今村岳司 reconquista

【市長所信表明 平成26年6月17日】

平成26年6月17日、西宮市議会第13回定例会3日目に、所信表明を行いました。 所信表明とは、私がこれから行う政治の指針を、議会に対して表明するものです。 選挙で訴えてきた政策を、実際の政策推進に落とし込んだものとして整合をとったものでもあります。



Ⅰ 文教住宅都市・西宮

 改めて、この西宮市議会本会議場に帰ってこられたこと、そして、新市長として市政運営に関する所信表明をする機会を得ましたことを、誠に光栄に思います。
それと同時に、3千6百人の職員を擁する西宮市役所の経営者として48万7千人の住民の福祉の増進を司り、西宮の未来に責任を持つようになったことに、身の引き締まる思いであります。
 西宮で、西宮市役所出身でない市長が誕生するのは26年ぶり、選挙において現職の市長を破って市長が替わるのは、文教住宅都市宣言をした辰馬龍雄市長以来51年ぶりのことです。市長選挙で私を選んだ意思は、ある程度において、市政の大きな変革を期待してのものと捉えることもできるでしょう。しかし、西宮には敬意を払うべき歴史があります。今村岳司という政治家がいなくなろうが、今村岳司という人間がいなくなろうが、西宮の文化と政治は生き続けます。私は文教住宅都市・西宮の歴史のある一箇所で、ある役割を担っているに過ぎません。ですから、西宮の歴史からもらった役割を果たし、次の時代の政治へ繋ぐことこそが、私の使命です。「革命」ではなく成果を出すために必要な最低限の「改革」を堅実に行い、合理的で効率的な、文教住宅都市・西宮の歴史にふさわしい行政経営を行っていきたいと考えています。
さて、西宮は明治末期から住宅開発が行われ、古くから上質で暮らしやすい住宅地として愛されてきました。そして、昭和38年の文教住宅都市宣言を経て、今も、便利な立地、落ち着いた環境、買物や交通の利便性、街並みのブランドイメージなどを理由として、民間企業の実施した「住みたい街ランキング」で関西の1位に選ばれる街です。震災前の42万人が、震災直後の平成7年には39万人に減少した人口も、現在では48万7千人まで増えています。
しかしながら、この急激なペースの人口増加に加え、共働き世帯の増加や高齢化の進展などに、行政サービスが追いついていないという面があります。
また、これに加え、防災・減災への対応や公共施設の適正な管理、さらに、市民ニーズの多様化・複雑化により増大する行政需要に対応するために、限られた経営資源を効率よく活用し、持続可能な行政運営を行っていく必要があります。
そのような中で、特に顕在化している深刻な課題には果敢に取り組んでいかなければなりません。

 

公正で持続可能な政治を実現し、文教住宅都市西宮を取り戻します

私の提案する政策は、とてもシンプルです。
今村岳司という政治家がいなくなろうが、今村岳司という人間がいなくなろうが、西宮の文化と政治は生き続けます。
私は文教住宅都市西宮の歴史のある一箇所で、ある役割を担っているに過ぎません。
ですから、西宮の歴史からもらった役割を責任を持って果たし、次代の政治へ繋ぐことこそが、私の使命です。
48万人に説明責任を果たせる公正な政治。50年の歴史に敬意を持ち、50年先の未来に責任を持てる政治。
私は、そんな、あたりまえの政治を、西宮に必要な政治を、私は粛々と行っていくつもりです。(2013年11月作成マニフェストより)



Ⅱ 西宮市の抱える政策課題

1 教育環境の問題
まず深刻なのが、公立学校の施設の不足です。本市48万7千人の人口に対し小学校は40校です。直近の調査によると、中核市42市の「市立小学校1校あたりの人口」は7千769人であるのに対し、西宮市は1万2千113人で最下位の42位となっており、教室不足など学校施設についての解決すべき課題が数多くあります。
また、小学校40校の運動場平均面積は児童一人当たり9.62平方メートルであり、全国平均の30.0平方メートルに比べて狭く、休み時間には安全面に配慮して児童を学年等で分けて運動場を使用したり、体育の授業では複数の学級が活動場所の調整に苦慮するなど、教育活動上でも制約が生じています。そのため、多くの小学校では、子供たちがのびのびと活動できていません。
また、小学校における児童急増は、当然、中学校の生徒急増につながり、既に、中学校においても校舎増改築などの対策が必要となってきています。


2 子育て環境の不足
合わせて深刻なのが、子育て環境の不足です。本市では、これまで保育所待機児童の解消を目指して政策推進を行ってきましたが、この「待機児童数」は、あくまでも厚生労働省が定める基準によるものであり、求職活動中や育児休業取得中、また、特定の保育所のみを希望する場合は待機児童に該当せず、依然として入所待ちの方が多数おられます。今後は、保育の量的拡大だけではなく、質の高い幼児期の教育・保育を総合的に提供することや、地域の子供・子育て支援の充実を図る取組みにも注力すべきと考えています。


3 医療環境の脆弱性
また、医療体制の弱さも深刻です。一次救急については、体制のさらなる充実、特に深夜帯での小児救急の充実が求められています。小児二次救急については、宿直体制が不十分である日が週に1日あるため、一次救急のバックアップ体制が万全とは言いがたい状態です。
他にも、分娩可能な産科をはじめとした周産期医療の充実を求める声なども聞かれるほか、北部地域の医療環境にも課題があります。


4 南海トラフ巨大地震への対応
さらに、新たなまちづくりの課題としては、防災・減災への対応があげられます。
特に、近い将来、発生が懸念される南海トラフ巨大地震については、津波により大きな被害をもたらした東日本大震災の教訓を踏まえ、防潮堤等のハード面の整備に加え、市民への防災意識の啓発や情報伝達手段の多重化などソフト面の対策も重要となってきます。
阪神・淡路大震災の被災市だからこそ、市民の生命・財産を守るための取組みを、速やかに実施していく必要があります。


5 行政需要の増大
本市の抱える課題は、人口増加に伴う行政需要の増大に追いついていないことだけではありません。高齢化や公共施設の老朽化に対する対策も大きな課題です。
団塊の世代が75歳となる平成37年(2025年)には、本市では高齢化率が25%を超え、75歳以上の総人口に占める割合も15%になると見込まれています。介護ニーズが高まるとされる75歳以上の人口が現在の1.5倍以上となり、介護保険給付費も現在より100億円以上増加し、350億円を突破する見込みです。また、障害のある人の数は年々増加し、高齢化も同時に進んでいます。さらに、制度改正により年々支援メニューも充実していることから、今後も障害者介護給付費をはじめとする扶助費は増え続けることが予想されます。
また、本市の公共施設は築後30年以上を経過した施設が全体の約41%を占めており、年々老朽化が進む中、今後の維持管理や保全整備に係るコストの増大が避けられなくなっています。


Ⅲ 公正で持続可能な文教住宅都市にふさわしい政治

以上、本市を取り巻く重要な課題について取り上げました。
それでは、これらの課題に対してどう対処していくか、つまり、どのような政治を行うのかについて述べさせていただきます。
私が市長選挙までの政治活動を通じて西宮市民に提案し続けたのは、「公正で、持続可能な政治を実現し、文教住宅都市を取り戻す」ということでした。
公正な政治。それは、48万7千人に説明責任を果たすことができる合理的な政治のことです。政策推進の根拠が、一部の利益や恣意的な判断によるのではなく、簡潔で合理的な論証によって説明される政治のことです。
持続可能な政治。それは、半世紀の文教住宅都市としての歴史に敬意を払い、さらにこれからの高齢社会や財政需要の増大などを踏まえて、バラマキによる借金を増やさない、半世紀先の未来に責任を持てる政治のことです。
奇をてらわない、すなおで、堅実で合理的な政治。未だ色褪せない輝きを放つ文教住宅都市宣言にふさわしい政治を、私は粛々と行っていくつもりです。
それでは、具体的な市政運営の概要について申し述べます。


1 アサヒビール西宮工場跡地の公共施設整備は白紙撤回する
第1は、アサヒビール西宮工場跡地についての取組み方針です。
まず、対象地における公共施設の移転整備を目的とした土地の取得は、白紙に戻します。また、別の用途であっても、積極的に市が土地を取得することは考えていません。
これら公共施設の整備には土地の取得に要する費用だけでなく、施設の整備や将来にわたる維持管理などに莫大な経費が必要となる計画でありながら、他の施策より優先する最重要事項であるという根拠が不足していることを、私は訴え続けてきました。
後ほど詳しく述べますが、特に、中央病院の抱える課題解決には、県立西宮病院との統合が不可欠であり、その議論を進めないまま移転新築することはできないと考えています。
また、これまでの計画では、跡地10ヘクタール全体の具体的な土地利用が示されないまま、公共施設整備を中心に政策を推し進めようとしたことにも問題があります。
こうした市長としての私の考え方、政策推進の方向性については、これまで協議に応じていただいたことへの謝意とあわせて、先般、アサヒグループホールディングス株式会社と跡地全体の買主であるアーク不動産株式会社に直接お伝えしました。
具体的には、2月に締結した基本協定及び3月末の地位譲渡承諾書に基づく土地取得の手続きは進めないこと、今後、土地取得関連の予算の減額補正と総合計画の基本計画を修正する手続きが必要であることを説明し、理解を得たところです。
特に、これから開発の主体となるアーク不動産には、今後見込まれる、同社による開発事業が周辺環境とも調和した良好なまちづくりとして進められることを強く要望し、地区計画制度の導入を基本に、これまでとは別の形で市として積極的に関わっていくこと、当面は、双方協議のうえで、まちづくりに関するガイドラインを策定し、第三者への売却に際しても有効に継承されるルールづくりに取り組むことなどの確認をさせていただいたところです。
アサヒビール西宮工場の跡地活用は、今後、南部市街地の中心部に位置する交通至便な立地条件を活かした開発事業として、民間の資金とアイデアを主体に進められることとなります。市は、事業者とともに総合的なまちづくり方策の設計に積極的に関与することで、周辺環境へ与える影響が大きい大規模開発事業による課題を解消しつつ、良好なまちづくりが進められるよう、この問題に取り組んでいきます。




2 文教住宅都市にふさわしい教育を実現し、子供の育ちによい環境を提供する
第2は、文教住宅都市にふさわしい教育を実現し、子供の育ちによい環境を提供する政策についてです。

(1)「子ども・子育て支援新制度」への対応

幼児期の子供の課題を議論する時に、施設・職員等の現状ありきではなく、何より子供の立場を最優先に政策推進を発想していくことが重要です。
平成27年4月から本格的な実施が予定されている「子ども・子育て支援新制度」については、国からの具体的な内容が示されていないものもあり、十分な検討期間が確保できない状況となっています。
今年度においては、まず新制度への着実な移行を進めていきますが、あわせて、西宮の子供の育ちによい支援を行うことについて議論する場を設け、平成28年度から、さらに質の高い制度の実現を目指します。


(2)子供の育ちに必要な環境の整備

また、全ての子供の育ちにとって、よりよい環境を提供するために、校区ごとに、公園や児童館など児童関連施設の設置状況を把握し、適正に配置していきます。その中で必要に応じて、学校施設の活用や公民館など社会教育施設等の活用を検討し、子供の居場所を確保していきます。
また、教育環境の改善を目指して、学校施設の整備は最優先課題といたします。先ほど述べましたように、人口急増にともなう学校施設の不足は深刻な問題です。昭和38年に文教住宅都市宣言を行った本市でありながら、その教育環境は良好な状況とは言いがたいものです。
私は、子供のために早急に教育環境を改善し、良好な学習の場を提供するのが大人の責任であると考えます。
今般、高木小学校の学校施設不足に対しては第46小学校の新設で対応しますが、施設の不足している学校は高木小学校だけではありません。教室不足に対しては、これまで仮設教室の設置や校舎の増改築で対応してきましたが、運動場の問題には積極的に対応してきませんでした。教室や運動場の不足を解決する方法として、用地を取得することで学校敷地を拡大する方法、老朽校舎を増改築して運動場の拡張と教室不足の解消を同時に行う方法など、施設の状況に応じて早急に対応方針を定め、事業化に向け検討していきます。

(3)学校課題への対応

また、学校現場にある諸課題をより機動的に解決できるよう体制を整えていきます。
これまでは、教職員が問題を一人で抱え込むなど、学校が組織的に対応できず、学校現場に過度の負担がかかるケースがありました。今後、専属のカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、生徒指導経験が豊富な退職教員などを増員し、問題発生の未然防止、早期解決を図り、さらに教職員の負担を軽減していきます。
また、各学校のアレルギー対応などについては、保護者が、学校ごとの対応の違いなどで不安にならないように、市内統一様式の「学校生活管理指導表」を活用して各学校が組織的に管理や引継ぎができるよう、教育委員会と十分協議をしていきます。
特別支援教育については、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が平成28年4月1日に施行されるなど、今まさに新たな転換期にあります。法によって求められる「合理的配慮」と「基礎的環境整備」や、障害等により学習や生活に困難を示す幼児・児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を図るため、特別支援教育支援員等の勤務時間を増加するなどにより支援していきます。
また、市内各学校の課題に直接的な対応ができるよう、県費負担教職員の人事権移譲の実現に向けて、中核市市長会でも早速、論議してきたところです。定数決定権及び学級編制基準制定権の移譲について県と協議を行います。また、現状においても、教育委員会が各校の実情を正確に把握し、それを基に作成した内申を兵庫県教育委員会に提出することにより、各学校の課題が克服できるような人事配置を求めていきます。

(4)放課後事業の抜本的な改革

さらに、より多くの子供たちに、安全・安心で質の高い放課後の育ちの場を提供するため、教育と福祉の縦割りを廃し、「留守家庭児童育成センター」と「放課後子ども教室」のそれぞれの役割を活かした運営の一体化を目指し、総合的な放課後対策に取り組みます。
また、放課後に安全で自由な遊び場を確保するため、学校に負担をかけることなく、全小学校で校庭の開放を進めていきます。そのために、安全管理の方法や学校教育活動との切り分けなどの課題を整理し、市の責任において事業として実施できるよう検討していきます。



3 救急医療・小児医療を充実させ、高齢者の在宅療養を可能にする
第3は、救急医療・小児医療の充実と、高齢者の在宅療養を可能にする政策についてです。

(1)医療課題の洗い出し

現在、本市には、深夜帯の救急医療、特に小児救急医療のあり方など、地域完結型医療の実現に向けた課題があります。また、高齢者においては、在宅医療と在宅介護を一体的に提供できる地域包括ケアシステムの構築や、緊急時に対応する病床の確保など在宅医療の課題があり、さらに、障害のある人が地域の医療機関に円滑に受診できる仕組みづくりの課題や周産期医療の不足などもあります。
これらの課題の解決のためには、市内の病院と診療所、あるいは急性期病院と療養型病院それぞれの医療機関の役割を踏まえた上で、西宮の医療のあり方を関係機関の協力を得ながら考える必要があります。
こうした本市の医療課題の洗い出しと解決に向けて、まずは市内の医療課題や医療環境を把握するために、広範な医療関係者に意見を求め、本市の医療全般のあるべき姿について議論していただく場を設置いたします。
また、これまでの本市の医療政策は、それぞれの部局で実施してきましたが、全体を俯瞰した医療政策が行われてきたとは言えません。そのため、医療課題の解決に向けた庁内横断的な医療政策を統括する部門の設置を考えていきます。

(2)医療課題への対応

本市応急診療所の課題は、深夜帯の診療がないことであり、特に小児診療の深夜帯の体制整備が喫緊の課題です。夜間・休日を含め、平成24年度には、受診者の55.6%にのぼる9千934人を小児が占めています。一方、市外での一次救急受診状況は、伊丹市にある阪神北広域こども急病センター、尼崎市休日夜間診療所、神戸市こども初期急病センターで合計3千249人にのぼります。
子供は病状が急変することもあり、特に深夜帯は保護者の不安も増します。小児一次救急医療の整備は市民の強い要望であり、深夜帯の体制整備は大変重要な医療課題です。しかし、医療従事者にこれまで以上の負担をかけることは難しく、また、小児救急は、電話相談で対応可能な場合もあることから、今後の応急診療所のあり方について、医療関係者との議論を踏まえ、市の応急診療所の指定管理者である西宮市医師会とも協議していきます。
また、他市の医療機関の利用が多い北部地域については、他市の医療機関を受診する際のアクセスや費用負担の軽減などを検討していきます。

(3)西宮市立中央病院のあり方

中央病院については、救急医療やがん診療、災害・広域的呼吸器感染症対策に重点をおいた新たな病院として、8診療科に縮小したうえで現病院と同じ257床規模の病院をアサヒビール西宮工場跡地へ移転新築することとしていましたが、この計画では市内医療環境の向上に繋がらず、また、その規模の公立病院の持続的な経営は困難であることから、これを白紙撤回いたします。
私は、従前から、中央病院と県立西宮病院との統合の必要性について主張してきました。安定した小児医療の提供、感染症に対応できる病床の確保や障害のある人への医療の提供、市内でも少ない歯科口腔外科の設置など数々の課題があります。阪神南圏域においては、兵庫県下の他の医療圏域に比べ、人口に対する病床数が少ない状況であり、許可病床数257床の中央病院と400床の県立西宮病院とが別々に医療を提供するのではなく、両病院が統合し、600床を超える基幹病院として医療を提供することが最も効率的で効果的な方法です。
本年4月から中央病院は地方公営企業法の全部適用に移行し、病院事業管理者が就任しました。管理者も県立西宮病院との統合に前向きな意見を持っておりますし、中央病院と県立西宮病院に医師を派遣している大学医学部も両病院を統合すべきとの強い意向をお持ちです。さらに、過日、医療関係者にお集まりいただき、市内の医療環境について意見交換を行ったところですが、みなさんからも両病院の統合を推進すべきとのご意見をいただきました。
こうした点を踏まえ、中央病院については、県立西宮病院との統合を視野に入れた政策を推進していきます。従いまして、この統合に向けた方針が定まるまで、中央病院のあり方については現状のままといたします。
また、重要な課題として、経営の健全化があります。本年4月には、職員の給与水準の引き下げを実施いたしましたが、さらなる医療サービスの充実や収支の改善に向けて、医療従事者が本来の医療業務に専念できるような体制の見直しや医事部門の強化などに引き続き取り組んでいきます。





4 安心して住める、津波・豪雨災害に強いまちづくりを目指す
第4は、津波・豪雨災害に強いまちづくりについてです。

(1) 南海トラフ巨大地震に伴う津波対策

近い将来に発生が懸念されている南海トラフ巨大地震については、これまで、国や県において、最新の科学的知見に基づき、地震・津波に伴う浸水被害想定等の検討が行われてきました。
本年3月24日には、県から「津波防災インフラ整備5箇年計画・暫定版Ⅱ」が発表され、具体的な整備計画が示されました。それに続いて、県では、今年度、防潮施設の沈下対策の検討などを行い、年度末までに津波対策による浸水想定区域の縮減効果も含め、計画の確定版を取りまとめるとされています。
本市としては、県の津波対策が着実に実施されるよう要望するとともに、計画の確定版の取りまとめに向けた作業の進捗状況の把握や最新情報の入手に努め、あわせて、先般県から発表された被害想定も踏まえながら、市として有効な津波対策の検討を進めていきます。
また、これら国や県が行う地震や津波の対策について、これまで、市からの情報発信が必ずしも十分ではなかったことから、今後は、市民の防災意識の向上の観点からも、より積極的な情報の周知に努めるとともに、あわせて、災害時要援護者支援対策等、市民の被害を最小限に食い止めるための様々な取組みについても、適切に行っていきます。

(2) 雨水・浸水対策

さらに雨水・浸水対策においては、本市の下水道は、6年に一度の大雨を想定した時間降雨47ミリメートルに対応する施設整備が概ね完了し、10年に一度の大雨を想定した時間降雨55ミリメートルへの対応を進めていますが、集中豪雨などによる浸水被害が依然として発生しています。
浸水の頻度や深さなどを考慮し、被害の軽減を図るための対策に努めるとともに、雨水貯留施設や浸透施設の設置推進にも引き続き取り組んでいきます。
また、兵庫県に対しては、市内を流れる2級河川の治水安全度の向上に向けた早期の整備を引き続き要請していきます。



5 公正でスリムで効率的な行政運営と住民目線の参画と協働
第5は、公正でスリムで効率的な行政運営及び住民目線の参画と協働についてです。行政課題が増加する中で、市民満足度の高い行政サービスを提供するためには、経営資源を効率的、効果的にマネジメントし、住民の立場に立った住民目線でのサービスの改善を行っていくことが重要です。

(1)民間活力の積極的導入

まず、公共サービスのあり方においては、「民間でできることは民間に委ねる」民間活力の積極的な導入を図ります。
ごみ収集、学校給食、保育所や幼稚園等、民間においても実施可能な事業、他自治体では民間が担っている事業について、「市直営の方が安全」、「直営の方が信頼できる」というような根拠が明確でない理屈は成り立たないと考えています。今後の本市の政策推進においては、事業を進めるにあたって、直営が必要かどうか、必要であるならば、どのような勤務形態が良いのか、さらには、正規職員を配置する必要性についても明確な論拠に基づいた検討をしていきます。
また、技能労務職員の採用については、各業務のあり方や執行体制について再度精査、見直しを行います。今後の採用については、この見直しの結論が出るまで、当分の間凍結します。

(2)人件費の適正化

次に人件費についてです。本市においては、これまで適正化に向けた取組みを行ってきましたが、本市職員の給料は国や他の地方公共団体及び民間と比べても高い水準にあるため、高年齢層職員の給与構造、及び労務職給与水準などについて見直し、管理職手当を定額化します。
人事評価については、地方公務員法が改正され、職員の能力及び実績に基づく人事管理の徹底が求められていることも踏まえ、人事評価制度の公平性や納得性に留意しながら、人事評価の処遇への反映を検討していきます。
また、効率的な組織運営や組織の活性化を図るため、庁内における管理職員の業務及び正規職員や非正規職員の業務、各々の役割について改めて点検を行っていきます。また、さきほど述べた、民間活力の導入による組織の見直しを行っていきますが、これらに伴い、職員の任用及び職種の違いを越えた職員配置のあり方や職員の採用戦略についても大きな見直しを行っていきます。

(3)公共施設整備の総合的な見直し

また、公共施設については、総量削減と、維持管理や保全整備にかかる費用の節減、さらに、財源の確保は、避けて通れない重要課題と考えているため、まずは、今年度速やかに取り組むものとして、将来的な公共施設の保全整備に必要な財源を確保するための基金条例を提案したいと考えています。
公共施設の整備について、1つ目の視点としては、現時点で喫緊の課題となっている施設への対応です。
現在それぞれの部署で進めている整備計画の検討を一元化し、優先順位を設けて進めていきます。この際、本市が所有している利活用可能な資産の有効活用及び売却による財源確保の検討も一体的に取り組みます。
また、本市では、市営住宅が床面積で公共施設全体の約41%を占めており、全国的に見ても非常に高い割合になっています。現在進めている統廃合の取組みをより進めることに加え、市営住宅のあり方自体の検討も進めます。
公共施設整備に関して、2つ目の視点は、既存施設の有効利活用です。
現在ある学校施設をはじめとした公共施設について、小学校区ごとに、地域の特性を踏まえた施設の配置状況を分析し、今後のマネジメントの方針を定めていきます。特に、公民館や市民館等の市民集会施設の再配置計画の検討に当たっては、児童館的な機能への利活用と併せて検討します。
なお、小学校は学校教育の場であるほか、地域の中核施設でもあるため、将来的に空き教室が発生した場合には、他の用途の施設を集約していくことも有効な手段であると考えています。
それには、学校施設の管理について、教育委員会と市長事務部局との間での調整が必要です。そのため、移すことが可能な権限や業務についてはできるだけ市長事務部局に移譲し、総合的で一元的な政策の設計ができるような組織体制の構築を図っていきます。

(4)住民目線に立った参画と協働

これらの経営資源のマネジメントを強化する一方、住民目線に立った参画と協働に努めていきます。
現在、本市では、福祉や防犯、防災、環境といったさまざまな分野の地域課題を解決するために、自治会をはじめとする各種地域団体が活動を展開しています。一方、行政は各所管部署がそれぞれ地域と関わっていながら、部署間の連携がなく、ばらばらであり、このため、内容が似通った施策や重複した事業なども見受けられます。地域との信頼関係の構築や効率的な施策展開を図るため、これら地域との関係を分野ごとではなく、「地域」を切り口として対応を行います。これにより、いわゆる縦割り行政を見直し、「地域」という横串を通して、例えば、校区などのエリアごとに地域福祉が実現できるような体制の確立を目指します。



Ⅳ 機動的で合理的な説明責任を果たせる政策推進

1 メリハリのある堅実な推進
これまで申し上げてきたこのたびの所信においては、あえて本市の全ての政策分野を網羅するようなものにはしておりません。まとめるならば、子供と教育、医療と福祉、防災対策の分野と効率的な行政経営に絞って申し上げました。これから、私が実行する行政経営についても、このようなかたちでメリハリをつけていきたいと考えています。
私は、この場で取り上げました課題の全てに直ちにとりかかります。しかし、結論を急ぐが故に拙速な判断を行ったり、結論ありきの非合理的な政策推進を行うことはいたしません。論理的な根拠がない行政経営は、決して成果を生むことはないからです。今後、行政経営が住民の福祉の増進に着実に結びつけられるように、議論を重ねつつ効果的かつ堅実に事業を推進していきます。



2 機動的で合理的な推進体制
これからの西宮市役所においては、現場の専門的判断に信頼を置きつつ、政治判断については必ず私が責任を持って行うようにしていきます。このことにより、迅速な判断とともに、部門の垣根を越えた課題への機動的な対応が可能となります。
私は恣意的な判断による行政経営や、私個人のカラーを出すための突飛なことをするつもりはありません。特定の誰かの利益のために不公正な政策推進をすることもありません。これからは、「なぜその政策が出てきたのか」がきちんと合理的に説明される政治としていきます。
地方公務員法第30条には「全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当っては、全力を挙げてこれに専念」とあります。職員の精励にはこれまでも敬意を払ってまいりましたが、今後はさらに、西宮市役所の持てる力を限界まで引き出し、全力で住民の福祉の増進にあたる経営を行っていきます。

3 二元代表制のもう一翼を担っていただく議会に対して
最後に、二元代表制のもう一翼を担っていただく議会に対して申し上げます。
私はこれまで議会で15年間仕事をしてきました。そして議会の議事機能を向上させる改革にも携わってきた自負があります。
日本国憲法第93条には「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」という記述があり、二元代表制による運営を大原則としています。二元代表制が期待しているのは、市長の方針をただただ追認する議会でなく、健全な政策議論が行われる議会であります。
これから、合理的で具体的な政策提案をいただくことを期待しています。課題の提示だけではなく、合理的な解決のアイデアも合わせてご提案いただけるなら、よりスピード感のある機動的な行政経営につながるものと考えます。

4 すべては、あしたの西宮のために。
私の政治は、選挙で私を選んだ一部の人ではなく、遍く48万西宮市民に捧げられるべきものです。
西宮を愛する市民の皆様、そしてその意思を代表する議会におかれましては、これから始まる新しい政治をともに創っていっていただくことをお願いいたしまして、私の所信表明と致します。

今村岳司/プロフィール

今村岳司プロフィール

■1972年11月28日 西宮生まれ
■神大附属住吉小~甲陽学院中・高~京都大学法学部(国際政治学・高坂ゼミ)・浜学園講師(算数科)~(株)リクルート~1999年より市議会議員
■京都大学在学中は、音楽家を目指して作曲・演奏活動をする一方で、浜学園の「最高レベル特訓」の算数科講師として受験対策に活躍。3年のとき新聞社主催のディベート大会で優勝。4年のとき阪神大震災で罹災(全焼)。自衛官と消防士の活躍に感銘を受けて「国と地域に尽くしたい」と政治家を志す。リクルートを経て、市議選立候補。後援組織ナシ、チラシと街頭演説だけで初当選(26歳最年少・トップ当選)。以来4回の選挙で3回のトップ当選。高校入試複数志願制度の導入や校地拡大などの教育環境向上・公立病院改革・行政改革などに力を入れて政策提案する一方、議員定数削減や議員立法など、議会改革の中心的存在に。初当選直後に『議員インターンシップ』を運営するNPO法人を全国展開し、輩出した議員も30名以上。独自の政治理論や政治スタイルは全国に影響を与え、講演も多数。
■2014年4月20日に行われた西宮市長選挙にて59,576票を頂き、当選(1期目)
■趣味はギター演奏と料理。パンフレットやチラシやwebのデザイン、イラストはすべて自身によるもの。市内全戸にチラシを歩いてポスティングするなど体力には自信あり。
■尊敬する歴史上の人物:空海、曹操
■自慢できること:酒と煙草をやめたこと、家事と仕事の両立、倹約、節制、手際、体力
■なくてはならないもの:仕事、恋、山、冬、ひとりの時間
■好きな言葉:『照見五蘊皆空 度一切苦厄』(すべては相対的なもの。それがわかると、あらゆる苦厄を乗り越えることができる。~般若心経)
■好きな小説:『燃えよ剣』/司馬遼太郎、『楊家将』・『血涙』/北方謙三
■好きな映画:『ゴッドファーザー part.II』、『ミッション』
■好きなマンガ:『バガボンド』/井上雄彦、『花男』/松本大洋
■好きなレコード:『appetite for destruction』/ガンズ・アンド・ローゼズ、『tango:zero hour』/アストル・ピアソラ

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レコンキスタ

取り戻そう。私たちの西宮。

「50年前の文教住宅都市宣言を決めた選挙に、家族が深く関わっていました。あなたのチラシを読んで懐かしく思いました。お話をお伺いしたいです。」という方が私に連絡をくれました。
「今年の西宮は”文教住宅都市50周年”などと浮かれているけれど、その精神は完全に忘れ去られています。あなたのような若い人が、その精神に基づいた西宮を取り戻したいと言ってくれて嬉しかったわ。」
彼女とお話しして、あらためて私はこの美しい西宮に生まれたことを幸せだと思いました。50年前の敬意と歓びに溢れた奇跡の遺したまち、西宮。

「レコンキスタ」とは、昔むかし、異教徒・異民族に征服された土地を取り戻すためにスペインのキリスト教徒が続けた長い戦い「国土回復運動」のこと。
西宮は、私たち西宮市民のものです。私は、誇り高い「文教住宅都市宣言」の理想に基づいた、公正で持続可能な政治を、この西宮に取り戻すために立ち上がり、そして選ばれました。
そしてレコンキスタはこれからも続きます。西宮にとってふさわしい、あたりまえの政治をちゃんと取り戻すために。

 

 昭和35年—高度経済成長が始まり、その狂瀾の影にあるものから日本人がまだ目を逸らしていたころ。
 時の西宮市長は、西宮の海岸を埋め立てて日本最大の石油化学コンビナートを誘致する計画を掲げました。
 この問題を検討する名目で作られた会議で婦人会長はこう言いました。
「西宮の海岸に保存すべきものは今日すでにありません。時勢から見たら当然埋め立てるべきです。」
 市政ニュースにはこう書かれました。「騒音やススなどの公害問題が起こる余地はほとんどない」これが大嘘であることは、直後に四日市で喘息が問題化したことなどを顧みれば明らかです。でも、御用学者で作られた調査委員会は、計画に安全のお墨付きを与えました。
 暴走する市長。市ぐるみの嘘。追従する諸団体。何もしない議会。でも、西宮の住民は立ち上がりました。
 昭和38年の市長選挙で誘致反対派の市長が誕生し、コンビナート計画は白紙撤回されました。西宮の魅力を犠牲にする不条理な事業ではなく、西宮の恵まれた環境と共生した「教育の品質が高く、住みやすいまち」を創っていくことを、西宮の住民は選んだのです。
 辰馬龍雄新市長は就任演説で文教住宅都市宣言をおこなうと言いました。「現在の市民ならびに将来本市に移り住もうとする人々の大部分は、まず第一に健康的で文化の薫り豊かな明るい緑の街を求める人々であろう。」
 このとき西宮は、文教住宅都市を未来に亘って希求すると決めました。そして、当時30万人の西宮は、現在48万人のまちに発展しました。
 西宮の礎となった文教住宅都市宣言から50年。その尊い歴史への敬意も未来への責任も忘れ、西宮市政は同じ過ちを繰り返そうとしていました。
 優しく力強い眼差しで「将来本市に移り住もうとする人々」までもを見つめていた50年前の西宮は、いまの市政をどう見るでしょう。
 いまの西宮を愛している人には、いまの子供たちが大人になっても愛することのできる西宮を遺す使命があります。いまを生きる私たちは、西宮の50年を照らし続けた文教住宅都市宣言への敬意をあらたにし、あしたの西宮に対して果たすべき責任を考え直さなくてはなりません。50年後の西宮にも西宮を愛する市民がいるはずだから。いまのあなたや私のように。
 暴走する市政から、文教住宅都市宣言の理想に基づいた公正で持続可能な政治を西宮に取り戻すため、私は「レコンキスタ」を立ち上げました。
 これから、あなたの愛と、私の政策で西宮を守るときです。50年前のように。

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