2006年9月
西宮市の財政に関する危機管理について
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I.前段/西宮の財政状況はほんとうに大丈夫なのか。
西宮市は、財政改善に向けて、大変な努力をしています。
これまで、3次にわたる行財政改善実施計画に取り組んできていますし、
普通会計(※1)の市債残高は平成11年度より減少傾向に転じております。
平成17年度決算見込みによると
起債制限比率(※2)が前年より0.8ポイント減少16.3%→15.5%)、
経常収支比率(※3)が3.0ポイント減少(101.1%→98.1%)
と、少しずつは財政当局の努力が現れているといえます。
しかし、ここで、厳しい財政運営を続ける西宮にとって大変衝撃的なニュースがありました。
6月20日の、夕張市の財政再建団体(※4)指定の申請表明です。財政規模45億円の夕張市が、その14倍の632億円(※5)もの負債を抱えて破綻したのです。
この破綻を受けて、西宮市議会も西宮市の財政状況を改めてチェックするべきだと思い、この質問をすることにしました。
西宮市の財政や監査を信用していないわけではないのですが、これまでのチェック体制では、夕張市で起こったことを防ぎきることはできないのです。
現状では、財政指標の計算に使う数字は普通会計に基づくものがほとんどであり、一時借入金(※6)も地方債には含まれません。公社や第3セクター(※7)の会計ともなれば、議会が詳細にチェックすることも難しいです。
このようなことを踏まえて、財政の破綻リスクを軽減するための提案を2点提案しました。
II. 提案と答弁(1)
一般会計、特別会計、企業会計、公社・第三セクター等の会計、
一時借入金まで含めた連結会計の導入による、負債の全貌把握
西宮市の一般会計の市債残高は、平成16年度決算ベースで2471億円になります。
しかし、これが西宮市の負債の総額とは言えません。
これらの市債残高に加え、債務負担行為残高(※8)、特別会計の負債(※9)、企業会計の負債(※10)、公社・第3セクターの負債、一時借入金残高などを合わせて市の負債として明らかにすべきなのです。
現に総務省も、『骨太の方針2005』(※11)を受けて、都道府県及び政令市に対して、連結会計の導入を要請しています。西宮市は政令市ではありませんが、負債の全貌把握のために、連結会計の手法を導入してはどうかと提案しました。
(単位:億円)
上記が平成16年度決算と、平成17年度決算見込みの数字による負債の全体像です。
表によれば、市の連結会計上の負債の合計は、平成16年度決算ベースで4324億円、平成17年度決算見込みで4211億円ということになります。
この調査を見てみると、破綻した自治体のような極端な借り入れなどもなく、公社・第3セクターの経営状況も概ね常識の範囲内でした。また、負債の総額も、平成16年度から平成17年度にかけて、減少しており、状況は少しずつ好転しているといえるでしょう。
しかし、常にこのように負債の全貌を見据えて財政計画を立てるべきだという考えから、
「連結会計の導入によって負債の全貌を把握すべきではないか」と、
「財政当局は普通会計に含まれない負債まで把握した上で財政計画を設計しているか」
ということを質問しました。
これに対して当局は、下水道事業会計の地方公営企業法適用となる19年度決算以降の連結バランスシート導入に向けて調査・研究を行っていくと答弁がありました。ただし、財政計画の設計に関しては、公社・第3セクターの会計までは考えていないようでした。
そこで、この質問を期に、連結会計的な視点を持った長期財政計画を考えてほしいと要望しておきました。
III. 提案と答弁(2)
包括外部監査の導入を含めた、監査体制の強化
2点目に提案したのが、外部監査の強化です。
夕張市の破綻を受けて、総務省は、この秋までに整備する地方自治体の破綻法制の導入時期を前倒しする方針を固めました。
これにより、破綻する前に財政指導を行う早期是正措置が導入されます。また財政状況の判断に関しても、これまでの単年度のフロー指標だけではなく、債務残高などのストック指標も重視することになります。
この破綻法制のもうひとつの大きなポイントが、第三者機関による監査の強化です。
夕張市にも当然監査はあったはずですが、それにもかかわらずこのような破綻を招いてしまったのは、財政側と監査側の馴れ合いと、財政状況の不十分な情報公開が原因と思われます。
この前例を踏まえて、地方自治法に規定されている包括外部監査(※12)の導入を提案しました。
これに対して当局は、行政経営改革基本計画に計画されているとおり、平成20年度の中核市移行(※13)に合わせて、包括外部監査を導入する考えを明らかにしました。
また、包括外部監査は、外部の監査補陣が課題と考える部分をピンポイントで詳細にチェックするというミクロ視点の監査です。このため、財政当局は自ら監査の対象となり得るポイントを自覚しておかなければならないとも指摘しました。
IV.今後の展望/西宮市を破綻させないために。
今回このような提案をしたのも、全ては西宮市を破綻させないためです。
西宮市が破綻すれば、市単独事業(※14)の原則廃止、住民税や水道料金などの各種負担の概ね2割の値上げ、各種団体への助成金削減などの負担増が確実です。
住民は行政サービスにとっての顧客であると同時に、株主でもあります。顧客である西宮市民の要求に媚びすぎることによって、株主でもある西宮市民の首を絞めることになってはいけません。
だからこそ、今取り組んでいる行財政改善実施計画をより一層推進し、緊縮財政を進めなくてはいけません。これは西宮市民、特に将来の西宮市民にツケを遺さないためのことです。西宮市の財政の身の丈にあった行政運営が必要なのです。
全ての行財政運営は長期計画に基づいておこなわれるべきです。近視眼的・感情的な運営ではなく、財政状況を冷静に見据えた堅実な運営を期待したいということを要望しました。







