2004年9月
不当要求と不適正執行を排除するためのコンプライアンス経営について。
■不当要求に晒される行政。行政は不当要求に晒されています。行政に対して要求を無理に通そうとしてくる者は後を絶ちません。それに対して、行政は毅然と対応できているでしょうか。彼らの要求に圧されるかたちで、または彼らと癒着して不適正な執行をしている例も後を絶ちません。これは、西宮でも言えることです。生活保護や市営住宅を管轄する部署では、役所のカウンターなどで要求を通そうとして暴力を振るう事件などが多発しているのが現状です。
■職員からのヒアリングによる課題抽出。現場での課題を抽出するために、市職員からのヒアリングを行いました。
- オープンでない:部長室や局長室といった密室で、幹部が直接不当要求者に対応する場合が多いとききます。これでは部署内で情報共有ができないばかりか、不当要求者に言質を取られることにもつながります。
- 厳正なルールの執行がなされていない:不当要求者がアポイントもなしに職場カウンターの中にまで入ってきて、部課長に不当要求をし、ひどいときにはデスクの内線電話から局長を呼び出したりする例もあります。
- 対応が現場任せ:対策本部への報告は年にたった数件。減点主義の公務員社会では報告して話を大きくすれば、自分にはね返ってきてしまうと思って、ほとんどは職務の範囲だと我慢して泣き寝入りしているといいます。市長室や人事部にも現場を守る姿勢がなく、不当要求者に言われるがままに現場に指示をしたり、問いただしたりするといいます。
- 上司や経営陣に毅然とした態度がない:上司に報告しようにも「自分に不手際があったんじゃないのか?」と問い詰められたり、逆に不当要求者をなだめたりしてしまうといいます。管理職や経営陣の自己保身態度のしわ寄せは担当者にきています。
- 内部的な「不当要求」:労働組合が、他の職員や人事に対して不当要求をしてくる例も多く、人事も組合との馴れ合い体質が強いとききます。
現場から抽出した問題点を解決するための施策を整理して提案しました。
- 現場への現職警察官の出向受け入れ
- 警察・弁護士会等の外部組織との連携
- 公益通報制度の整備
- 要望・働きかけの公表
- 情実人事一掃のための人事委員会設置
- 公正性を担保するための労使交渉公開
そして、なにより重要なのは、市長自らが市の毅然とした姿勢を表明することです。
■現状認識に乏しい当局の答弁。職員から聞いた声などを紹介しながらの質問でしたが、当局の答弁は「現状で充分対応できているので大丈夫」というようなものがほとんどでした。当日は現場の職員も多数傍聴に来ていたようでしたが、彼らは、経営陣の無責任な答弁をどう聞いたのでしょうか。コンプライアンス制度の先進市である近江八幡市では、市長自ら「闘う市役所」というスローガンを掲げて、不当要求追放に取り組んでいます。納税者の信託と職員の誇りを守るためにも、経営陣自らが、不当要求に対する毅然とした態度を明確にするべきだと訴えました。
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