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今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2006年12月

2)学校現場の課題対応力を高めるためのタスク適正化について。


学校現場での課題の集約:1)学校経営・学校運営の課題

 最近の学校現場では、子どもの安全管理対策などが重要な課題になってきています。そればかりではなく、多様化する地域や保護者の要望への対応、求められる連携などの問題もあります。そういった運営上の課題だけではなく、学校評価や情報公開の事務などの内部管理上の事務的な課題も増えています。このようなことから、学校現場でそういった問題に対応するべき校長と教頭といった管理職のタスクは膨大なものとなっています。そんな中、管理職は、いっそう学校経営に集中することが期待されていると思います。また、昨今とりざたされることの多い、問題教員・不適格教員などの指導なども、彼らのタスクとなってきます。


学校現場での課題の集約:2)教育現場での課題

 いじめや不登校、児童の問題行動などの諸問題は、急激に増加しています。一方で、「総合的な学習の時間」のための準備など、教育内容上の課題も増えています。総合的な学習の時間は教科書を使った授業とは異なり、教科書のない中での授業立案というクリエイティビティが要求される授業であるばかりではなく、施設訪問や学校外の人との係わり合いが増えるため、折衝や打ち合わせも膨大なものになります。また、生徒の個性を重んじるという科目の特性上、授業中も細やかなサポートなどが重要になってきます。市内のある学校にご協力いただいた独自の調査によれば、全授業準備時間のうちの70%が総合的な学習の時間の準備に充てられておりました。
 一方では、総合的な学習の時間の準備によっておざなりになりがちな、国語や算数、英語や数学といった一般授業の充実も課題だといえます。西宮の公立学校に対する学習面での満足度が、到底高いといえない状況にあるのは、このような現状を省みれば、しかたのないことといえるかもしれません。
 そのうえでさらに、先ほど述べたような生徒指導上の課題の増加に対応するためには、教員が生徒に接する時間がもっと必要だといえるでしょう。このように、教育内容や子どものケアに割くべき時間も足りないような状況でありながら、小中学校には事務局機能がないため、教員が担当する事務や、作業も膨大なものです。朝7時半に出勤してから子どもがいる間は授業と子どもへの対応に追われ、授業が終わってからは事務作業に追われています。中学になればさらに、部活や生徒指導も担当することになります。このような状況では、学校が機械警備に入る19時半、20時半までに 仕事を終えることは非常に難しいのが現状です。
 このように、学校現場はほとんどタスクオーバーな状態で運営されており、新たな課題への機動的な対応が困難な状況にあります。もし、西宮市が財政的に余裕のある状態であれば、学校現場への増員が必要だとここで訴えるでしょう。しかし、そのような状況ではないので、現場の効率性と機動性を高めるために、工夫が必要だと思っています。


学校経営・学校運営上の課題解決のための提案:
教頭の機動性向上

 学校経営・学校運営上の課題に対応するのは、校長と教頭ですが、校長には渉外タスクが多いため、実質的な現場の司令塔は教頭になっております。そして、昨今の課題の増加によって、あらゆるタスクが教頭にのしかかってきております。学校の課題対応力を高めるためには、教頭の課題対応力を高める必要があります。
 そのために、まず一点目、副教頭の設置を提案します。学校現場は、管理職である校長と教頭以外はすべて教諭という「鍋蓋型の組織」になっているといわれています。複雑化する学校経営課題に教頭だけで対応するには限界があります。
そのため、一般教諭の中から副教頭を任命し、課題解決にあたってもらうべきだと考えます。たとえば、東京都では「主幹制度」が導入されております。東京都教育庁の資料によれば、教頭を補佐することを主な職責とする、とあります。まさしく、現状の学校現場に必要なポジションといえるでしょう。
 次に二点目、教頭の授業負担の軽減 を提案します。学校教育法第28条の4で、教頭の任務として、「教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる」とあります。この法律における「児童の教育をつかさどる」の部分ですが、これを根拠に教頭も授業をレギュラーで担当していると思われます。市内の学校では、個人差があるものの、教頭はおおむね週に4から8時間の授業を担当しているようです。それに加え、小学校ではほとんどすべての教員が担任をしているため、教員が休んだり出張したりすれば、その代打を教頭がすることになります。しかし、教頭の担当すべき「児童の教育」は授業をすることでしょうか。現に、教頭は担任としてクラスを担当するわけではないので、習字など、連続性のない授業の担当をしている場合がほとんどです。そのような授業を担当するくらいなら、問題教員や、新人教員のフォローやコーチなどをするべきではないでしょうか。それこそが、学校教育法に謳われている「必要に応じて児童の教育をつかさどる」ということであり、ベテラン教員である教頭に期待されるべきミッションではないでしょうか。
 次に三点目、校務分掌を簡略化するための研究を教育委員会で行い、全市共通パッケージを設計するべきではないか、ということを提案します。教頭は学校現場において、全体を鳥瞰しながら校務分掌をまとめていく職責にあります。しかしながら、学校の校務分掌は必要以上に細分化され、複雑化し、しかも、それがそれぞれの学校において異なっているという現状があります。そのため、校長も教頭も別の学校に赴任する際、その学校の校務に慣れるまでに時間がかかってしまい、非常に非効率的です。確かに、市内全校の校務分掌を厳格に同一化することは不可能かもしれませんし、そういう必要もないでしょう。しかし、ある程度シンプルに整理された校務分掌の基本パッケージを設計し、各学校がそのマイナーチューニングを行うことによって、校務分掌を簡略化するべきではないでしょうか。


教育現場での課題対応力を高めるための提案:
教諭のタスクの適正化

 先ほど申し上げたように、教諭はあと少しでも使える時間があるならば、教育内容の質の向上と子どものケアに時間を使うべきだと考えています。そのため、教諭を、できるだけ、事務や作業の負担から開放するべきです。そのために、明確に市費の学校事務職員の職務に教師アシスタント業務を含めるべきだと提案します。県費事務職員は、学校の予算管理という経理業務がありますが、市費事務職員は、業務が限定的であるときいています。また、能力の個人差が激しく、教師のアシスタントを頼める人材とそうでない人材がいると聞いています。頼んだらやってくれる人もいるけれど、そうじゃない人もいるということでは、わざわざ頼むのもストレスだということで、現実的には使われないでしょう。彼らの人件費は学校運営経費のうちの多くを占めているにもかかわらず、です。教師の事務負担を減らすためには、申し上げたように、市費負担事務職員の職務に明確に教師アシスタント業務を含めるべきだと提案させていただきます。
 以上、教頭と教師の課題対応力を高めるための提案について、教育委員会のご意見をお聞かせください。


→当局の答弁は、すべてに関して概ね前向きな答弁。
 しかし、やはり教育委員会の仕事は及び腰。教育委員会には教員もたくさんスタッフとして働いているにもかかわらず。たとえば「校務分掌のパッケージは作って学校に提案済」という答弁もありました。提案の副教頭に近い「主観制度」の導入も検討しているそうです。でも、結局、学校では使っていないところもあったりするのです。もっと教育委員会は学校を守るために、真に効果のある施策を設計し、確実に成果につながるように活動して欲しいものです。
 今回の質問を設計するにあたって、実際に市内の小中学校にご協力いただいて、「校長」「教頭」「教諭」が一週間どんなスケジュールでお仕事をなさっているかという詳細なアンケートをとらせていただき、ヒアリングの時間もお取りいただきました。
 それで明らかになったのは、
とにかく「熱心な教師に大変な負担がかかっている」という事実でした。やはり、報酬に連動する教師の人事評価をして、学校現場に能力主義を導入し、不適格教員を一掃しないと、現場の状況は変わらないと訴えました。
 根底には、
教職員組合からの圧力、市費職員の組合からの圧力が、現場での施策をゆがめているという問題があると感じました。教職員組合の「教育労働者としての教員は平等であるべきだ」という圧力が、校長や教頭の機動力を削ぎ、熱心な教員への負担を増やしています。教育委員会には、大局を見ない彼らの圧力に屈することなく、学校現場での課題解決に当たってほしいと要望しました。
 そして最後に、何でもかんでも、学校と教師のせいにして押し付ける社会風潮と、それで調子に乗っている一部の保護者のエゴからも守ってあげてほしいと要望しました。

 教育委員会は、前向きに取り組もうとする学校と教師をサポートするために存在してほしいということです。


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