条例案を制定することができない

憲法で定められている現行の法律に抵触する

地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)に抵触する可能性がある

地方自治法 第1条の2

国は、前項の規定の趣旨を達成するため、国においては国際社会における国家としての存立にかかわる事務、全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動若しくは地方自治に関する基本的な準則に関する事務又は全国的な規模で若しくは全国的な視点に立って行わなければならない施策及び事業の実施その他の国が本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることを基本として、地方公共団体との間で適切に役割を分担するとともに、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たって、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない。

とある。国防は国の管轄であり、地方自治法第1条の2「国家としての存立に関わる事務」「全国的に統一して定めることが望ましい国民の諸活動」「全国的な規模で若しくは全国的な視点に立っておこなわれなければならない施策」にあたる。したがって国防に関すること地方自治体の管轄するべきものではない。また、

地方自治法 第14条

普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。

2

普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。

3

普通地方公共団体は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、その条例中に、条例に違反した者に対し、二年以下の懲役若しくは禁錮、百万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収の刑又は五万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができる。

ここで「法令に反する条例は定めることは出来ず、効力を有しない」と定められている。

国民保護法 (正式名称: 武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律) に抵触する可能性がある

これにあわせて、救援の程度、避難施設の基準等を定めた「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律施行令」も制定された。

国民保護法 3条の2

地方公共団体は、国があらかじめ定める国民の保護のための措置の実施に関する基本的な方針に基づき、武力攻撃事態等においては、自ら国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施し、及び当該地方公共団体の区域において関係機関が実施する国民の保護のための措置を総合的に推進する責務を有する。

つまり、有事の際、地方公共団体には国の方針に基づき国民の保護のための措置の責務がある。

国民保護法 3条の4

国、地方公共団体並びに指定公共機関及び指定地方公共機関は、国民の保護のための措置を実施するに当たっては、相互に連携協力し、その的確かつ迅速な実施に万全を期さなければならない。

地方公共団体は国民の保護のための措置を実施するに当たり、国と連帯協力する義務が規定されている。自衛隊を無防備地域に入ることを出来なくする「無防備地域宣言」はこの法令に抵触する可能性がある。

自衛隊法に抵触する可能性がある

自衛隊法には、内閣総理大臣の指揮監督権が明記されており「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する。」と書いてある。自衛隊の最終的な管轄・決定権は内閣総理大臣、つまり政府にあり地方自治体にはない。

無防備地域宣言をするためには以下の4条件が必要である。

ジュネーブ条約第1追加議定書第59条

  1. すべての戦闘員並びに移動兵器及び移動軍用設備が撤去されていること。
  2. 固定した軍用の施設又は営造物が敵対目的に使用されていないこと。
  3. 当局又は住民により敵対行為が行われていないこと。
  4. 軍事行動を支援する活動が行われていないこと。

1.にある「戦闘員」や「移動兵器」、2.にある「固定した軍用の施設」や「営造物の使用」といった自衛隊の施設等の管轄・決定権は政府にあり地方自治体にその権利はない。

1.1.4 武力事態対処法(注) に抵触する可能性がある

(注) 武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律(平成15年6月13日法律第79号)

武力事態対処法第3条

武力攻撃事態等への対処においては、国、地方公共団体及び指定公共機関が、国民の協力を得つつ、相互に連携協力し、万全の措置が講じられなければならない。

武力事態対処法第5条

地方公共団体は、当該地方公共団体の地域並びに当該地方公共団体の住民の生命、身体及び財産を保護する使命を有することにかんがみ、国及び他の地方公共団体その他の機関と相互に協力し、武力攻撃事態等への対処に関し、必要な措置を実施する責務を有する。

地方公共団体は国や他の地方公共団体と協力する責務があり、また有事の際、地方公共団体は国と協力する責務がある。