■profile
今村岳司/いまむらたけし】
西宮市議会議員/3期目 1972年、西宮市生まれ。 甲陽学院高・京都大法学部卒■浜学園講師・リクルートを経て99年、市議トップ当選(26歳)

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2005年9月

今回のテーマの中心は「分限処分」という制度です。
哲学のないリストラは組織のモチベーションを下げるということを指摘しました。

■西宮市職員のモチベーション

西宮市職員のモチベーションは、現在、かつてないほどに下がっています。その原因は「マジメな者がバカをみる」という西宮市役所の組織病理だと言えます。
西宮市役所では、人員削減によってひとりひとりの職員の業務量が増えています。人員削減自体は必要なことですが、能力の低い職員を処分したわけではなく、単純な退職不補充にすぎないので、他の職員への業務負担が増大しています。さらには、勤務実績不良者などが多発していて、その分の業務が他の職員にそのまま負荷されています。その上、実績や能力を、待遇や配属に反映するための評価システムが存在しないため、仕事をしない職員の分をどれだけがんばってこなしても評価されるわけではないのです。このような西宮市役所の現状を踏まえて、以下などの質問をしました。

○西宮市にも勤務評定はありますが、人事評価としては、実質的に全く機能していません。人事はどのようにそれぞれの職員の能力や指向や適性などを把握しているのでしょうか。
○実際に、目立って勤務実績の不良な者もいます。彼らに普通の職員と同等の給与を支払っていることは、著しく他の職員のモチベーションを下げています。勤務実績不良者に対してどういった対処をしているのでしょうか。


■"公務員はクビにならない"はウソである。〜分限処分〜

 今回の質問の背景にあるのは、地方公務員法上の「分限処分」というものです。

・地方公務員法第28条
1 職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一 勤務実績が良くない場合
二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
三 前二号に規定する場合の外、その職に必要な適格性を欠く場合
四 職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合

このように、法律には「勤務実績がよくない場合」は免職できるとあります。これが「分限処分」です。しかし、過去においてこの条項が適用された事例は少ないため「公務員はクビにならない」と言われてきたのです。
しかし、今年になって少しずつ状況が変わってきました。鳥取県では、勤務評定を実質的に機能させるため、精密なマニュアルが設計されています。勤務評定は実質的な人事評価として機能し、評定結果の悪い場合は研修、さらには分限処分につながるということが明記されています。また、和歌山県では勤務成績が著しく悪いとして、今年の3月に1人の職員を分限免職しました。大分県でも、今年6月の議会で知事が「2006年度を視野に入れ、分限処分を適切に運用していく」と明言しました。分限処分は、公務員人事の分野では全国的に注目を集めています。

■西宮市の現状。

西宮市にも、著しい勤務実績不良のため、3年も前から研修名目で職場を離れている50代の職員がいます。当然、分限処分の対象になりうると指摘しましたが、市当局、特に市長との答弁はかみ合わないものでした。
人員削減というと数ばかりに目が行きがちですが、減らし方こそが重要です。ただ一律の削減などは組織にとって逆効果です。不要なコストを削り、逆に必要な分野には資源を振り分けるべきです。哲学のないリストラは必ず組織のモチベーションを下げるということを、指摘し続けていかなければいけないと実感した議会でした。



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