を行います。
 行政方針の「第3次行財政改善実施計画」に関するくだりの中で「ようやく明るい兆しが見えてきたとはいえ、今後も人口増による新たな行政需要が見込まれるなど、引き続き堅実な財政運営が求められている」と述べられてはいますが、冒頭には「本市の財政状況は、市民の皆さまのご理解とご協力の下、よう やく明るい兆しが見えて参りました」とあるなど、全体的には西宮市の状況を楽観するような印象の行政方針だという感じを受けました。
 しかし、財政の資料を見ても平成22年までは基金を取り崩さなければ赤字になるという見込みになっております。一般会計の支出を見ても、扶助費は261億7千万円と、昨年度より9億円、3.6%の増となっております。あとの質問でも述べますが、市立中央病院の不良債務は7億2千万円を見込んでおります。私には、財政も、到底明るい兆しが見えたなどとは思えません。「人口が47万人を超えた」ことを「まちに賑わいと活力が増した」とお話になられておりますが、それに応じた市民サービスを行政が充分に提供できているかということには疑問符がつきます。先ほど述べた扶助費の増加という問題、そして、子育て世帯の増加による待機児童の問題も、少なくなったとはいえ未だに解消されてはおらず、多くの学校園で莫大な税金を投入して児童急増対策のための増改築や仮設校舎の設置のための予算が組まれております。「人口が47万人を超えた」という現象を現在の西宮市役所が語るのであれば、「47万人に行政サービスを、質を落とすことなく提供しなければ」という緊張感が先に来るべきだと思います。また、西宮市は平成20年の中核市移行を目指しており、行政方針にもあったように、阪神間の広域行政でリーダーシップを発揮することも求められてゆくでしょう。すでにある課題の解決以外にも、人口増、社会情勢の変化、行政を取り巻く環境の変化などを考えれば、西宮市という組織は、いまこそ変革しなければならない局面を迎えております。これからの行政のあり方、西宮市のあり方を、もっと真剣に考えて欲しいという願いを込めて、代表質問をさせていただきます。


収入未済に対する対応

 行政方針の中の、第三次行財政改善実施計画の説明の折で、「各種滞納対策による財源確保に全力を挙げる」というくだりがありました。平成17年度決算ベースで、市税で66億6千万円、災害援護貸付金を中心とする健康福祉局にかかる民生貸付金収入で56億8千万円、国民健康保険料で52億9千万円、市営住宅等使用料で8億6千万円、中央病院診療報酬で6億9千万円など、一般会計、特別会計、水道事業会計、病院事業会計を合わせ て、199億2千万円にも上る膨大な収入未済額があります。新年度予算が2912億2千万円ですから、市の収入の6.8%、地方交付税の3倍以上にも上る金額です。また、収納率から見ても、国民健康保険料で69.4%、市営住宅等使用料で72.6%、健康福祉局にかかる民生貸付金収入でなんと10.1%など が金額が大きいものの中で目立って低い数字になっており、一般会計の収納率の平均も84.0%と、とても低いものになっています。どれだけ生活が苦しくてもまじめに払っている人もたくさんいます。そういう人たちは、このような現状はどう見るでしょうか。この件は、行財政改善という切り口だけではなく、公正な行政運営という観点からしても許されないものです。西宮市の会計は市民の貴重な財産であり、この収入未済額はその市民の 財産に対する罪だといえます。ここで質問いたします。順に市税、国民健康保険料、災害援護貸付金、収入市営住宅等使用料のそれぞれについて ア)収納のためにどのような取り組みをされ、どのような効果が上がっているのか。
イ)今後、現在の取り組みをより厳しくするつもりはないのか。
ウ)中でも、
市職員の滞納者に対して、特別の対応はとっているのか。
エ)当然、この取り組みについては、悪質な事案から対応しているのだと思うが、滞納が発生しないようにするためには、
滞納額が高額になる前の督促強化が必要だと思う。そのような取り組みは考えていないのか。
オ)最近の報道では、市営住宅の家賃を長期滞納し、退去を命じられた入居者が2月6日、窓口に刃物を持ち込み、銃刀法違反で逮捕されるという事件まで起こっている。このように、督促強化をおこなえば、滞納者とのトラブルなども増えると予想される。毅然とした態度をとることと同時に、庁舎に来られる市民や対応する職員の安全確保が特に重要な課題だと考えているが、どのような取り組みが為されているのか。


→答弁と要望・意見

 今回の代表質問のメインディッシュ。総論としては、収入未済に対する対応は、全庁的に進めていっているという感触でした。中でも、取り組みの際だっているのは納税グループ。40人のメンバーで年間12億回収しているということは、3000万/人ということ。どの部署より褒められるべき職場といっていいでしょう。一方で、こういう現場は、辛い職場でもあり、税金の重さをほんとうに理解できる職場でもあるから、できるだけ多くの人(特に若い職員)にローテーションで経験してもらうべきだ、と要望しました。


行政評価について

 行政方針の中でも、こう述べております。「自ら目標を設定し、事業を選択し、その成果を評価し、次の施策へと繋げていく必要がある」「そのため、行政評価システムや目標管理システムなどの定着をはかる」「評価の結果を検証し、事業・施策の展開や予算などの資源配分を行う際の意志決定に繋げる「行政マネジメントシステム」の構築に取り組む」と。
 2006年12月の決算審査では、全事業を対象にした事務事業評価が提出されて決算審査に活用されるなど、当局の取り組みに対しては、一定の評価をしているところでございます。
 しかし、「一定の」と申し上げたのは、制度の設計・構築に関しては、まずまずの進捗だと認めつつも、この制度の有効活用に関してはまだまだだといわざるを得ないと考えているからです。この制度ができたといっても、それだけでは行政運営に対してはなんの意味も為しません。これまでの一般質問などの提案の中で常々申し上げてきたように、行政評価の本来的な意味は、行政運営におけるPDCAサイクルの確立にあるからです。しかし、実際に昨年度の決算審査の際にも、事務事業評価をすることに対する各部局の温度差が如実に表れる格好となりました。また、訂正が何カ所も 出るというお粗末な結果でした。このような、評価シートから垣間見る温度差などをみていると、必ずしも、新年度の事業の設計に活かされたとは言えないと考えています。それでは、せっかく苦労して導入を図ってきた行政評価も、全く意味がありません。ここからは、全庁的に定着を図っていく必要がありますが、そのためにはこれまでの企画の答弁にあったような「研修を充実させます」ということでは不可能だと考えています。
 企画はこれまでにも充分にそういった努力をしてきていると思うからです。やはり、ほんとうに定着させるためには、現場がこの制度の意味を理解して行政評価が行政運営に本格的に活用されることが必要です。言い換えるならば、行政評価を活用しなければ行政運営できないような仕組みが必要だと考えています。先ほど申し上げた行政運営におけるPDCAサイクルの確立は、現在の行政全般において急務であり、行政方針でも「自ら目標を設定し、事業を選択し、その成果を評価し、次の施策へと繋げていく必要がある」と述べておられます。これには行政評価は必要不可欠のツールだからです。行政評価に対する取り組みが積極的でない部署は、おそらく、どのように活用されるべきなのか、という「意味」がわかっていないと思われます。「意味」がわかっていないから活用されていないのであり、活用されるイメージを現場がもっていないからです。これから定着させるためには予算や事業計画の設計に活かすような、システムの確立が必要だと考えております。行政評価を行えば、自動的に行政運営にPDCAサイクルが発生し、行政運営がよりよいものになるわけではありません。要は、事業を設計する人が、事業評価の結果をいかに活用するかどうか、です。
 ここで質問いたします。依然として行政評価を活用する意志の低い部局があることをどうお考えでしょうか。実際に事業評価が予算の編成や事業の設計に活かされるようになるのはいつからでしょうか。

→答弁と要望・意見
 平成20年度に行政評価システムと連携した新財務会計システム構築平成21年度予算編成から運用開始(決算数値のみあとから)、平成22年から完全に新システムでの行政運営スタートという計画を答弁してもらいました。
 平成20年度から行政評価と財務会計の連携をするということは、来年度の予算策定からは本格的にPDCAサイクルの導入が必要ということになります。もちろん、新年度に行われる「平成18年度事務事業評価」は精度が上がっていなくてはならないし、事業部署の局長たちはそのつもりで局内を指導していかなくてはならないということになります。これからはもう「企画が全庁を啓蒙するべきだ」といっている場合ではありません。試行実施からこれほど期間が過ぎてなお取り組みが甘いというのは、完全に現場の怠慢としかいいようがないです。


人事評価について

 平成18年度から、課長級以上の職員に対して人事評価が導入されました。「平成17年試行・平成18年検証・制度確立・平成19年制度運用」を 謳った当初の計画よりは遅れながらも、平成12年から提案してきた人事評価がようやく試行実施にこぎ着けたことは大いに評価できるものです。この制度は、行政評価とならんで、これからの行政経営のシステムにおいて非常に重要な要素となる制度だと考えております。
 このような意味で、昨年度の試行実施は大変重要な意味を持っています。そこで、現在の時点では完全に総括は終わっていないことは承知してはおりますが、早期に制度の定着を期待する意味で、質問をさせていただきます。
 まず1点目、「試行を受けて発見された課題はどのようなものか」、お答えください。
 次に2点目、「その課題の解決なども含めた今後の制度定着に向けてのスケジュール」をお聞かせください。
 平成16年2月に発表された行政経営改革基本計画によれば、人事評価の試行は平成17年度、平成18年度に検証と制度確立、平成19年度からは制度運用となっております。実際には平成18年度に施行されたわけですから、来年度は「検証と制度確立」、平成20年度から制度運用となるはずです。
 西宮市役所は、事務事業評価の導入に際して、最近、研究から施行実施、運用、というスキームを踏んできております。同様の課題も多いと思われるので、役所に学習能力があれば、行政評価よりはスムーズに運用までこぎ着けられるはずだと思っておりますが、どのようなスケジュールで制度運用までの計画を立てていらっしゃるのでしょうか、お答えください。
 そして3点目。先ほどの行政評価についてのところで述べましたように、このような新しい制度は、その制度自体に意味はなく、その制度を使って何を為そうとしているのかという目的が重要です。そうでなければ、現場にとってはただ作業が増えるだけで定着しないというのは、事務事業評価のところでお話ししたとおりです。
 それでは、当局は「人事評価という制度を今後の行政運営にどのように活かしていこうと考えているのか」をお答えください。以上3点についてお答えください。

→答弁と要望・意見
 これも、上記の行政評価と同じ問題を抱えている課題です。要は、人事部はこれを導入するために自らのすべきことにとりくんでいるのですが、全庁的には取り組みに温度差があるということです。ならば。「マジメに取り組まない人=低評価」にすればいいだけです。特に、今回試行実施したのは「課長級以上」であり、全庁的な取り組みに対して消極的な「課長級以上」はマネジャーとしての責務を果たしていないということになり、即ちそのまま人材としての評価は低いものになるはずだからです。  もう一つの問題点は、行政評価を担当する部署(総合企画局)と人事評価を担当する部署(総務局人事部)が異なっているため、行政評価と人事評価の連動があまりに少ないことです。これまた役所独特の縦割り、です。施策の哲学が近いわけだから、書く内容なども重複してくるはず。ならば簡潔に整理する必要があることを指摘しました。


外郭団体の見直しについて

 平成18年度には、行政経営改革基本計画と第3次行財政改善実施計画に基づき、外郭団体の見直しが行われました。財団法人都市整備公社、財団法人西宮市文化振興財団、財団法人西宮市国際交流協会、社会福祉法人西宮市社会福祉協議会、社会福祉法人西宮市社会福祉事業団、財団法人西宮市斎園サービス公社、財団法人西宮市スポーツセンター、財団法人西宮市学校給食会、財団法人西宮市水道サービス協会、以上の9団体に対して、新日本監査法人による調査が行われ、最近、その調査報告書を拝見させていただくことができました。
 その結果によると、団体のあり方自体に関しては、西宮市文化振興財団、西宮市斎園サービス公社、西宮市スポーツセンターは指定管理者として自立すべきだ、という意見が出され、西宮市社会福祉事業団は自立して存続するべきだ、という意見が出されています。
 また、各団体が所管している主な事業それぞれに対しても、公募型指定管理者制度の導入や、一般競争入札による委託の実施行政の関与をやめることなどの方向性が意見されている事業も多々あります。
 以上の報告は、あくまで委託を受けた外部の法人である「新日本監査法人」の視点からの意見です。当局からの説明によれば今年(2007年)の6月市議会に「監査法人報告書に対する市の考え方」を報告、その後9団体についての「(仮称)外郭団体見直しの取り組み方針」をとりまとめて報告がある、ということになっております。
 同様のスキームは、平成17年度の「補助金の見直し」でも行われたものです。補助金の見直しに関しては、平成17年11月に西宮市補助金事業評価委員会の報告書があがり、翌12月に市の考え方についての所管事務報告が行われ、翌平成18年1月に市の考え方に基づく削減額等について所管事務報告が為されました。結果、180種類ある補助金のうち、59種類の補助金が減額され、46種類が廃止されました。
 この折りに問題にしたのは、その存廃の判断基準や政策理念が明らかにされなかったことでした。西宮市補助金事業評価委員会の報告書によれば「廃止が望ましい」とされていたものであるにもかかわらず市の方針としてはそのまま存続になっていたりしていました。この基準が、我々からするとばらばらで、とても曖昧で、「廃止しやすいものから廃止した」ととられる虞れもあるようなものもありました。そこで蒼志会が市当局側に対して強く主張したことが、補助金の見直しに関する明確な判断基準や理念が必要だ、ということでした。
 実際に新日本監査法人が提出した94ページの調査報告書には、最初の21ページを割いて外郭団体に関する一般的な考察や、外郭団体のあり方に関する判断基準に関する提言などの総論が簡潔にまとめられております。
 ここで質問いたします。新年度の行政方針には「外郭団体について、その統廃合も視野に入れた見直しを行います」とあり、総合企画局からの報告によれば先述の通り、6月市議会で「市の考え方」が報告されることになっています。その際、この新日本監査法人の調査報告を当局がどうとらえて、どういう基準で「市の考え方」として発表されるおつもりか、外郭団体の見直しの判断基準や政策理念についてご説明ください。

→答弁と要望・意見
 判断基準に関してはややあやふやな答弁でした。6月議会以降で実際の報告を受ける際に厳しく指摘していく必要があります。


市立中央病院の経営健全化について

 平成18年度は、中央病院にとっては第2次経営健全化計画の初年度にあたり、今年からいよいよ経営健全化に向かってリスタートしたはずでした。しかし、本年度の事業実績は、決算は当然まだ出てはいませんが、当初の計画からはほど遠い達成状況が見込まれています。
 計画当初の見込みでは、18年度の不良債務の発生は2億7百万円で、本年度末不良債務残額は約6億円との計画でしたが、実際は、単年度で4億2千万円程度の不良債務が発生し、平成17年度末不良債務額約3億円を加え、約7億2千万円程度にのぼる見込みです。
 これを受けて、新年度予算では一般会計からの短期借入金8億円を含めると、一般会計からの繰入金および借入金の総額は16億6千万にものぼります。
 これは計画の初年度としては、大変深刻な実績といわざるを得ません。こういった状況をふまえると、 平成15年からの3年間で実施された前回の経営健全化計画と同じく失敗に終わるのではないかと、残念ながら予想せざるを得ません。
 ここで、質問いたします。
(ア)まずは新年度が2年目を迎える「第2次経営健全化計画」についてです。この計画は当初平成22年度での累積不良債務解消を目標としてスタートしています。しかし、初年度から約1億2千万円程度、計画より悪化する見込みで、さらに平成19年度も計画では、単年の不良債務の発生が何とか防げるという予定が、新年度予算を見ますと、なお約2億8千万円の単年度不良債務が発生することになり、これでは、19年度末は累積約10億円ということになってまいります。これをどのようにして解消するおつもりでしょうか。もしくは、計画の修正をお考えでしょうか。
(イ)「第2次経営健全化計画」の、事業実績以外の部分について質問いたします。平成18年度実施予定として挙げられていた項目のうち、以下の項目の達成状況についてお答えください。
「経営企画機能の充実」「評価制度の導入検討」「21人の職員減員」「特殊勤務手当の見直し」「中央材料室・手術室器具滅菌業務における業務委託委の推進」
また、平成19年度実施予定としてあげられている以下の項目のうち、早速目標の修正が必要となったものがあればそれについてお答えください。「平成18年度からスタートしているはずの経営企画機能の充実・評価制度の導入検討」「7人の職員減員」「看護補助業務における業務委託の推進」
(ウ)「第2次経営健全化計画」の達成が早速怪しくなってきたことにより、いよいよ重要になってくるのが、昨年12月議会で私の一般質問に対して答弁いただいた「中央病院の今後のあり方や方向性について調査・検討を行う、外部委員を交えた検討委員会」の議論です。
 この検討委員会の設置が計画に上がったことは大いに評価したいと思います。現在の中央病院の経営状況を鑑みれば、この委員会で議論すべきことは、各診療科の必要性・採算性・公共性の検証や、各事務・各経費の効率化・適正化の検証などのミクロな議論から、病院の運営形態や存廃問題などのマクロな議論まで非常に幅の広いものを期待しております。この検討委員会に関する予算は上がっておりますが、どのような分野のメンバーによって、どのようなスケジュールで、どのような案件を検討する予定になっているのか、をお答えください。

→答弁と要望・意見
 行政方針の中の市立中央病院に関して述べている部分に、本年度の事業実績が深刻な状況であったということが全く述べられていないのです。これは状況に対する市長の感覚が非常に鈍いということの表れであると思っています。いよいよ、実施計画にも上がっている「中央病院の今後のあり方や方向性について調査・検討を行う、外部委員を交えた検討委員会」に期待せざるをえない状況です。今後ともこの委員会の議論の進捗に期待し、中央病院の今後のあり方について意見していきたいので、委員会の議論の内容を議会に詳細かつ逐次報告されることを要望しました。


複数志願制度の導入について

 公立高等学校の入試選抜制度について質問いたします。
蒼志会は平成17年の12月定例会で、「西宮学区の公立高等学校入学試験において、総合選抜制度を改め、複数志願制度を早期に導入することを求める意見書」を提出し、可決されました。それを受けて、平成18年5月に「高校改革に伴う選抜制度改善検討会」が立ち上げられ、本年1月25日に、正式に西宮市教委は兵庫県教委に対して、西宮学区に新しい選抜制度を早期に導入することを要請しました。
 これまで、多くの中学生の学習意欲や努力の機会を奪い、学校を選択する自由までも奪ってきた総合選抜制度は、ようやく正式に廃止されることが決定しました。この制度改変によって、中学生はやっと自分で進学したい高等学校を選べるようになり、そのために努力する意味を得ることになりました。当然、このことによって、緊張感がないと批判され続けてきた西宮市の公立中学の教育が変わってくることが期待されます。文教住宅都市を謳いながらも、市民の満足を得られているとは到底いなかった西宮市の学校教育が変わる大きな転換点となりうるでしょう。このことについての市教委の取り組みについては評価させていただきたいと思います。
 それでは、ここでこの新しい選抜制度の導入についてお訊きします。
 一点目は、今後の見通しです。市教委は「早期に導入」することを要請したわけですが、現在、保護者の関心は、何年度から新しい制度になるのか、と いうことに集まっております。当然、導入が1年遅れれば、丸々1学年分の生徒たちが哀しい思いをするわけですから、1年でも早い導入が期待されています。決定は県教委になるとは思いますが、市教委は何年から新しい制度になると見通しているのか、お訊きします。
 二点目は、導入後の課題とそれに対する取り組みについてです。総合選抜制度を廃止することは、何も目的ではあり得ず、課題解決のための第一歩に過ぎません。複数志願制度を導入目的を達成するためには、いくつかの課題を解決することが必要です。
 ひとつは、高等学校の特色化をどのようにして進めていくのかという課題です。せっかく中学生が自分の意志で受験校を選べるといっても、高等学校のそれぞれに固有の魅力がなければその選択の意味が半減します。これまで特色化を避けるような総合選抜制度という制度のもとにあった市内の各高等学校がどのように特色化を進めていくべきかについて、市教委のできることをお答えください。
 二つめの課題は、受験の公正化のために内申点をどのように公正化するかという課題です。高等学校受験の合否が、試験一発で決まるのであれば、それがいちばん公正で理想的な選抜だとは思いますが、現実的には公立高等学校の受験では、中学校の内申点も反映されてくることになるでしょう。そうなれば、各中学で異なる基準でつけられる内申点を適正な評価にバランスするかということが必要になってきます。当然市内の中学校のそれぞれにもレベルの差は存在しているわけですから、レベルの高い中学校での成績とそうでない中学校の成績とは同列に較べられないでしょう。どのようにして内申点というものを適正な評価対象となりうるものにしていくのか、お答えください。
 その他、市教委が複数志願制度導入の目的を達成するために重要だと考えている課題とその解決のために努力すべきことを何と考えているか、お答えください。

→答弁と要望・意見
 あとは、ほとんどは県教委の決断を待つ状態になっているとは思います。しかし、必ず平成21年度から新制度に移行できるよう、県教委の動向をきちんと見守り、するべきことをするようにして下さい。(すでに正式に平成21年度から新制度に移行することが決定しております)  高校の特色化については、ちょっと苦しい答弁でした。制度が変わって早速に高校が特色化するわけではないのですが、「特色化していかなくてはいけない」という意識は重要でしょう。  内申点というのは、何気に高校入試制度においては大きな問題です。A中学でつけられる成績とB中学でつけられる成績を、どう公平に評価するか、ということです。レベルの低い中学での好成績が、必ずしもレベルの高い中学で同じように好成績とはならないわけで。ただ、答弁によれば、西宮は絶対評価の導入以来、詳細な絶対評価基準を設計したり、勉強会をしたりと、内申点の適正化にきちんと取り組んでいるようでした。  総合選抜制度の廃止は目的化してしまってはいけません。それは西宮市の公教育を生まれ変わらせる第一歩に過ぎません。新しい選抜制度になることをうけて、いよいよ学校や教師の質が問われます。それぞれの課題に対して、真摯に対応していただきたいと要望しました。


学校予算について

 学校運営経費の当初予算は、平成5年に13億7400万円だったものが年々減少し、平成12年度には始めて10億円を切り、新年度予算では7億4900万円になっています。この額は生徒一人あたり、小学校で14,740円、中学校で23,136円となっております。
 このように学校運営経費が年々減額されている一方で、教育行政へのニーズは多様化・高度化しています。西宮市が「文教都市」を謳うのであれば、それに恥じないサービスの提供が必要です。そのためには、学校配分予算と、現場の司令官である校長の裁量が充分に確保されている必要があります。学校に充分な予算と権限が確保されないまま、責任だけが増えていく現状は、学校の主体的で前向きな経営の姿勢を削ぐ原因となります。
 ここで質問いたします。学校運営経費の充分な確保と校長の予算裁量権の増大は、西宮市の教育の質を上げるための、最も効果的な資源配分だと考えて います。しかしながら、新年度、教育委員会の主要な事業などを見ていると、「こんなことに金を使うくらいなら学校に金を渡した方がどれだけ子どものためになるだろう」と思えるような事業がたくさんあります。限られた教育予算の中の使い方を考えるときに、学校運営経費と現場の予算裁量権の拡大いうものを教育委員会がどのように考えているのか、お答え願います。

→答弁と要望・意見
 教育委員会で企画しているいろいろな新しい取り組みもいいかもしれませんが、やはり、そんな金があったら基本的な学校教育に投資して欲しい、と言わざるを得ない事業ばかりなのです。教育委員会がやっている新しい事業は、ほんとうに現場が欲しているものなのかどうか、改めて現場の意見をしっかりと訊いて欲しいものです。
 また、「いつの時代にあっても、子どもたちは将来を担う宝だ」というのであれば、全庁的に予算配分を学校教育に回して欲しいのです。それこそが、経営者である市長の判断で為されるべきだと意見しました。

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