■profile
今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

Copyright © 2005 XDL, All Rights Reserved.

2006年12月

1)第2次経営健全化計画後の、西宮市立中央病院のあり方について。


全国自治体病院協議会からの警告
〜3カ年経営改善化計画の失敗〜第二次経営健全化計画へ

 現在、西宮市立中央病院は赤字体質を改善するため、第2次経営健全化計画に取り組んでおります。
 中央病院は、平成14年に全国自治体病院協議会による経営診断を受け、
 「病院を存続させるためには、相当な痛みを前提とした思い切った経営改善策、累積欠損金解消計画を断行する以外にない」という提言を受けております。
 そして、平成15年から17年までの3年間、不良債務の解消を目標にした3ヵ年経営改善化計画を実施しました。
 この計画では、支出面では一定の削減効果をあげたものの、収益面では一部診療科の休診や患者数の減少による収入減を回復できなかったため、不良債務は解消されませんでした。
 そして、平成17年、院内に「西宮市立中央病院将来計画検討委員会」を設置し、西宮市立中央病院将来計画案をまとめ、現在は第二次経営健全化計画に取り組んでおります。
 これまでなんども委員会などでも申し上げてきたとおり、この計画は必ず達成されなければなりません。2度の失敗は許されないからです。
 しかし、今回の質問では、この計画の進捗については触れません。今の時点では、
この計画の進捗を見守ろうと思っております。今回取り上げたいのは、この計画のさらに先の話です。


試算約100億
〜「建て替え問題」という課題

 この第2次経営健全化計画ですが、この目標を達成すればOKというわけではありません。それは、中央病院には「病院の建て替え」という大きな問題が残っているからです。
 現在の病院は昭和50年に建てられ、老朽化が進んでおります。また、通路の幅など、
現在の基準に合っていない状態になっております。なので、遠くない将来に、この病院を建て替える必要が出てきております。
 もし、現在の294床と同じ規模の病院を建てると仮定すると、建て替えに必要な建設費は、約100億円と試算されます。
 佐賀県立病院の移転に関する資料によると、1床あたりの建設費は約4000万と算出しております。こちらで独自に近年の病院の建設費を分析しましても、約400床の小樽新市立病院の場合は1床あたり約3000万円、約500床の新豊岡市立病院の場合は1床あたり約3500万円、約300床の浦安市川市民病院の場合は1床あたり約4400万円、いずれも構想段階ですが、同規模の病院の場合、1床あたり約4000万といえるでしょう。
 西宮市立中央病院の場合で試算すると、先述のとおり、約100億円になります。
 さて、この第2次経営健全化計画が5年をかけてきちんと成功したとしても、
財政的な余裕が生まれるというわけではありません。となれば、同規模の病院を建てるのは、起債によるとはいえ、半分は国の地方交付税措置があるとはいえ、無理でしょう。そうなれば、病院の規模についても検討しなおす必要があります。
 つまり、建て替え問題に関して、第二次経営健全化計画終了後に今後の病院のあり方を 考えているのでは遅いということです。経営健全化計画と同時並行で、その後のプランの設計の準備を始めるべきです。


中央病院のあり方検討委員会という提案
〜公的病院としての存在意義・必要最低限の規模の明確化/民営化・独立行政法人化・PFI手法の導入など多様な運営形態の検討

 ここで、提案したいのが、経営健全化計画後のプランを設計するための、仮称「中央病院のあり方検討委員会」を立ち上げて、今後のことについて検討を始めるということです。
 検討しなければいけない問題は大きく分けて2つの問題だと思っています。
 ひとつは、公的病院としての機能を果たしているのかを明らかにすることによって、病院自体の必要性について再調査し、必要とされる病院の規模を検討することです。
 まずは、今ある診療科はすべて必要か、という問題を改めて検討する必要があります。公的病院は地域医療におけるセーフティーネットとして存在するべきであり、県立病院をはじめとする周辺医療機関とのすみわけを考えれば、セーフティーネットとしての必要性のない診療科もあると考えられます。
 一方で、医師の確保の問題もあります。医師の確保が非常に難しくなっているという現状を考えれば、セーフティーネットとしての機能を複数の医療機関に分散させることは、非常に難しく、機能を一定の医療機関に集中させるほうが効果的な状況になってきています。
 このようなことも含めて、中央病院の組み込まれている、阪神南圏域の2次救急体制の中での役割を改めて検討する必要があると思っています。
 以上のようなことから、公的病院としての機能と必要性を議論するために、中央病院の診療圏、その診療圏内の潜在的患者数、診療科ごとの周辺医療機関との補完関係、救急体制上の補完関係などのデータを用いて、公的病院としての機能を再評価するべきだと考えます。
 そもそも、経営健全化計画で平成20年に「地方公営企業法の全部適用の導入を検討する」と定められており、経営方針を独自に定める際には必要となるデータでもあります。
 検討しなればいけないもう一点の問題は、病院の運営形態です。
 公的病院の運営形態としては、現状の公設公営以外にも、民営化、独立行政法人化、指定管理者制度、PFIなどさまざまな形態が存在し、今後の病院のあり方にとってふさわしい運営形態をゼロベースで考え直すべきだと考えます。
 たとえば、独立行政法人化とは、独立行政法人通則法に基づいて、「行政が企画立案して住民に提供すべき病院機能の実施主体を独立行政法人として、行政から切り離すこと」をさしています。この手法によって、病院長に対する役員の公募や職員の任命権等の付与、成果主義に基づく報酬体系の導入などを実現することが可能になります。たとえば、大阪府は、府立の5病院が抱える課題に対応するため、「今後の府立病院のあり方、役割」について検討を行った結果、「事業目標の設定と事業の評価が法的に担保され、透明性が確保される」との理由から、平成18年から「地方独立行政法人大阪府立病院機構」として開院しています。
 つぎに民営化とは、行政からの債務の切り離し等を実現することが可能となる手法です。平成13年に福岡県は県内の5病院の抱える不良債務の解消について検討を行った結果、県直営での改革は困難であるといった理由から、県内の4病院を民間委譲することを決定しました。それぞれ、医師会、財団法人、社会福祉法人に売却され、2病院は平成17年に民営で開院、残り2病院は来年度以降の開院に向けて準備を行っています。
 つぎにPFIとは、民間の経営ノウハウが反映され、サービスの質の向上、コスト削減等の実現が可能となるだけでなく、民間事業者からの病院建て替え資金の調達が可能となる手法です。近江八幡市では、市立病院の老朽化に伴い、平成10年に「近江八幡病院の移転新築方法」について検討を行った結果、PFI方式を用いた病院の移転新築を行うことを決定しました。そして、平成18年には近江八幡市民病院は近江八幡市立総合医療センターとして開院しております。
 以上のように、中央病院の今後という問題を考えたとき、病院の規模と必要性、運営形態に関して、病院内だけではなく、地域の医療を担っている医師会や外部の専門家なども入れた、専門的な検討会を設置して議論する必要があると思っております。
 ここで、質問いたします。
 第二次経営健全化計画と平行して、中央病院の今後のあり方を検討するための検討委員会を設置するべきではないかと考えますが、この点に関して、当局のお考えをお聞かせください。


答弁において当局は検討委員会の設置を明言しました。実際に平成19年度から委員会は設置されています。質問にもあったとおり、この議論の進捗と第二次経営健全化計画の進捗を併せて注視していく必要があります。

続きはこちら
policy一覧へ戻る